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数々のヒット作を担当!VFXプロデューサー・赤羽智史氏が参画するTBSグループ「THE SEVEN」のグローバル戦略

TBSグループの「THE SEVEN」は、グローバルオーディエンスに向けたドラマや映画を手掛けていく企業です。同社において欠かせない技術の一つであるのが、圧倒的な映像美を生み出すVFX(Visual Effects)。世界配信に向けて現在何をしているのか、VFXプロデューサーの赤羽智史氏が話します。

THE SEVENロゴ

 リソース確保のために海外とのパートナーシップを強化中

現在、THE SEVENでどんな業務をしているのでしょうか?

赤羽 制作予定の原作を読んで作品の理解を進めたり、THE SEVENはVFXアーティストを抱えていないので、仕事を依頼するであろうVFXベンダー(VFXの作業をするスタジオ)とのパートナーシップを作り始めたりしています。日本だけではなく、世界と協力して制作することを目指していて、韓国やオーストラリアなどアジアパシフィックとのパートナーシップは強くなっていくと思います。

海外のVFXベンダーを使うことの魅力は何ですか?

赤羽 規模が大きいスタジオと、より大きなリソースを確保できることです。日本ではアニメやゲームのCGをやりたい人は多いですが、実写のVFXをやりたいという人はすごく少なく、産業としても規模が小さいです。日本のVFXを育てていくという課題もありますが、現時点では日本のリソースに頼るよりも、海外に目を向けています。

Netflixとの提携にはどんな魅力がありますか?

赤羽 世界中に情報網を持っているので、作品の進捗やスタジオの空き情報などをキャッチできることです。今、VFXの仕事はどんどん増えていて、世界的にリソース不足なので、空いているベンダーを見つけるためにアンテナを張っておくのはすごく大事だと思います。

赤羽智史氏

世界標準のワークフローを根付かせることも課題の一つ

今後海外展開する上で、意識していることは何ですか? 
赤羽 技術的にも制作的にもできるだけ世界標準に合わせるように意識しています。VFX業界では十年以上前からワークシェアが進んでいて、韓国などでは北米の大手スタジオがブランチを作り始めていますが、日本はその流れに乗れていないんですよ。

それはなぜですか? 
赤羽 日本と海外ではワークフローが異なるからです。同じフォーマットに則って発注や制作、納品までできるようになると、仕事を依頼する側も受ける側も圧倒的にやりやすくなりますよね。実は東南アジアやインドの人たちの方が北米のワークフローに慣れてるので、日本でもそれを根付かせたいと思います。 

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赤羽智史氏プロフィール 
2002年株式会社IMAGICA入社。2012年よりVFXプロデューサーとして日本映画のフィールドで活動。これまでに「暗殺教室」「ちはやふる」「本能寺ホテル」「今夜ロマンス劇場で」「翔んで埼玉」「コンフィデンスマンJP」「AI崩壊」など多くのヒット映画を担当する。2019年よりフリーランスとして活動後、2022年9月よりTHE SEVEN所属。

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