- CHALLENGE REPORT
「Tech Design Camp 2025」参加学生が2日間で創る、心揺さぶるインタラクティブ・アート空間

2025年9月27日(土)・28日(日)、東京・赤坂のTHE HEXAGON 9階にある「Tech Design X(テックデザインクロス)(以下、TDX)」にて、「Tech Design Camp 2025」が開催されました。2日間にわたるイベントの様子をお届けします。
「Tech Design Camp」とは
Tech Design Campは、学生クリエイター向け空間演出ハッカソンです。TDXのLEDスクリーンや11.1ch音響システム、照明・電飾などの設備やさまざまなデバイスを使い、テクノロジー・デザイン・アートの領域を越境するような空間表現にグループで挑戦します。
2023年秋に初開催し、今年で3度目の開催です。参加したのは、デジタル技術を用いたクリエイティブ表現や空間表現のデザイン・アートディレクションに興味のある大学生・大学院生の15名。3つのグループに分かれ、2日間という限られた時間の中でアイデア出しから発表までをやり切りました。
2024年の様子はこちら
1日目は、この日が初対面のメンバーと制作を開始
1日目はアイデア出しから作品の企画検討、制作作業を行いました。
学生の皆さんには、TDXの設備に関する資料とアイデア出し用のワークシートを事前に配布し、それぞれアイデアを考えてきてもらいました。
参加者の多くが初対面となるこの日、A、B、Cの3グループに分かれ、出会ったばかりのメンバーと協力してアイデアを出し合い、企画を進めていきます。デザインやエンジニアリングなど、異なるスキルセットを持つメンバーたちが、自由にアイデアを出し合い、作品の内容を決めました。

企画がまとまったら、制作作業がスタート。参加者たちは各自の個性を生かして役割を分担し、制作に没頭しました。居残り作業が可能な22時頃まで残って作業していた学生さんも多くいました。

2日目は作品発表に向けて、本番環境テストからスタート
2日目は作品発表に向けて、本番環境でのテストから始まりました。3グループとも本番ギリギリまでリハーサルとテストを重ね、粘り強く作業を続けました。その後、それぞれの「推しポイント」を交えながら、作品発表を行いました。

グループA:福田昴、小関未来、稲葉このみ、藤村勇里、工藤大誠
作品タイトル「わさわさ」
花を咲かせるための生き物「わさわさ」を浮遊させ、LED上に花を咲かせるゲームです。わさわさが通った軌跡に花が表示され、画面にどんどん花が咲いていきます。制限時間1分で、落としてしまったら失敗というルールで進行されました。ゲームに成功し、床のLEDも含め、画面いっぱいに花が広がっていました。
グループB:稲葉諒、小倉悠悟、小峯愛華、長尾遥伽、山野井学史
作品タイトル「祭Re - 神はあなたのそばにいる -」
会場を神社のお祭り会場にとらえたインタラクション。バナナやりんごを供えると、神様がお供え物を認識し、LEDに鳥居が出現。そして、トラッカーを持った3人を中心に、LEDの周りを歩き回ると、LED画面が動いて祭が盛り上がります。画面に近付くにつれてLED内の映像や音楽が盛り上がっていく様子が見られました。
グループC:吉澤佳澄、林勇樹、立野優、木本みいか、平山心
作品タイトル「繋木(つなぎ)」
「人との繋がりや関わりは、個人を変化させる」ということを体感できるインタラクティブアートです。LEDに大きな木が出現し、床のLEDに置かれた葉に触れると、木に葉が生える仕組み。木に人を投影し、個性という名の葉が咲いていく様子を描いたそうです。最後には葉が生い茂った木が完成しました。
主催者からの講評
初対面のメンバーで構成されたチームが、限られた時間でここまで完成度の高い作品を仕上げたという事実に、心から感服しました。今回制作された3作品は、表現力だけでなく、体験全体をきちんと設計している点が特に素晴らしかったです。未経験の技術やデバイスに臆することなく果敢に挑戦する皆さまの姿に大変刺激を受けました。

発表後はアフターパーティを実施
アフターパーティでは、2024年の「Tech Design Camp 2024」に参加した学生さん(卒業生)やTBSチームがオーディオビジュアルパフォーマンスを披露。学生間の交流だけでなく、卒業生やTBSメンバーとも、クリエイター同士の意見交換で盛り上がりました。

開催場所「Tech Design X(テックデザインクロス)」の名称の通り、「テック(エンジニア)」と「デザイン(デザイナー)」の素養を持つ学生の皆さんが集まり、それぞれの得意分野を生かしながら、素晴らしい作品を短時間で制作してくれました。また、過去に参加してくれた学生クリエイターの皆さんとも、今なお形を変えて繋がりを持ち続けています。今後も、クリエイターコミュニティーのハブになるよう、取り組みを続けてまいります。

