TBS GLOWDIAのショッピング事業部は、TBSをはじめとした系列局やラジオに向けた通販番組の制作や商品開発などを手掛けています。2022年12月には、初の試みとして台湾の大手通販チャンネル「MOMO」にて自社商品「マ・シロトリプルプラス」を放送し、売上が日本円で約8000万円を超えました。

この台湾事業を手掛けたのは、TBS GLOWDIAのショッピング事業本部の長屋美有氏。挑戦の裏にどんな思いがあり、今後どう展開していくのか。お話を伺いました。

自社開発商品が台湾で大ヒット！販売数はすでに1万8,000本超え

長屋さんが開発を手掛けた商品が台湾の通販番組「MOMO」で放送されました。その経緯を教えてください。

長屋　取引先の化粧品メーカーさんに台湾の方が入社されたのがきっかけで、台湾に向けた商品開発の企画を立ち上げました。売り方も併せて提案し、2022年12月に初回放送を行い、その実績をもとに2023年3月には違う商品でも放送されました。

初回放送後はどれぐらい売れましたか？

長屋　初回は自社開発の洗顔トリートメントを2万本、卸で買い取っていただきました。現時点ですでに約1万8,000本を消化できていると聞いたので、また追加があると思います。売上は日本円に換算して8000万ぐらいになりますね。
この商品は元々日本でヒットしていて、QVCの人気番組「TSV」では1日に3億円売ったこともあるんです。

どんな点で苦労しましたか？

長屋　台湾には「MOMO」と「東森」という2つのショッピングチャンネルがあって、最初は「東森」と話を進めていましたが、価格面や企画内容で折り合いがつかず、話が立ち消えてしまったんです。「MOMO」に決まるまでは他のテレビ通販に営業をかけたりと、結構大変でしたね。

それと、国内向けの商品開発しか関わったことがなかったので、輸出などの海外取引について自分で調べたり周りの方に聞いたりしながら進めていったのも苦労しました。

３月には台湾で番組出演されてきたそうですね。実際に現地へ行ってみていかがでしたか？

長屋　台湾の方は日本に対してすごく好意的なので、積極的に番組にも参加してほしいと思ってくださっているようです。生放送だったので、リアルタイムで売上状況がわかるのはおもしろいです。おかげさまで無事に番組予算も達成し、同ブランドの別商品についても今後編成の話が出ています。
 

台湾事業の成功はTBSのブランド力も後押しに

海外に向けた事業には元々興味があったのですか？

長屋　ありましたね。日本のチャンネルで売り上げを伸ばすには限界があるので、海外にも販路を広げたいと思っていました。

ただ、正直入社当初は海外に向けたビジネスをここまでできるとは思いませんでした。でも、今の部署に異動して自社商品の開発を始めた時に、中国の工場に行って、現地のショッピングビジネスを見ているうちに、他の国とも関わりたいと思うようになりました。

今回の台湾事業が成功した理由は何だと思いますか？

長屋　台湾の方は日本の製品が好きな方が多いので、元々日本の商品に興味を持たれていたことは前提としてありますが、今回うちの商品を選んでもらえたのは、TBSというブランド力によるものだと思います。

「MOMO」さんは日本のいろいろなメーカーさんから商品提案をされていると思いますが、その中で「日本の地上波のテレビ通販で売れているすごいもの」というのがアピールポイントになったと感じました。TBSが積み上げてきた信頼のおかげで新しいことができていると思います。

最後に、今後の展望を教えてください。

長屋　「MOMO」さんは日本のQVCやショップチャンネルのように世界中にチャンネルを持っているので、今後は台湾以外の国にも広げていきたいと思っています。実際にシンガポールやタイ、インドネシアなど各国に卸させていただけるように交渉中です。

それと、今は実務作業を1人でやっているので、将来的には商品展開をもっと増やして一つの事業として確立したいと思っています。
 

長屋美有

TBS GLOWDIA
ショッピング事業本部　商品開発部　MD
2016年に(株)グランマルシェに新卒入社。制作で現場を経験した後、新規事業の立ち上げを担当。現在はTBSグロウディアにて、TBSショッピングの美容マーチャンダイザーとして商品開発と、海外への卸事業を担当。

■関連記事
「日常の楽しみになるものを作りたい」TBS GLOWDIA・長屋美有が挑むテレビショッピングの世界