• Project

TBSがSXSWに初出展!文字起こしエディタ「もじこ」が世界デビュー

TBSは、2023年3月、アメリカ・テキサス州オースティンで開催された最先端テクノロジーの祭典、「サウス・バイ・サウスウエスト2023(以下:SXSW)」に出展しました。TBSブースでは、TBSテレビが開発した文字起こしエディタ「もじこ」と、メタバース空間での『SASUKE』体験ブースを世界初披露しました。

現地の様子やもじこブースの反響について、プロジェクトメンバーのメディアテクノロジー局未来技術設計部・小作伸一、ICT局システム開発部・大西陽一に聞きました。

2022年のオンライン出展を足掛けに初のリアル出展が実現

TBSは2017~2019年の間、視察としてSXSWに参加していましたが、コロナ禍でイベントは中止に。2022年にリアルでの開催が再開されましたが、日本からの出国は依然厳しい状況だったので、オンラインでの発表で初出展しました。2023年に入り、コロナ禍が比較的収まってきたことを受けて、初のリアル出展を行うことになりました。

オースティンの街の様子はいかがでしたか?

小作 オースティンは音楽とアートの街として有名な街です。遠くから見るとビルが建ち並んでいて一般的な都市のような見た目ですが、路地を1本変えるとライブハウスが建ち並んでいます。有名アーティストによる壁面アートもありました。

一方で、オースティンは第2のシリコンバレーになるのでは?と注目されているテクノロジーの街としても有名です。街中にはテック企業がたくさんありましたし、中心街から少し離れた場所ではたくさんのビルが建設中で、街全体に勢いがあるなと感じました。

イベントが始まると、ポルシェがトランスフォーマーとコラボしたブースや、ポケモンGOで有名なNianticのブースなど、街全体に様々なオブジェやブースが出展されていました。人気のブースは並ぼうと思ってもとても並べないくらいの長蛇の列になるなど、本当にたくさんの人が来ていることを実感しました。SXSW期間の後半に入ると音楽のイベントが増えてくるので、視察や展示が終わる夕方頃になるとライブ会場の音声が街中に音漏れするなど、本当に賑やかな雰囲気でした。

大西 街中の柱や建物の一部にポスターやビラ、ステッカーなどを自由に貼って各ブースの宣伝などができるようになっていました。街全体がSXSW一色になるのがSXSWの一番の特徴かなと思います。

TBS以外の日本企業はどんな様子でしたか?

大西 日本企業も様々なチャレンジングな内容の展示を行っていました。また、来年の出展のために視察に来られた企業も多数いらっしゃいました。我々もかなり質問されて、SXSWの注目度の高さを感じました。

もじこブースは大反響!現地メディアからの取材も受けることに

SXSW・もじこ

「もじこ」の展示内容はどんなものでしたか?

大西 今回はSXSWに向けて英語話者向けの英語版UIを新規開発しました。ブースでは、英語版UIでリアルタイムの文字起こしや映像素材の文字起こしなどを体験していただきました。文字起こし作業は世界共通の業務課題であることから、もじこの本質は変えることなく新規開発をし、世界挑戦をしました。

ブースの様子はいかがでしたか?

大西 多くの方にもじこを体験していただき、大盛況でした。例えば、ラッパーの方が現れてラップを文字起こししたり、現地で日本語を学ぶ学生さんが自分の日本語で文字起こしできるか試してみたりと皆さん楽しんでおられました。

最終日にはなんと現地メディアの方に「もじこ」に関してインタビューをしていただきました。それほどの反響があったことに、私自身大変驚きました。

SXSW・インタビューを受けている様子
現地メディアの方からインタビューを受けている様子

ちなみに、東京というワードに反応したのか、TBSブースのロゴの前で写真を撮る方がたくさんいらっしゃいました。意図せずフォトスポット化していましたね。

SXSW・フォトスポット化している様子
TBSブースのロゴの前で写真撮影する人が多数


来場者の声は?

大西 リアルタイムの文字起こしシステムは珍しいようで、初めて見たという方もたくさんいらっしゃいました。特に、UIの操作のしやすさが高い評価を得ました。

また、「テレビ局が自分たちでこんなシステムを作っているのか!」と、驚く声や、「翻訳機能が入ってるともっと使いやすくなりそう!」といったアドバイスもありました。さらに、具体的な商談や、共同研究のお誘いなど非常に嬉しいお声もいただきました。

今後の展望は?

大西 翻訳ニーズが非常に多かったので、どういった形で翻訳機能を入れるかが新たなニーズに繋がってくるだろうと考えています。

課題としては、欧米では既存のシステムが流通しているため、そこに参入するにはどう差別化するか、もじこの強みは何か、といった部分をはっきりさせる必要があると感じました。今回のSXSWを通じてリアル出展ならではのリアルな声を聞くことができたからこそ、今後の開発に繋がるニーズやアイディアを吸収できたと思います。

初めてのブース出展は本当に自信もつきました。一方で、今後の課題を考えるきっかけにもなりました。今回の出展は、個人としてもTBSとしても非常に有意義な機会になったと思います。

メディアテクノロジー局未来技術設計部・小作伸一、ICT局システム開発部・大西陽一
左からICT局システム開発部・大西陽一、メディアテクノロジー局未来技術設計部・小作伸一

※記事の内容はTBSの社内講座「【WEBセミナー】最新テクノロジーとエンタメの祭典「SXSW」に初出展!視察報告会」で取り上げられた内容をまとめています。

■関連記事
メタバース空間での「SASUKE」体験ブースが大盛況!SXSW初出展の裏側

本サイトは画面を縦向きにしてお楽しみください。