• CHALLENGE REPORT

TBSテレビとWOWOWが共同開発!超低遅延ライブ配信アプリ”Live Multi Studio”など盛りだくさんのInter BEE 2023

TBSは、2023年11月15日~17日に幕張メッセで開催された、メディア総合イベント「Inter BEE 2023」および「民放技術報告会」に参加しました。今年はTBSグループを横断した有志のR&D集団TBS Tech Design Labの関係者が、2つの展示に参加、5つの講演に登壇しました。このイベントで初披露となったサービスや、立ち見が出るほど人気の講演があるなど、大いに盛り上がった会場の様子をレポートします。

展示:独自開発「Live Multi Studio」を初披露!

左:ソニーマーケティング様ブース展示/右:赤坂の放送センター内に設置した遠隔制御カメラ

左:ソニーマーケティング様ブース展示/右:赤坂の放送センター内に設置した遠隔制御カメラ

リモートプロダクションの実例でご紹介した、TBSテレビとWOWOWで独自開発した超低遅延ライブ配信アプリを「Live Multi Studio」として一般向けにサービスをリリースする予定です。Inter BEE期間からベータ版のテスター募集を開始しました。評価期間を経て、2024年初頭の本格リリースに向けて最終調整を行います。

今回のイベントでは、ソニーマーケティング(株)様とソニーワイヤレスコミュニケーションズ(株)様のご協力をいただき、両社のブース内に、操作用PCと遠隔制御カメラを置かせていただきました。各ブース内、そして赤坂のTBSを繋いで遠隔制御を体感できるデモを実施。スムーズで遅延を感じさせない操作性に、大変ご好評をいただきました。

展示:TBSグロウディア「在京放送局システム会社アライアンス」

展示:TBSグロウディア「在京放送局システム会社アライアンス」

TBSグロウディアは、在京放送局システム会社6社による「在京放送局システム会社アライアンス」として共同出展しました。

本アライアンスは、放送局のシステム会社が抱える人的リソースからITインフラに至るまで、共通課題解決のために協調領域を定義して協力体制を構築する試みとしてスタート。新機軸と最適化軸の両輪で放送業界のDX推進を目指します。

TBSグロウディアの展示エリアでは、TBSグループの社内イベント「オールTBS感謝祭」でも使用されている、スマートフォンで手軽に参加できるブラウザベースの番組連動型クイズシステム「TBS Qs」と、JNN次世代データ放送設備(センター化されたデータ放送設備)のサブシステムで、データ放送の掲載情報流通プラットフォーム「JNN-GRID」を展示。アライアンスの活動とともに、この2つのシステムも来場者から注目を集めていました。

講演:「TBSの専売特許」!?VP/XR演出、リモプロ、AI開発

TBS Tech Design Lab関係者が登壇した講演5組をご紹介します。

【①クリエイティブワークスペースTech Design Xが切り拓く未来とVP/XR技術を使った最新番組事例の紹介】

左から:TBSテレビ 未来技術設計部 藤本剛、TBSアクト 未来技術推進部 青木貴則、TBSアクト 照明技術部 中川清志

左から:TBSテレビ 未来技術設計部 藤本剛、TBSアクト 未来技術推進部 青木貴則、TBSアクト 照明技術部 中川清志

ドラマ『ペンディングトレイン』や『トリリオンゲーム』、音楽番組『CDTVライブ!ライブ!』(23年8月14日 優里さんXR演出、等)といった、VP(バーチャルプロダクション)、XR(クロスリアリティ)などTBS技術の粋を集めた事例に参加者は釘付けでした。CDTVライブ!ライブ!のXR演出解説時、中川は「この演出は本当に素晴らしい、6チャンネル(TBS)にしかできない。今後も専売特許にしていきたいです。」と力強く話しました。約200席が全て埋まり、立ち見が出るほどの大きな注目を集めました。

【②テレビにおける「バーチャルプロダクション」の進化と未来~最新CG技術はテレビに何をもたらすか~】

青木は、上記セッションにも登壇。在京放送局のバーチャルプロダクション、最新CG技術の取り組み状況・今後の展望を、各社の第一人者が集まって議論する場になりました。今後も各社切磋琢磨した技術進歩・ビジネス展開に期待です。

【③インターネットとソフトウェアによるリモートプロダクション事例紹介】

未来技術設計部 勝俣祐輝

未来技術設計部 勝俣祐輝

前述の「Live Multi Studio」を用いたリモートプロダクション関連の講演が2つありました。

一つ目の、民放連主催の民放技術報告会では「インターネット環境、ソフトウェアベース、汎用機の使用でコストを抑えつつ高画質・超低遅延を実現した、次世代のリモートプロダクション」としてTBSテレビとWOWOWの取り組みを紹介。

【④ライブ制作の未来を変える!遅延なしの次世代型クラウドプロダクション】

未来技術設計部 原拓

未来技術設計部 原拓

同じく「Live Multi Studio」関連で、AWS様のセミナーにゲスト登壇。

超低遅延が売りのリモートプロダクションで、映像制作・配信の基盤を、安定で強靭なAWS上に置いても遜色がなかった実例を紹介。映像品質はそのままで、最大限に効率化した制作スタイルとして「クラウドプロダクション」の推進を行っていきます。

【⑤AIによるミスゼロ支援】

未来技術設計部 中本聖也

未来技術設計部 中本聖也

TBSが取り組む放送ミス防止施策「ミスゼロ」を支援するために、TBSテレビ 未来技術設計部で開発中の「AI誤字チェッカー(LUPE)」「AI提供かぶりチェッカー」を紹介しました。AI誤字チェッカーは、TBS独自の誤字データベースとAI(ChatGPT)を組み合わせた誤字チェックを、Google Chatアプリやスマートフォンのカメラアプリから使える手軽さが売りで、番組で使用されるフリップの確認などでトライアル運用されています。
講演後、AI活用の技術的質問が相次ぎ、注目度の高さを感じました。

今後も「TBS Tech Design Lab」の活動にご期待ください

TBSグループを横断した有志のR&D集団TBS Tech Design Labでは、社内外からのコラボレーション相談をお待ちしております。お気軽にお問い合わせください。

・公式サイト:https://techdesignlab.net/
・公式YouTube:https://www.youtube.com/@TechDesignLab18
・公式X(旧Twitter):https://twitter.com/tbs_TDL
・イノベーションスペース「Tech Design X」: https://techdesignlab.net/X/

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