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ベビースターコラボも話題!TBS上田淳也に聞く、親子に愛される『冒険少年』の裏側

TBSテレビで放送中のバラエティ番組『アイ・アム・冒険少年』が、株式会社おやつカンパニーの人気商品「ベビースター」とコラボ商品を開発しました。番組に出演するあばれる君とフワちゃんがプロデュースした「冒険少年×ベビースターラーメン(あばれる君の麻婆豆腐味/フワちゃんの八王子ラーメン味)」が全国で販売中です。
番組プロデューサーの上田淳也に、コラボ商品に込めた思いや番組制作の裏側について聞きました。
人気商品と続々コラボ、ポイントは双方がWin-Winの関係であること

ベビースターコラボのきっかけは?
上田 年始に山崎製パンさんのランチパックとのコラボ商品を発売して、次にどう展開するか考えていたときに思いついたのがベビースターでした。ベビースターはうちの息子を含め、子どもはみんな好きだから、親御さんも絶対手に取ってくれる。それに、コンビニでも100%売っていますよね。
そもそも、『冒険少年』の認知を上げるためにコラボ商品を作っているので、コンビニやスーパーに置かれている商品にこだわりました。番組を全く知らない人が少しでも触れる機会を作りたかったんです。
それでTBSグロウディアの原田さんに相談したら、営業時代におやつカンパニーさんとつながりがあったそうで、2人で作戦を練って、一緒に打合せに臨んだらら先方も非常にのってくださり、とんとん拍子で話が進みました。
ランチパックとのコラボで相当手ごたえを感じたんですね。
上田 めちゃくちゃ手ごたえありました。コラボ商品としての1ヶ月の売り上げがずば抜けていたと聞いています。今回のベビースターもそうですが、子どもたちにインパクトを与えるために、パッケージに番組ロゴと肖像は必須だと思っていました。それで、ランチパックのパッケージにもあばれる君とフワちゃんの肖像と番組ロゴを全面に出させていただきました。これは山崎製パンさんの過去のコラボ商品でもなかなかなかったそうです。あばれる君とフワちゃん、それぞれの事務所も前向きに協力してくれたからこそできたことだと思います。
コラボする上でコンテンツ側としてどんなことを意識していますか?
上田 やるからにはTBSだけが得するのは絶対にだめだと思っていて、必ず先方にも旨みが出るように意識しています。そもそも売れないと意味がないので、ランチパックのときは、番組内に宣伝を入れたり、あばれる君とフワちゃんが山崎製パンさんへロケに行った様子を放送したりと、お互いWin-Winで終わることができたので、すごく喜んでくれました。
熱意が伝わったんですね。今回のベビースターの開発はどんな風に進めていったんですか?
上田 あばれる君とフワちゃんの味のイメージを伝えて試作品を作っていただき、そこから2人ともと何度もやり取りしながら作っていきました。あばれる君は番組の山ごもり企画で料理作る機会があったので、麻婆豆腐味にするのは決まっていて、辛さの調整をしていきました。フワちゃんは味を決めるまで2ヶ月ぐらいかけていましたね。
今後はどんな企画を考えていますか?
上田 『冒険少年』はゲームと相性がいいと思いますし、ちょうどTBS GAMESが立ち上がったので、せっかくだから脱出島のゲームを作りたいと考えています。ほかにも『冒険少年』メンバーで武道館イベントなんかもできたら最高です。
『冒険少年』の特番は15回、レギュラー化への道のりは意外と長かった

上田さんが『冒険少年』の制作に関わるようになったきっかけは?
上田 『冒険少年』は2014年に深夜番組として始まりましたが、1年くらいで終わってしまったんです。それで、『学校へ行こう!』や『ガチンコ!』を担当していた合田隆信さんが当時制作部長で「おまえが演出で復活させてみろよ」と言ってくれて、何度か特番を放送しました。レギュラー化目前で失敗して、その後も何度か特番を続けていましたが、編成に異動になって…バラエティに戻ってから、たまたま出会った天才ディレクターの白井秀知さんと一緒にやるようになったらうまくいって、レギュラー化が決まりました。
MCの岡村隆史さんともよく笑い話になっていますが、ゴールデンで特番を15回試してるんですよ。おそらくレギュラー化までにかかった特番放送回数は歴代一位です。ここまで長かったですね。15回も挑戦できたのはラッキーですけど。
『冒険少年』は子どもにとって学びに繋がる内容が盛り込まれていますが、どんなことを意識して作っていったんですか?
上田 ゴールデンレギュラーが始まった当初は、当時小学2年生だった息子を寝かさない番組を目指していました。小学校低学年にとって、7時からの2時間SPがあると8時すぎくらいには「明日学校だからもう寝なさい」と言われる時間です。それでも子どもたちに見てもらうために、母親を味方にしようと心がけました。子どもにはチャンネルの決定権がありませんから。だから下ネタや暴力は絶対になくし、ストレートに子どもが笑えるもので、「この番組だったら教養がつくね」と思ってもらえる番組にしようとチーム全体に伝えました。最初の頃は妻や妻のママ友など、業界に関係ない人からのフラットな感想を聞きまくり、意見をどんどん取り入れていました。
番組出演者のキャスティングも周囲からの意見を参考にしたそうですね。
上田 あばれる君の起用は、うちの息子が別の番組であばれる君を見たときに、すごく笑っていたのが決め手になりました。あばれる君はカメラに向かって自分の思ったことをまっすぐ言えるんですよ。『めちゃ×2イケてるッ!』時代の岡村さんに似てる。そこが子どもに刺さるんだと思います。だから初めて特番に出てもらったときからずっと出てもらっています。
Snow Manの起用も「間違いない2人がいる」と紹介されたのが目黒蓮くんと向井康くんでした。2人ともすごく頑張り屋さんなので、本当に入ってもらってよかったです。何より岡村さんが目黒くんと向井くんのことが大好きで、冒険少年メンバーに良いグルーブ感が出来てウソみたいに良い雰囲気です。
まるで毎日が文化祭準備のよう!とにかく楽しいバラエティの現場

