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応援アンバサダー・やす子も登場⁉ワクワクする“あそび”を通して学ぶ楽しさを伝えるTBSイベント「AKASAKA あそび!学び!フェスタ」開催!総合プロデューサーが明かす制作の舞台裏

TBSは、2025年4月4日(金)~6日(日)に赤坂サカス広場・TBS赤坂BLITZスタジオ ほかにて、「AKASAKA あそび!学び!フェスタ」を開催します(※参加無料、一部有料や事前予約が必要なプログラムがあります)。このイベントは、主に幼児から小学生の子どもたちを対象に、「自ら考え、創造する力」を育むことを目的として、遊んで学べるプログラムを多数展開します。
このイベントの総合プロデューサーを務めるのは、TBSホールディングスの久我雄三。イベントに込めた思いや目玉企画のほか、約19年間、『サンデー・ジャポン』などの番組制作に携わってきたキャリアについて話を聞きました。
2024年・第1回の様子はこちら:https://innovation.tbs.co.jp/neo_interview/728/
コンテンツ数は前回の1.5倍!人気の「そり立つ壁」も登場

2024年の「AKASAKA あそび!学び!フェスタ」は「さわって、ときめく体験を。」をテーマに、初開催にして大成功でしたね。2025年は「さわって開く、ワクワクのとびら」をテーマに掲げていますが、前年からどのように進化したのでしょうか。
久我 2024年は初めてイベントを開催することになり、最初に考えたのは「放送と何が違うのか」という点です。TBSは基本的にテレビやラジオ、映画、舞台など、「見る」コンテンツを作っていますが、それでは伝えられない「手触り感」を意識しました。
前回同様、手触り感は大事にしていますが、今回は五感で感じた経験をきっかけに、もう一歩先に進んでほしい。その原動力は「胸が高鳴るようなワクワクする経験」だと思っているので、未知の世界へ踏み出す最初の扉を開くきっかけになるようにと願いを込めて、「さわって開く、ワクワクのとびら」というテーマにしました。
早速ですが、今回のプログラムを教えてください。

久我 今年は開催エリアを広げているので、プログラム数は2024年の約1.5倍。その中から、特に目玉企画を紹介します。
まずは、今回も「キッズSASUKE」として「そり立つ壁」が登場します。実際の『SASUKE』で使用するものを約7割にしたサイズで、大人でも成功するのが難しいですが、前回は意外とクリアするお子さんが多くて驚きました。
それから新たに、TBSグループキャラクター・ワクティの中に入り、飛び跳ねて遊べる「ワクティふわふわドーム」が登場します。イベントの象徴としてTBS正面玄関の前に設置するので、ぜひ遊んでみてください。
ほかに、番組とのコラボもあります。日曜劇場『キャスター』のブースでは、報道番組のキャスター・カメラマン体験ができたり、『バナナサンド』のブースでは、「あたまおしりゲーム」にみんなで挑戦できたり、『THE鬼タイジ』の鬼とチャンバラ合戦ができるイベントも行います。
ステージでは、韓国発の3Dアニメーション「Pinkfong べべフィン」のキャラクターショーを行います。こちらは日本初上陸なので、ぜひ注目してください。
PLAZAのブースでは、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の公開40周年を記念したクイズや缶バッジ作りを行います。また、劇中に登場するタイムマシンの展示もありますので、こちらもお楽しみに。
さらに、JA全農さんにご協力いただき、等身大の牛のモニュメントを使った「乳しぼり体験」もご用意しました。ほかにも、砂の中から宝石を探す「砂から発掘!宝石ハンティング‼」や、石を割って本物の化石を掘り出す「トレジャーハンター!化石発掘体験‼」といった、前回の人気コンテンツもあります。面白いものがたくさん揃っていますよ!

