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月間3.76億PVを超える「TBS NEWS DIG Powered by JNN」で、記事タイアップ広告が快進撃。テレビ局の“制作力×信頼”を生かす広告戦略とは?

TBSテレビをキー局とするJNN28局のニュースメディア「TBS NEWS DIG Powered by JNN」(※以下、「NEWS DIG」)。テレビだけでは語り尽くせないニュース・情報を、「DIG=深掘り」して届けています。

2026年3月には月間3億PV(ページビュー)を超え、6月には3.76億PVと過去最高記録を更新しました。
(※PV数はGoogle Analytics 調べ/newsdig ドメイン合計・外部PV含まず。)

2022年4月の誕生から「NEWS DIG」が右肩上がりで成長する背景にはどんな戦略があったのでしょうか。TBS・JNN NEWS DIG合同会社 ビジネスプロデューサーの石橋正人に話を聞きました。

誕生から5年目で過去最高の月間3.76億PVを達成

まずは、石橋さんの担当業務を教えてください。

石橋 NEWS DIGの立ち上げ時から、ビジネス全般を担当しています。NEWS DIGの運営母体はTBSテレビを含むJNN28局が共同出資して設立した「TBS・JNN NEWS DIG合同会社」です。私は現在、TBSテレビから同社へ現職出向という形で業務に携わっています。

業務内容は主に三つ。一つはNEWS DIGの記事を、パートナーシップを組むYahoo!さんやスマートニュースさんなどに販売して掲載すること。二つ目は広告の企画開発やセールス。もう一つは新規事業で、イベントの企画などを行っています。

ちなみに、ビジネス領域は現在、私が中心となって担当しており、外部スタッフと連携して限られた人員で事業を最大化しています。

トレンドの移り変わりが激しいデジタル領域においては、あえて外部の知見を積極的に取り入れる体制を整えています。これによって常に最新の動向を反映させながら事業に取り組むことができると考えています。

NEWS DIGは2026年6月に過去最高の月間3.76億PVを記録しましたが、ここまで成長した理由をどうお考えですか?

石橋 実はNEWS DIG誕生前、TBSテレビのみが運営する「TBS NEWS」のときは月間約1,500万PV程度でした。数字を伸ばした理由は四つあります。

一つはJNN28局が日々さまざまなニュースを出していること。報道番組のストレートニュース、ニュース速報だけでなく、情報番組で取り扱う生活情報や芸能、スポーツなど幅広いジャンルのニュースを取り上げています。これは、テレビ局ならではの強みです。

二つ目は、働く人のモチベーションの高さです。実際に記事を制作する全国の記者、そして関係者が、このプラットフォームを通して「全国へ発信したい」という共通の思いを持っています。

三つ目は、ニュースを発信するにあたって、日々研究していること。記事がどれくらい読まれたのか、成功・失敗事例をJNN28局で情報共有し、改善しながら次につなげる。このPDCA(※計画・実行・評価・改善の4プロセスを繰り返すこと)のサイクルを回すことを常に意識しています。

最後に、インターネットテクノロジーへの対策です。最近では生成AIが登場するなど、技術は日進月歩で進化しているので、どう対応すれば記事が取り上げられやすくなるのか日々研究しています。

こうした地道な努力が結果につながったと考えています。インターネットの世界では、良くも悪くも成果が数字として可視化されます。それが制作側の経験値になりますし、結果を応用して次の結果を出すというサイクルが回ると非常に面白いです。

業務において、どんな苦労がありますか?

石橋 NEWS DIGは事業として持続的な成長や収益の確保を命題としていますが、一般的なエンターテインメントサイトとは異なり、ニュースを扱うメディアとして「生活者に寄り添う姿勢」が不可欠です。そのため、例えば一刻を争う災害情報の確認を妨げないよう、ニュース閲覧時に全画面広告を出さないなど、ユーザー体験を阻害しないための配慮を徹底しています。

編集部と事業側で理想とする運営にどうしてもギャップは出てきてしまいますが、ニュースサイトとしての本来の役割を理解した上で、いかにビジネスとして成長させていくのか、その最適なバランスを見出すことが一番の課題と捉えています。

NEWS DIGの誕生によって、社内に意識の変化はありましたか?

