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ほぼ全ての映画に使われている!TBSグループ「THE SEVEN」の赤羽智史氏に聞く、実写作品におけるVFXの世界

VFXやCGと聞くとゲームやアニメのほか、SFやアクション映画によく使われているイメージがあるかもしれません。しかし、TBSグループ「THE SEVEN」に所属するVFXプロデューサーの赤羽智史氏は「現在制作されている実写作品でVFXを使わない作品はほとんどない」と話します。


VFXが使われるのは、SFやアクション作品だけではない

VFXはどんな作品に使われるのか、具体的に教えてください。

赤羽 必ずしもVFXが多い作品だけではありません。例えば、10年前の回想シーンを同じ役者でやる場合にも使われます。20歳の人が10歳を、30歳の人が20歳を演じられないかと相談されることもありますよ。

20歳の人が10歳の頃を演じることなんてできるのですか?

赤羽 20歳の人が10歳のときの回想シーンを作るなら、別の役者にした方がいいと提案します。30歳が20歳を演じるというのは、もし予算があったらチャレンジしたいですね。メイクと何かしらのデジタル処理を使い分けてやると思います。

「THE SEVEN」オフィス

 

何気なく使われているVFXの例

今後、海外に向けて制作していく上で意識している作品は何ですか?

赤羽 おそらく一番最初に若返りをテーマにしたであろう『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』や、ロバート・デニーロたちが幅広い年代を演じた『アイリッシュマン』など、どちらかというヒューマンドラマが好きなので、人間のアクティングに関わる作品ができたらおもしろいなといつも考えています。

今まで手掛けた作品でヒューマンドラマ的なVFXのアプローチをした例を教えてください。

赤羽 映画『花束みたいな恋をした』では、主人公の2人が多摩川沿いの部屋に住んでいるシーンは、部屋の窓外は映像を合成してあります。多摩川沿いの家がなかったわけではないですが、撮影効率を上げるための手助けとしてVFXを使いました。

終盤の主人公の2人がファミレスにいるシーンでは2つのショットを繋いでるのですが、現在の2人のツーショットからそのまま過去の2人がそこにいるように乗り替わるワンカットは一番思い出深いですね。在りし日の自分たちを表現したかったんです。VFXはこんな風に何気なく使われていて、現代で実写映像作品を制作する際、使わない作品はおそらくないと思います。

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赤羽智史氏プロフィール
2002年株式会社IMAGICA入社。2012年よりVFXプロデューサーとして日本映画のフィールドで活動。これまでに「暗殺教室」「ちはやふる」「本能寺ホテル」「今夜ロマンス劇場で」「翔んで埼玉」「コンフィデンスマンJP」「AI崩壊」など多くのヒット映画を担当する。2019年よりフリーランスとして活動後、2022年9月よりTHE SEVEN所属。

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