準備期間で特に苦労した点は?
久我 世の中、面白いものはたくさんありますが、それを学びにつなげていくにはどうしたらいいのか考えるのはなかなか難しかったです。「AKASAKA あそび!学び!フェスタ」というイベント名なので、「遊び」の部分が大部分を占めていていいのですが、最後の1割くらいで「もっと知りたい」「やってみたい」と前に進む原動力になってほしい、という思いがあるからです。
子ども向け事業を行っている企業にご協力いただいていますが、今後は金融や不動産といった、難しそうなテーマも面白く学べるようなコンテンツも作れたらと考えています。
TBSは「地球を笑顔にする広場」など、ほかにも複数のイベントを開催していますが、それらと差別化するために意識したことは?
久我 これまでのTBSのイベントは主に小学校中学年より上の世代がターゲットでしたが、「AKASAKAあそび!学び!フェスタ」はより低年齢の5歳から10歳くらいをメインターゲットにしています。私も自身の子どもと接していて、実は、自分の意思や考えを持ち始める5歳くらいの子どもが遊べるようなイベントは意外と少ないなと感じています。彼らが直観的に「楽しそう」と感じてくれれば、それを機にそのうち自分で学ぶようになってくれると思うので、まずは子どもたちが「やってみたい」と思ってもらえることを一番大事にしました。
応援アンバサダーは前回に引き続き、やす子さんが務めます。

久我 やす子さんは、私が担当していた『サンデー・ジャポン』(以下、『サンジャポ』)でご一緒したつながりで応援アンバサダーをお願いしました。子どもに人気で明るい方がいいなと思っていたので、ぴったりです。
やす子さんは前回来場されたとき、子どもたちだけでなく、「お父さん、お母さん、子育てお疲れ様です。頑張ってください」と保護者の皆さんにも声を掛けてくれました。親子で一緒に楽しんでいる姿を見てくださったようで、「子どもたちの楽しそうな顔が印象的で、こちらも元気になります」とおっしゃっていて嬉しかったですね。
今回も、やす子さんには開催期間中どこかのタイミングで、会場に何度か登場していただく予定ですので、お楽しみに。

集客にInstagramを活用、目標比260%の約2.6万人が来場
2024年は目標動員数1万人のところ、約2.6万人が来場し、大盛況でした。
久我 はい。正直、ここまで多くの方にお越しいただけるとは思わなかったので、とても驚きました。私は番組制作など放送に関わることに19年間携わってきましたが、これまで視聴者の反応を直接見ることはできませんでした。ですがイベントでは目の前でお子さんや来場者のリアクションを見られたことがとても新鮮でした。
入場制限しなければならないほど集まってくださって、ありがたく思う一方、せっかく来たのに人が多すぎて遊べずにがっかりしていたお子さんもいらっしゃって、とても申し訳ない気持ちになりました。
その反省を踏まえ、エリアの拡張と、待っている間も楽しめるようにスタンプラリー企画を用意しています。「ワクワクMAP」を用意して、お客さんには会場に隠れているワクティのスタンプを探してもらい、全部集めたらプレゼントがもらえます。プログラムに参加しない間も、違う楽しみ方ができる工夫を盛り込みました。
集客にも、工夫があったのでしょうか。