石橋 NEWS DIGの立ち上げ以前は「報道で収益を得る」という考え方がありませんでしたが、インターネット事業を始めたことで、報道局の皆さんの意識が大きく変化したと感じます。

テレビ局は放送エリアの中でニュースを発信することが基本で、各局の放送地域における認知やリーチを最大化することを目標にしていましたが、デジタル展開を始めたことで「エリアの壁」がなくなりました。自分たちが発信したニュースが全国に届き、より多くの方に見てもらえるようになったことは、全国の報道記者の皆さんの大きなモチベーションにつながっています。

事業側の視点でも、こうした現場の「熱量」が収益として還元される好循環が生まれています。現在はさらに事業が拡大しているので、ビジネス面でさまざまな取り組みを実施しています。

TBS NEWS DIG Powered by JNN

テレビ局の制作力と信頼で、タイアップ広告に挑戦

近年はタイアップ広告事業に力を入れているそうですね。どんな経緯で始まったのでしょうか。

石橋 NEWS DIGの立ち上げから1~2年目は、PVや収益などが右肩上がりに成長していましたが、3年目になると前年の結果を超えられない月も出てきました。

ニュースサイトですので、その時の社会情勢などによってPVなどの変動に上下があるのは当然なことですが、一方で、メディアとしての価値を高めておけるかが、事業の視点では重要な課題でした。

NEWS DIGは3年目の時点ですでにニュースサイトとしてトップクラスのアクセス数を得ていましたが、記事数や外的要因に左右されない安定した事業の柱として、テレビ局が持つ「コンテンツ制作力」と「信頼」を武器にしたタイアップ広告の開発とセールスをしてみたいと考えました。

タイアップ広告の具体的な仕組みについて、教えてください。

石橋 商品やサービスの紹介のほか、企業ブランディング、企業のトップインタビュー、採用ブランディング、イベント集客、自治体・団体紹介など、幅広い用途に対応しています。

メニューは、「記事タイアップ広告、記事タイアップ広告+動画、オウンドコンテンツ転載」の3種類です。

タイアップする企業や自治体は、どのように探していますか?

石橋 JNN28局に所属する営業担当者が、各地域のスポンサーさんや自治体さんに提案してくれています。これまでタイアップ広告記事は約80件の公開をしてきましたが、その3分の2以上はTBS以外の系列27局の営業努力によって実現したものです(※2026年7月時点)。

タイアップ記事の数は初年度は20件強でしたが、2024年度は50件強で、前年比2倍以上の受注がありました。2026年度も早いペースで受注が決まっています。

タイアップ広告として出す記事は、どのように作っているのでしょうか。

石橋 記事は、弊社のガイドラインに準じてJNN各局に制作を依頼しています。その後、NEWS DIGタイアップ広告チームが編集・校閲などを行い、公開しています。

必ず記事に「PR」と明記して、ステルスマーケティング(※「広告であること」を消費者に隠し、あたかも一般の客観的な感想や口コミであるかのように商品やサービスを宣伝する行為)の対策をしています。

加えて、TBSテレビ局内の考査を通しているので、これまでトラブルは一度もありません。

内容面で心掛けていることは?

石橋 企業のストーリーを「読み物」として見せることです。プレスリリースのように企業が伝えたい情報だけを載せるのではなく、消費者が自分事として考えられるような記事が求められます。NEWS DIGの「DIG」は掘るという意味ですが、クライアントさんを深掘りし、読み応えのある記事を作るように心掛けています。

クライアントにとって、NEWS DIGにタイアップ広告を出す強みは何でしょう?

石橋 テレビ局の取材力・制作力を生かした記事をローカルから全国へ展開できるところが最大の強みです。テレビ局が作るコンテンツはクオリティーが高いと、安心感を持っていただいています。それに加え、JNN各局が地域の方たちと築いてきた信頼関係があります。

これまではテレビを使ったタイアップといえば、テレビCMを打つことでした。しかしCMを見て認知獲得はできるものの、視聴者自身がインターネットなどで調べる手間がかかり、購買まで至らないケースも多いです。しかし、タイアップ記事であれば、記事内に埋め込んだURLからすぐに商品や企業のHP(ホームページ)へアクセスすることができます。さらに商品について詳しく紹介できるため、認知と理解促進をより深めることができます。

ここで、ゆず加工品の販売事業に特化した、高知県の馬路村農業協同組合の事例を紹介します。馬路村は人口約750人の村ながらも、ゆずの加工品で年商30億円規模を売り上げています。2026年は大ヒット商品「ぽん酢しょうゆ ゆずの村」が発売40周年を迎えました。

