- CHALLENGE REPORT
大型LEDに幻想的アートが爆誕!TBS発・学生クリエイターハッカソン「Tech Design Camp 2024」
2024年8月24日・25日、東京・赤坂のTHE HEXAGON 9階にある「Tech Design X(テックデザインクロス)(以下、TDX)」にて、「Tech Design Camp 2024」が開催されました。2日間にわたるイベントの様子をお届けします。
「Tech Design Camp」とは
Tech Design Campは学生クリエイター向け空間演出ハッカソンです。TDXのLEDスクリーンや11.1ch音響システム、照明・電飾などの設備や様々なデバイスを使い、テクノロジー・デザイン・アートの領域を越境するような空間表現にグループでチャレンジします。
2023年秋に初めて実施し、今回は2回目の開催です。デジタル技術を用いたクリエイティブ表現や空間表現のデザイン・アートディレクションに興味のある17名の大学生・大学院生が3つのグループに分かれ、2日間という限られた時間の中でアイデア出しから発表までをやり切りました。制作された作品も、幻想的なアートから空間没入型エンターテイメントまで、多彩な空間表現が出揃いました。
昨年の様子はこちら
1日目から早速制作開始、中間発表までを終える
1日目はアイデア出しから作品の企画検討、制作作業、中間発表までを行いました。
学生の皆さんには、TDXの設備に関する資料とアイデア出し用のワークシートを事前に配布し、それぞれアイデアを考えてきてもらいました。
参加者はA、B、Cの3グループに分かれて作業を開始。デザインが得意な学生やエンジニアリングに強い学生など、異なるスキルセットを持つメンバーたちが、自由にアイデアを出し合って作品の内容を決めていきます。
TDXの設備や機材の説明に加え、TDXのシステム全体の制御として使われているビジュアルプログラミングツールTouchDesignerの簡単なレクチャーも行いました。
企画がまとまったら制作作業を開始。各自の個性を活かした役割分担をして、制作に没頭。居残り作業が可能な22時頃まで残って作業していた学生さんも多くいました。
2日目はいよいよ作品発表へ
2日目は作品発表に向けて、本番環境でのテストからスタート。3グループとも本番ギリギリまでリハーサルやテストを重ねながら、粘り強く作業を続けました。その後、それぞれの推しポイントとともに作品を披露しました。
グループA:大神康資、関口唯愛、渡邉鋼太郎、田崎晴真、高野詩乃、江森藍
作品タイトル「ちりん」
風鈴の「どこかなつかしく優しいイメージ」と「どこか少し不気味なイメージ」の対比を手書きアニメーションと3DCGで表現した作品。風鈴は涼しいイメージがありますが、音の怖さもあり、その二面性を題材にしています。
団扇を仰ぐと画面の風鈴が鳴る仕掛けになっており、床には水面のような演出が仕掛けられ、風鈴の音に合わせて変化していました。
グループB:伊藤花、紫藤寛生、森孝行、李伊セイ、遅亦周
作品タイトル「触れる感情」
何もない状態から生まれた人間が、いろいろな世界や社会に影響されつつ、複雑な人間に成長していく過程を表現したインタラクティブアート。3人の参加者を募り、歩き回ってコミュニケーションをとりながら、個人の「感情」を獲得していくというゲーム性のある作品です。
参加者は感情を集める仮想的な籠を持ちながら、TDXの中に散らばった感情を歩いて探します。感情を集めることで、照明・映像・音楽が刻々と変化していき、最後には3人の集まった感情が一つのカラフルな球体となって表現されました。
グループC:福井悠人、我妻ひより、氏家雛子、西本涼太郎、小玉竜一、余楚韵
作品タイトル「Otaku Blaze」
音に合わせて花火を打ち上げる鑑賞者参加型のインタラクション。参加者が手に持っているサイリウムを振り上げると、自分の目の前に花火が打ち上がります。
床にカウントダウンの数字が表示されるので、1になるときに光った照明の下にいる人がサイリウムをあげるというルールで進行されました。途中でボーナスステージに突入する演出もあり、まるで没入型の音楽ゲームのような空間表現を実現していました。
主催者からの講評
この短い時間で、初対面の皆さんが一緒に作品を作り、ちゃんと完成させたことは本当にすごいことだと思います。今回も3作品が制作されましたが、前回の3作品を含めても似ているものは一つもなく、どれもオリジナリティのあふれる素晴らしい作品となりました。皆様が各々のクリエイティビティを集約して一つの作品を創り上げていくプロセスは、我々にとっても非常に刺激的でした。改めましてお疲れ様でした。
発表後はアフターパーティを実施
アフターパーティでは、昨年実施の「Tech Design Camp 2023」に参加した学生さん(卒業生)や、イベントを企画したTBS Tech Design LabのメンバーがVJパフォーマンスを披露するシーンもありました。学生間の交流だけでなく、卒業生やTBSメンバーとも、クリエイター同士の意見交換で盛り上がりました。
Tech Design Campは、学生クリエイターとTBSグループ、そして学生クリエイター同士がTDXをハブとして繋がり、そしてTDXを中心とした新たなクリエイターコミュニティを形成していくことを目指した取り組みです。そういった観点で、昨年の第1回目で蒔いた種を、今回しっかり萌芽させることができました。これからも、将来を担う若いクリエイターとのTBSグループとの結節点として、本イベントを継続していきます。