久我 幸い、報道や情報番組でのつながりも多かったので力を貸してもらい、6番組くらいにお願いして告知していただいたほか、Instagramでの告知も行いました。子育て情報マップを提供しているスタートアップ株式会社iibaさんと連携し公式Instagramを運営したほか、20名ほどの子育てインフルエンサーの皆さんにお越しいただき、発信などでご協力いただきました。
前回の来場者アンケートを見る限りでは、Instagramをきっかけに来られた方が全体の3割以上。番組経由で来られたのは28%ほどで、その結果に驚きました。イベントのターゲットがはっきりしているので、相性がかみ合った発信ツールの強みと効果を肌で感じました。テレビ番組を作ってきた人間として忸怩たる思いも正直ありながら、刺激的でとても勉強になる経験でした。集客は今回はさらにパワーアップさせた仕組みを考えています。
ちなみに、久我さんがこのイベントの総合プロデューサーを務めることになった経緯は?
久我 以前から教育には強い関心がありました。情報番組に携わって、タレントさん以外にも文化人、アーティスト、経営者、政治家、さまざまな仕事をする人に会い、全く知らなかった世界の奥深さや面白さに触れることで、どんどん興味が湧き上がって、もっともっと知りたくなってくる。「早く知っていたら、全く違う人生の選択をしていたんじゃないか」「これを知っていることで、こんなに差がつくんだ」と思うことがたくさんありました。知識の大事さを学ぶことで世界が広がる、学びの意義や面白さを知ることで勉強への興味が一気に膨れ上がる。そんな思いをできるだけ早い時期に子どもたちに伝えられたらいいな、と思っていました。
実は、社内の「ビジネスチャレンジ」制度でも、「TBSで学校を作る」という提案を出したこともあります。全然ダメでしたけど(笑)、番組制作を19年間手掛けてきて、これからはもっと番組からビジネスへ発展させていかなければならないと思うようになり、希望して事業投資戦略部へ異動させてもらいました。
ちょうどそのタイミングで、やる気スイッチグループがTBSグループとなるなど知育教育事業が本格的に動き出しました。私もワーキンググループで従事していたところ、その象徴となるようなイベントを作ることになったので、プロデューサー役で声を掛けてもらったという感じです。「めちゃくちゃタイミングがいいな」とテンションが上がりました。
番組制作から、突然イベント制作を任されることに。苦労されたのでは?
久我 第1回のときは、私自身イベント制作は初めてですし、準備期間が実質4か月くらいしかなかったので、結構苦労しました(笑)。自分からいろいろな人に「助けて!」と声を掛け、最終的に30人くらいのプロジェクトメンバーに集まっていただいたので、それは本当にありがたかったですね。
第2回イベントに向けて、意気込みをお願いします。
久我 イベントは前回以上に良い形で作れたと思うので、楽しんでいただけるのではないかと思います。心配なのは、天気です。前回は初日が暴風雨で、オープンの時間を後ろ倒しにしたり、テントブースも中断したりと、待ってくれている子どもたちに残念な思いをさせてしまいました。屋外のプログラムは天気に左右されるので、雨が降らないように毎日祈っています(笑)。