また2025年には、馬路村農協の代表理事組合長に30代の男性が就任しました。この出来事はニュースにもなりましたが、地上波では1分ほどの映像でしか扱えませんでした。そのため、タイアップ広告を提案し、テレビ高知が組合長へインタビューを行い、就任した経緯や業務に対する思いを聞き出しました。その記事が、このように公開されています。

馬路村農協の代表理事組合長のタイアップ記事

記事は1年以上アーカイブして残ります。自社サイトやSNSから、この記事へのリンクを貼っていただければ「資産型ブランド紹介コンテンツ」として活用していただくことができます。これも強みの一つです。

広告出稿後、公式サイトへのアクセス数が数十倍へ増加

タイアップ広告で反響が高かった記事を教えてください。

石橋 CBCテレビが主導して制作した、愛知県瀬戸市の「セトクラフト」さんの事例です。陶器製品を中心に雑貨の企画・製作を手掛ける企業で、2025年2月の記事でお墓に供える陶器製の花「花レンヌ(カレンヌ)」を紹介しました。

「セトクラフト」さんの事例

NEWS DIGのタイアップ広告をきっかけに、HPのアクセス数が数十倍に増え、購買に至るケースも多々あったそうです。

記事内に商品などHPへのリンクを設定することができますが、実は、媒体によってはリンクを入れる数が限られているところも多いようです。NEWS DIGでは希望に応じて入れられる点が特徴です。

「セトクラフト」さんの事例

商品説明だけでなく企業側のインタビューを入れて開発の背景や思いを紹介したことや、記事の最後に社員の皆さんの集合写真を掲載したことで、ブランディングにも貢献できたと聞いています。

「セトクラフト」さんの事例

その結果、同じ2025年7月、お盆の時期を前に、二度目のタイアップ記事を制作することに。その際は記事タイアップ広告に加えて、動画を記事内に埋め込めるプランをご利用いただきました。

「セトクラフト」さんの事例

なお、PV数やクリック率のほか、ユーザーの属性や行動はレポートにまとめて広告主にお渡ししています。そのため、デジタル戦略になじみのないクライアントさんにも安心して取り組んでいただけるのではないでしょうか。

タイアップ広告にも高いアクセス数が見込めるようですね。その理由は何でしょうか。

石橋 実はシステム制御により、NEWS DIGのトップページに4週間で1万回、必ず記事へのリンクが表示されるように設定しているため、アクセス数を担保しています。

また、NEWS DIGは、ニュース記事をはじめに掲載して、タイアップ広告はトップページから何度かスクロールしないと見られない位置に掲載しています。興味を持ってくれたユーザーに読んでもらえるので、読了率も高いです。そのため、記事の内容に満足してリンク先の商品サイトに飛んでくれたり、実際に商品を買ってくれる方がいたりするのです。

単純に記事を作るのではなく、Webマーケティングの知見をふんだんに取り入れています。

タイアップ広告事業に関して、今後の展望を教えてください。

石橋 開始当初から手ごたえを感じていましたが、今後さらに力を入れたいと考えています。その一環として、JNN各局に向けてデジタル展開についての勉強会を行っており、直近でも九州から関西まで2泊3日で巡るなど、積極的に各局の現場へ足を運んでいます。

勉強会では経営陣、営業担当者、アナウンサーといった、さまざまな部署の人に話を聞いてもらっています。オンライン開催の方が効率的かもしれませんが、これまでのキャリアにおいても現場主義だったので、直接足を運ぶことでかけがえのない経験になると考えています。NEWS DIGのさらなる飛躍に向けて、今後も力を尽くしていきたいです。

TBSテレビ石橋正人

新規事業への挑戦を後押ししてくれる環境は、TBSグループの魅力

ところで、石橋さんはどんな経緯でTBSに入社したのでしょうか。

石橋 私のキャリアの歩みは少し特殊で、大学の通信教育課程に在籍しながら働き始めました。最初に入ったのは、映像制作会社です。幼少期からテレビが好きで、憧れのテレビ業界でADとしてキャリアをスタートしました。しかし、いざ現場を経験してみると、思い描いていた理想と現実との間にギャップを感じ、イベント制作会社へと転職しました。

そこで出会ったのが、インターネット広告です。いわゆるインターネット・バブルの時代で、インターネットが非常に注目されており、その勢いに引き付けられるように広告会社に転職しました。在籍中にYouTubeが台頭したことで動画ビジネスとの接点が生まれ、Google Japanへ転職、YouTube広告のセールスに従事しました。

40歳を目前に、次のキャリアを考えていたところで出会ったのがTBSテレビです。ちょうどキャリア採用で動画配信部門の人員を募集しており、ご縁があって入社に至りました。

TBS入社後はどんな業務に取り組んでいましたか?

