- CHALLENGE REPORT
TBS『SASUKE』挑戦者の熱意に応える番組作りの裏側…杉山真也アナは過去の全映像を見て実況に臨む!
1997年からTBS系列で放送している人気番組『SASUKE』。第42回大会を迎える2024年は12月25日(水)に放送。『SASUKEワールドカップ2024』で優勝した日本チームキャプテン、パリ五輪金メダリスト、岩本照(Snow Man)をはじめとした100名の挑戦者が完全制覇に挑みます。
今回の記事では『SASUKE』に関わった担当者たちに、番組の裏側について話を聞きました。
『SASUKE』の魅力は、挑戦者の熱量と生きざま!
2023年から『SASUKE』のチーフプロデューサーを担当している七澤徹さん(TBSテレビ)。今の立場を任された時はどんな心境でしたか?
七澤 『SASUKE』はTBSを代表する番組であるのはもちろん、『SASUKE』を基にしたオリンピック競技ができるなど、放送の枠を越えた番組なので、プレッシャーはありました。セットの規模や予算も、おそらくTBSの番組で一番大きいんじゃないかと思います。もしかしたら他局も含めて一番の大規模番組かもしれません。特にセットはすごいですよ。あんなセットが人の力で建つんだと驚きました。
TBSには他にもさまざまなスポーツ番組がありますが、『SASUKE』と他番組との違いはどう感じていますか?
七澤 出演者の皆さんは、仕事と並行しながら体を作ったりと、本当に1年かけて『SASUKE』に挑んでくれています。ここまで熱量がかかった番組は他にありません。我々もその1年間の熱量に応えないといけないと強く思っています。
それと、2023年12月に「SASUKE公式BOOK」を発売したのですが、その中で視聴者の方に「SASUKEの魅力」を質問したところ、「毎年、挑戦者一人ひとりの1年の生きざまが見られる番組は『SASUKE』しかない」と答えている方がいて、その通りだなと思いました。
出演する挑戦者の皆さんはどのように決めているのでしょうか。
七澤 一般の方の枠は毎年オーディションで2000人以上の応募が…続きはこちら
全大会の映像を毎年見直し&手作りノートで、実況に挑む
『SASUKE』のメイン実況を務める杉山真也アナウンサー(TBSテレビ)。実況の準備として、毎年「『SASUKE』ノート」を作っていると聞きました。これには何が書かれているのでしょうか。
杉山 過去40回分の放送(※2023年取材時)で使われた文言をまとめています。伝統ある番組のメイン実況を務めるのだから、第一回からの歴史を全て知っておくべきだと思い、過去のDVDを全部見て、気になった文言を書き出すことにしました。例えば、第一回は1997年9月、当時古舘伊知郎さんがメイン実況で使っていた言葉をまとめたり。
『SASUKE』はTBS緑山スタジオで収録するのですが、雨が降ったり風が強かったりするとぐちゃぐちゃになって読めなくなってしまうので、なるべく綺麗にまとめるようにしています。
毎年、過去の全大会を見直しているんですか?
杉山 そうです。毎年見直すことで新しい発見があるんですよ。知らない言葉が出てきたら、類語だとどう表現するんだろうとか、挑戦者の状況に当てはまる四字熟語は何だろうと考えています。
あとは、出場する各プレーヤーの資料があるので、それにも付箋を貼ったりと、しっかり準備をして本番に臨みます。実況の文言は、誰からも指示されることはありません。この仕事の醍醐味は、それぞれの人間ドラマを含んだ実況を、自分で構成できることだと思います。
『SASUKE』を間近で見続けて、どう感じていますか?
杉山 とにかく熱量がすごいですよ。一度リタイアした挑戦者で…続きはこちら
セットはスーパーマリオのイメージで制作⁉映像作り秘話
『SASUKE』の撮影を担当する明石諒さん(TBSアクト)。撮影はどのように行われているのでしょうか。
明石 ステージ全体にカメラを置いたらすごい台数になってしまうので、スポットごとにカメラマンを配置し、挑戦者と並走しながら撮っています。例えば、スタートを撮るカメラマンは、撮り終わったら2ブロック先に走って先回りする、というような感じです。人が直接操作するカメラが16個、セットに固定するカメラもいくつか置いてあります。通常のレギュラー番組と比べるとはるかに多い数ですね。
照明を担当する中田学さん(TBSアクト)は、どのようなこだわりがありますか?
中田 ファーストステージは昼間、セカンドステージ以降は夜に撮っています。ファーストステージは逆光になるので、影にならないように照明を当てることと、一般の方も多いので、お祭り感を出すことを意識しています。昼間は照明がついているかどうかは見た目ではほとんどわかりませんが、足りない部分を補っていくような感じです。
セカンドステージ以降は、総合演出の乾雅人さんが「セカンドステージは(ゲームの)スーパーマリオブラザーズの“1-2”みたいにしたい。地下に潜ったあの世界観がいいんだよな」と昔からよく言っているので、そのイメージをなんとなくキープしながら徐々に怪しさを増していきます。ファイナルステージでは、大きな構造物と小さい人間の対比を表すように意識しています。
どんなところが難しいですか?
『SASUKE』は海外でも大人気!公式グッズは挑戦者も愛用
(※写真のグッズは2023年のものです。2024年の番組オリジナルグッズはこちら)
さまざまな番組のグッズ商品化を担当する関野修平さん(TBSグロウディア)。『SASUKE』公式グッズは種類が豊富ですが、どのように企画しているのでしょうか。
関野 グッズを製造するメーカー様などが集まる展示会やイベントに足を運んで調査しています。『SASUKE』はスポーツ番組なので、グッズ展開にあたって、ドラマと比べるとどうしてもマンネリしてしまう部分があります。だから、毎年少しずつ変化を出すように意識しています。
『SASUKE』は『NINJA WARRIOR』として海外でも放送されています。海外番販などを担当する川畑恵美子さん(TBSテレビ グローバルビジネス局)は、どのような業務をしていますか?
川畑 グローバルビジネス部では、『SASUKE』(NINJA WARRIOR)を北米やヨーロッパのテレビ局や制作会社に営業し、販売する仕事をしています。これまで諸先輩方が築いてきた実績に甘んじることなく、さらに販路を広げていくことが目標です。
『NINJA WARRIOR』は、アメリカでは2009年から全国区で放送されていて、シーズン15まで続く大ヒット番組となっています。エンタメの世界は何でもそうですが、アメリカでヒットすると世界展開しやすい傾向があります。実際に、この十数年の間にドイツ、ポーランド、イギリスなど世界160以上の国と地域に広がっています。
どんなときに『SASUKE』の人気ぶりを感じますか?