テレビは、エンタメで新たな人生の扉を開く、魅力ある仕事
そもそも、久我さんはなぜTBSに入社したのでしょうか。
久我 一番のきっかけは、大学時代に取り組んだアメリカンフットボールです。もともと「大学まで行って部活にいそしむのは学生の本分として違うのでは?」と思っていた派だったのですが、高校生のときに部活をしなかったことを少し後悔していたこともあり、「利害関係のない状態でチーム活動ができるのは、これが最後のチャンスだよ」と勧められた先輩の一言がきっかけでアメフト部に入部しました。
学生主体の部だったので、4年生がゴールとそれに向けたKPI(目標達成に向けたプロセスを数値で評価・分析する指標)を設定し、3年生がディフェンス・オフェンスを考える、2年生がポジションを考える、と役割が階層化、細分化された「小さな社会」がそこにあって、その上で、体力と根性が鍛えまくられる。ただ体だけを鍛えているのではなくて、体も頭も心も鍛えられる、「これはすごい世界だったんだ」と知り、それを機に世界の見方が変わりました。
「この世に存在しているものにはすべて面白さや奥深さがあって、関心のない人にもその魅力を知ってもらうきっかけが作れる仕事をしたい」と考えた結果、たどり着いたのがテレビ業界。最初に内定をいただいたTBSに入社しました。
『サンジャポ』はADからチーフプロデューサーまで務めたそうですね。
久我 『サンジャポ』は、ニュース番組へのアンチテーゼのような番組です。番組を立ち上げたスタッフは、ニュースに物足りなさを感じていたそうで、「同じ素材(ニュース)を使ってどれだけ面白くできるのか見せていく」という考えで始まったと聞いています。それは私の考えにとても合いましたね。
私は2005年に入社し、TBSテレビ社員として初めて『サンジャポ』チームに入りました。番組は2001年に始まっていたので、すでに出来ている、なかなかアウトロー(笑)なチームになじんでいくことには苦労しましたが、徐々に受け入れてくれ、ADからチーフAD、ディレクター、プロデューサー、チーフプロデューサーまでを経験。延べ14年半、番組に携わってきました。
『サンジャポ』での経験は、現在の仕事にどのように生きていますか?
久我 まず、ディレクター時代に身に付いたのは、発想を転換する力です。この番組は、ニュースをギャグのように紹介しながらも、よく聞くと実は核心に触れたことを言っているという、変化球の作り方をしています。それをどう表現できるのか考えながら作ってきたので、とても鍛えられました。
プロデューサー時代には、コメンテーターに堀江貴文さんや成田悠輔さん等の経営者や起業家、文化人に出演してもらうようになり、彼らとの出会いを通してビジネスへの関心を持つようになりました。
そこで「番組の仕事も続けるので、携わらせてほしい」と希望を出し、2022年に事業投資戦略部を兼務することになりました。『サンジャポ』など現場で得た知識やネットワークを活かして、現場とのハブ的な役目になれたのかな、と自分では思っています。その後、2023年いっぱいで制作現場を卒業しました。
現在所属している事業投資戦略部とは、どんな部署ですか?
久我 簡単に言うと、「投資」をきっかけにスタートアップ企業から大企業までいろいろな企業と深くつながり、TBSにない力を融合させて、一緒に新しいビジネスを作っていく部署です。TBSが広告収入主体のビジネスモデルから転換を図っていく中で、新たな「強み」と「事業」の創出を目指していて、そのきっかけを生み出すために奮闘している部署の一つです。
大きく4つのチームに分かれており、業務内容は国内外のM&AからCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)、事業開発まで幅広いです。現在の部員は約20人ですので、もっと人手がほしいですね。
最後に、就活生へメッセージをお願いします。
久我 私が学生時代にやっておいてよかったなと思うことは、チームスポーツであるアメフトと、ゼミでの活動を両立していたことです。一つの世界で突き抜けることも素晴らしいですが、私にとっては全く違うカルチャーを同時に味わいながら、両方の違いや面白さを経験できたことが非常に価値ある時間だったと思います。今の時代はいかに柔軟に考えられるか、面白い掛け合わせができるかが求められると思うので、学生のうちに、とにかくいろいろな経験をしておくのがおすすめです。自分の引き出しを増やしておけば、人生のどこかで、しかも意外な形で役に立ちますよ。
TBSは、まさに今「いろいろなことにチャレンジしよう」という動きが、テレビ局の中でも一番活発だと感じています。これまでのコンテンツはもちろんのこと、それ以外の領域にも目を向けて広げていこう、という機運に満ちています。「ここに、これを掛け合わせたら面白いんじゃないかな?皆に驚いてもらえるかな?」というように、現在のTBSが持つ武器を面白く活用したり、拡張したり、化学反応させたり…そんな柔軟な感度や遊び心を持てる方には、特に楽しい会社になるのではないかなと思います。
私は、難しく考えがちな物事の入り口こそ、エンタメが生きると思います。例えば「学び」や「金融」と聞くと、難しそうで敬遠する人がいるかもしれませんが、「面白い」が先にあって、触れて楽しんでいるうちに「人生を変える大きな糧になる」と気付くことができたら、がぜんやる気が湧いてくる気がしませんか?その最初の壁を打ち破る、まさに「扉を開く」のがテレビ局の、エンタメの役割だと思います。誰かの人生が変わるきっかけが作れる、素敵な仕事ですよ。
個人的には、そうして教育を大きなムーブメントにしたいんです。興味がある方と、ぜひご一緒したいと思います。
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久我雄三
2005年TBSテレビ入社。現在、TBSホールディングス 事業投資戦略部 兼 学びネクスト事業部所属。
『サンデー・ジャポン』などでAD・ディレクター。報道局として警視庁担当、『サンデーモーニング』ディレクターを経て、『サンデー・ジャポン』『有吉ジャポン』のチーフプロデューサーなどを担当。2022年より事業投資戦略部を兼務し、2023年より主務に。一男一女の2児の父。