• Project

メタバース空間での「SASUKE」体験ブースが大盛況!SXSW初出展の裏側

TBSは、2023年3月、アメリカ・テキサス州オースティンで開催された最先端テクノロジーの祭典、「サウス・バイ・サウスウエスト2023(以下:SXSW)」に出展しました。TBSブースでは、TBSテレビが開発した文字起こしエディタ「もじこ」と、メタバース空間での『SASUKE』体験ブースを世界初披露しました。

『SASUKE』体験ブースの様子について、プロジェクトメンバーのメディアテクノロジー局未来技術設計部・小作伸一に聞きました。

メタバースによってリアルなSASUKEワールドを実現

SASUKE×メタバース

SASUKE×メタバースの展示は具体的にどんなものでしたか?

小作 SASUKEの実物大のCGをVRで体験していただく展示を行いました。VRゴーグルを被ると、そり立つ壁・フィッシュボーン・ファイナルステージの3つを体験できます。

また、ソニー株式会社から、可搬型ボリュメトリックシステムと呼ばれる、動きのある人物などを 3D でまるごとキャプチャする技術 (※1)と、そのデータをメタバース空間に表示させる技術の提供を受け、3Dキャプチャされたアナウンサーを空間内に案内役として登場させました。

SASUKE×メタバース

映像がとてもリアルです。見どころはどこですか?

小作 セットCGは、実際のセットをベースにCGを作成したので、かなり没入感があるものを作成できたと感じました。特にそり立つ壁は、実際の写真を使ってCGデータを作成するフォトグラメトリという技術でCGを作成したので、質感もかなりリアルに出来上がりました。よく見ると選手が登った傷跡まで見ることができます。テレビで見るよりもより難易度をリアルに感じられるとの声も多く、テレビ番組はVRコンテンツとの親和性が高いなと感じました。

また、ボリュメトリックキャプチャされたアナウンサーも、かなり挑戦的な取り組みでした。360度どんな視点からでも見ることができるという体験はほとんどの人が初めてで、新鮮だというリアクションが多かったです。また、リアルタイムの映像伝送ができればより用途が広がりそうだというアイデアもいただくことができました。

ブースは大盛況、番組IPの強さを実感

反響はいかがでしたか?

小作 来場者の皆さんには、本当に楽しんでいただくことができました。セットのクオリティはもちろん、普通の人なら絶対体験することができない実物大のスケールを体験してもらえた点が今回の施策の魅力だったと思います。

また、SASUKEの認知度がこんなに高いと知ったのは新しい発見でした。番組を知っていて体験してくれた人も多く、中にはアメリカ版SASUKEのNinja Warriorに出場したという人が、噂を聞きつけてわざわざ展示会場まで来て体験してくれるなど、番組自体のIP力にかなり可能性を感じました。

今後の展望はどう考えていますか?

小作 今回のSXSWでは、今までいわゆるメタバースと言われていた、オンライン上にアバターをたくさん集めるSNSのようなものは、会場から姿を消していた印象でした。一方でVRやゲームのように高品質・没入感のあるものや、学習・業務効率化のための活用などの取り組みは依然として人気で、より使用用途や目的が明確化してきていると感じています。

今回、SASUKEワールドのCGは、グループ会社であるTBSアクトと一緒に、社内で全て内製しました。今までのメタバース案件は外注がほとんどでしたが、社内でここまでクオリティの高いコンテンツを形にする体制ができたことは大きな収穫でした。

形や呼称は変わるかもしれませんが、これからもこの分野は成長し続けていくと思います。TBSとしては強みであるIPを活かしておもしろいコンテンツを生み出すために、引き続き動向を追い続けていきたいです。

SASUKE×メタバースのブース

脚注:
※1:Portable Volumetric System: Reality into the Metaverse | CES 2023 | Sony Official

※記事の内容はTBSの社内講座「【WEBセミナー】最新テクノロジーとエンタメの祭典「SXSW」に初出展!視察報告会」で取り上げられた内容をまとめています。

■関連記事
TBSがSXSWに初出展!文字起こしエディタ「もじこ」が世界デビュー

本サイトは画面を縦向きにしてお楽しみください。