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TBSスパークル守川雄一郎に聞く、『news23』への思い

各テレビ局がもっとも多くの時間を割いている「報道番組」。そこに携わる報道記者たちは日々どんな思いで放送を届けているのでしょうか。今回は『news23』(月曜~木曜よる11時から、金曜よる11時58分から放送中)でディレクターを務めるTBSスパークル守川雄一郎に、報道記者の仕事内容や、TBSスパークルの仲間について聞きました。

政治や外交、スポーツ、エンタメ等幅広い分野の取材を経験

守川さんが担当している『news23』ディレクターの仕事内容は?

守川 ニュースの現場を取材し、原稿を書いて、VTRを編集しています。どうすれば、より中身の濃いニュースにできるのかと、スタジオでの展開や構成、ゲストの選定も含めて、試行錯誤するのが毎日の仕事です。その日に起こった出来事を猛スピードで追いかけることもあれば、時間をかけて一つのテーマにじっくり取り組むこともあります。

どんなところにやりがいを感じますか?

守川 私は主に政治や外交・安全保障を担当していますが、それ以外の分野も取材できるのがやりがいの一つです。例えば、阪神タイガースの18年ぶりの優勝では、ファンの歓喜の瞬間を熱気を感じながら取材しました。

マイナ保険証の問題では、閉院に追い込まれることになった地方の病院に密着。高齢の医師や患者さんたちの思いを聞き、特集として放送しました。

また、自分が関心を持ったテーマについて、一から企画を立てて、実現することもできます。経験豊富な仲間が大勢いるので、アドバイスや刺激をもらいながら、働いています。

TBSスパークル守川雄一郎

これまでで特に印象深い仕事は何でしょうか?

守川 LGBTQであることを公表した、J-POPの人気アーティストにテレビで初めてインタビューしたことです。ゲイであることをカミングアウトした、音楽グループAAAの與真司郎さんに決断に込めた思いを取材したいと思い、ゼロから企画を立ち上げました。人間の内面に関する繊細なテーマであるため、しっかりとコンセプトを練り上げ、1か月以上、交渉を重ね、活動拠点のアメリカ・ロサンゼルスからの本人の中継インタビューとお母さんへの取材が実現しました。

セクシュアリティへの葛藤を忘れるため、ダンスに没頭したこと。アメリカで自分らしく生きていいと知ったこと。「ファンを傷つけるのでは」と公表まで何度も悩んだこと。どれも本人にしか語ることができない言葉でした。

LGBTQの当事者が置かれている厳しい現実とともに未来に繋がるメッセージを伝えることで、社会的に大切なテーマを多くの人に身近な課題として考えてもらえるきっかけにできたのではないかと思っています。

また、中国との緊張関係の高まりから、世界から注目を集めている台湾情勢の現地取材も行いました。台湾の前のトップである、馬英九前総統に単独インタビューし、2024年1月に行われる総統選挙や香港情勢に関する見解を報道しました。国際報道のプロである外信部との連携、協力によって成立したもので、台湾や香港のメディアも「TBSテレビの報道」を引用するかたちで報じました。海外の政治リーダーに対して、組織横断のチームでダイナミックな取材ができるのもTBSスパークルやTBS報道局ならではの仕事だと実感しました。

取材の様子

TBSスパークルには面倒見がよく多彩なクリエイターが勢揃い

ところで、守川さんがこの仕事を志望したのはなぜでしょうか?

守川 私たちが暮らす社会、そこで生きる人たちのことを「知りたい」「伝えたい」と思ったからです。少年時代は、「私たちの社会はどんな仕組みになっているのだろうか」「そこにはどんな生き方があるのだろうか」といったことを考えていました。当時は阪神・淡路大震災や少年による連続児童殺傷事件など、社会を揺るがす出来事が続いた時代です。『筑紫哲也 NEWS23』をはじめとする報道番組やドキュメンタリーが、私が感じていた疑問に答え、考えるヒントをくれました。そのとき、「こんな仕事がしたい」「こんな現場に立ってみたい」と思ったことが、今の仕事に繋がっています。

TBSスパークルの強みは何だと思いますか?

守川 TBSスパークルの一番の強みは、多彩なクリエイターが揃っていて、しかも面倒見が抜群なところだと思います。今、『news23』の番組制作でたくさんのスパークルのスタッフと一緒に働いていますが、全員に共通しているのが、「最高の番組を作りたい」という熱意にあふれていることです。映像編集や撮影技術、魅力的なロケ先探しなど、どんな相談や質問にも真摯でオリジナルな反応が返ってきます。だから、キャリアや職種にかかわらず、スパークルの仲間の意見を積極的に聞くようにしています。一緒に本気でものづくりに取り組める仲間がいるということは、自信を持ってお薦めできます。また、自分のやりたいこと、実現したいことに挑戦できる環境もたくさんあるのも魅力です。若手にも活躍、飛躍のチャンスがたくさんあるのも素晴らしい点だと思います。

就活生へのメッセージをお願いします。

守川 「仕事に、本気になれる」。そんな喜びを共有できる人と一緒に働けたら嬉しいです。“本気”といっても、決して暑苦しさではなく、心から熱中できる、困難な壁が現れても「何とかクリアしてやろう」とワクワクできる感性です。そんな瞬間がたくさんある仕事は、幸せなのではないかと思います。社会に出ると、思い通りにいかないことも少なくないですが、「想定外だから、やりがいがあるんだ」と思えるチャレンジ精神。全力でやって、ダメだった時は「さぁ、次だ」と切り替えられる柔軟性があると最高だなと思っています。感性豊かな新世代の皆さんと一緒に仕事ができるのを楽しみにしています。

TBSスパークル守川雄一郎

守川雄一郎
2006年 全国紙新聞社入社。奈良・橿原支局で考古学取材に取り組んだほか、大阪本社社会部で司法や維新の会などを担当。
2018年6月 TBSスパークルキャリア採用。『あさチャン!』ディレクター。
2018年8月  BS-TBS『報道1930』ディレクター 新番組立ち上げに参加。橋下徹元大阪市長らの初出演などを実現。
2019年 TBSテレビ報道局 政治部記者に。総理官邸のサブキャップ・官房長官番。外務省、防衛省のキャップなどを担当。
2023年  『news23』ディレクターとして政治、経済、事件、医療、災害などあらゆるテーマを取材。

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