石橋 入社して最初の3年間はTVerの広告営業を担当しました。当時はテレビ局がインターネット領域に参入して間もない時期で、苦労もありました。しかし、今では配信を前提とした番組も増えてきており、この挑戦は間違っていなかったと感じています。テレビ局が作るコンテンツを地上波だけでなく、インターネットに出していくのは必然の流れだったように思います。

これまでのキャリアで特に転機になった出来事は何ですか?

石橋 広告会社で働いていた頃、YouTubeに出会ったことです。それまでは動画コンテンツはテレビ局やクリエイターといったプロが作るものでしたが、YouTubeというプラットフォームができたことで誰でもクリエイターになることができ、広告を出したり収益を得たりすることができるようにもなりました。誰もが参加できる場所でビジネスができる、そのエコシステムに衝撃を受けました。

これまでのキャリアを通じて培ってきた「Webマーケティング、プラットフォーム、動画」という3つの領域の経験を、現在はNEWS DIGに還元できているのではないかと思っています。長年、インターネットを軸とした業務に関わり、一貫性を保ち続けてきたことが今につながっているのだと実感しています。

TBSグループの魅力を教えてください。

石橋 TBSグループには放送事業のほかイベント企画や不動産開発、グローバル事業などいろいろな領域の仕事があることです。この中で新たな事業を行う可能性やチャンスがたくさんあり、それを実現できる環境があるのは素晴らしいことだと思います。

TVerやNEWS DIGの立ち上げ当初は苦労もありましたが、大きな目標を掲げてそれを実現することができました。タイアップ広告に関しても、テレビ局が記事広告を販売するなんてこれまでは考えられなかったことですが、新しいことにチャレンジできる環境が後押ししてくれたのだと思います。

石橋さんの現在の業務の魅力は?

石橋 事業として常に持続的な成長を求められる立場ではありますが、JNN28局でデジタル領域の展開にチャレンジして、共に成長していくことは大きなやりがいを感じています。この事業を5年続けていますが、タイアップ広告の本格運用や、今後はイベント事業への進出も予定しています。このように、絶えず新しい領域の業務に挑戦し続けられる環境は非常に刺激的です。ゼロから新しい事業を立ち上げ、事業として成長させることにやりがいを感じています。

最後に、就活生に向けてメッセージをお願いします。

石橋 私は働きながら大学に通っていたため、いわゆる一般的な学生生活とは異なる時間を過ごしてきました。しかし、社会人になってから大学院で学び直したり、大学のゲスト講師として教壇に立ったりする中で、学生さんと対話する機会に恵まれました。そうした経験を踏まえ、私が多くの学生さんにおすすめしているのは「海外経験」です。

私自身、社会人になって仕事で海外へ行く機会を得ましたが、特にニューヨークでの経験で人生が大きく変わりました。多様な人種が共生し、築100年を超える歴史的建造物が維持されている光景を目の当たりにして、自分の視野が広がるのを感じたのです。実際、私の講義を受けた学生の中にも、休学して留学に踏み切った人もいますが、新しい知見を得て帰ってきたなと実感しています。

もう一つ伝えたいのは「やりたいと思った瞬間に実行に移す」ことの大切さです。私自身、長年「大学院に行きたい」という願いを持ちながらも、仕事の忙しさを言い訳にずっと先延ばしにしていました。しかし、意を決して挑戦し、2026年3月に無事卒業できました。学生時代は自由に使える時間が多く、貴重な時期です。ぜひ、今しかできないことに挑戦してください。

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TBSテレビ石橋正人

石橋正人
映像制作会社、イベント制作会社、広告会社、Google Japanを経て、2018年、TBSテレビにキャリア入社。
現在、TBSテレビ 創域報道本部 DIGメディア局 ブランドスタジオ部 リードマネージャー兼、TBS・JNN NEWS DIG 合同会社 ビジネスプロデューサーなどを務める。

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