仕事でどんな瞬間が一番楽しいですか?
上田 一番はもちろん目標の視聴率をとったときです!ロケの時にやってて良かったエピソードを挙げるとするなら、あばれる君が買った山にみんなで遊びに行った回(2021年9月27日OA)が印象に残っています。岡村さんと目黒くん、向井くんが踊ったり、伊沢くんに曲を作ってもらったりと、あばれる君にいろいろなサプライズを仕掛けたら号泣してくれたんです。他のメンバーも泣いてて、感動的でした。
僕も『めちゃイケ』が大好きだったので、岡村さんと仕事しているのは不思議な感覚です。「今、岡村さんと喋ってるよ!」みたいな。
そもそも上田さんがテレビ業界を目指したのはなぜですか?
上田 高校生の時に見た、ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』に衝撃を受けてプロデューサーの磯山晶さんに憧れたのと、TBSの就職説明会で当時ドラマプロデューサーの石丸彰彦さんの熱い講演を聞いてこんな方と仕事がしたいと思ってTBSを志望しました。
でもいざ入社したら、『リンカーン』を担当することになって…最初は泣きましたが、ダウンタウンさんやさまぁ~ずさんをはじめとする超一流芸人の方々とご一緒できたのは本当にありがたい環境で、毎週のロケは文化祭を作ってる気分でした。ダウンタウンさんに戦いを挑む気持ちで全力でやってました。大体負けてましたが(笑)、気付いたらそのままずっとバラエティをやらせていただき、6年前に編成へ異動。この時に学生時代に衝撃を受けた磯山さん、石丸さんと一緒に仕事ができたことが僕にとって大きな財産になっています。
ちなみに、ドラマは諦めていませんが、ずっとボケだと思われています(笑)。
他局と比べてTBSの強みは何だと思いますか?
上田 TBSは各局の中でも若手にチャンスがある風通しが抜群の環境です。1年目でも企画がおもしろければ特番で勝負できます。例えば、5月に放送した『笑アセろ』も4年目の若手の企画です。その子は「テレビを諦めたくない」と言って、乳製品メーカーから転職してきたおもしろい奴なんです。
バラエティ制作部にはいろいろな人がいますね。部署ではどんな人材を求めていますか?
上田 嘘をつかずにまっすぐぶつかれる人、本気で一つのことに打ち込める人がいいと思います。あと、性格がいいのはめちゃくちゃ大事です(笑)。僕はテレビが好きで入社しましたが、テレビが好きじゃない人も全然ありだと思います。制作側にいろいろな視点があった方がおもしろいと思うので、好きじゃなくても作ることが好きならそれで良いと考えています。
僕もドラマ志望からバラエティに配属されたからこそ、お笑いに対して入りすぎてない。冷静な目で見られているのはすごく大事な気がします。
最後に就活生へアドバイスをお願いします。
上田 大学生の皆様はどこが自分に合う業界なのか、方向性が決まってない人がたくさんいると思います。人生が決まると思ったら、なかなか決まらないのは当然です。それでいいと思います。“縁”がある会社なら絶対入れると思うので。僕もフジテレビはエントリー落ちしました(笑)。ギリギリまでゆっくりと時間をかけて、自分が本当にやりたいことを見つけてください。
テレビ業界を目指すなら、自分の引き出しを増やしておいた方がいいと思います。僕はテレビ局に入るために何をすれば武器になるかずっと考え、大学ではもの作りの研究会に入り、イギリスの国際学会でプレゼンしました。その経験と、高校時代ラグビーをやっていたことから体力を武器に就活で戦っていました。何でもいいので何かしら武器があるといいと思います。一つだけ言えるのは、テレビ局に入ったら“絶対楽しい”です!一緒に仕事できるのを楽しみにしております。

上田淳也
1983年生まれ慶應義塾大学卒2006年入社。『リンカーン』に配属されADからディレクターに。ダウンタウンさんのおかげで怖いものがなくなる。現在は『アイ・アム・冒険少年』と『オオカミ少年』のプロデューサー、『ウチの県の大事ケン』のチーフプロデューサーを務める。過去に担当した番組は『体育会TV』『ドッキリアワード』『不夜城はなぜ回る』『笑アセろ』