- CHALLENGE REPORT
オリジナルIP獲得の鍵は「ウェブトゥーン」にアリ!TBSが韓国に「Studio TooN」を設立
「ウェブトゥーン」とは
韓国で誕生した、スマートフォン等で読む“縦型スクロールマンガ”のことです。日本でも「LINEマンガ」などで配信されています。スマートフォンに最適化されているので読みやすく、さまざまなジャンルの作品を全編カラーで読めることから、現在、韓国国内に留まらず、多くの国と地域で楽しまれています。
TBSの戦略
韓国でドラマ化されたウェブトゥーンの作品は150作品以上。コロナ禍で話題になった『梨泰院クラス』や『キム秘書は一体なぜ』、『女神降臨』など、誰もが一度は耳にしたことのある人気・話題作も、実はウェブトゥーンが原作となっています。今や「ウェブトゥーン原作」の作品が、韓国ドラマの世界人気を支えていると言っても過言ではありません。
TBSは、“ウェブトゥーン原作ドラマ”の人気度に注目し、2022年5月、ネイバーウェブトゥーン(韓国最大のウェブトゥーンプラットフォーム)、シャインパートナーズ(日本初のウェブトゥーン制作会社)と3社合弁でウェブトゥーン制作会社「Studio TooN(スタジオ・トゥーン)」を設立しました。
「Studio TooN」とは
オフィスがあるのは、本場「韓国・ソウル」。TBSグループからは、TBSテレビの長生啓、TBSスパークルの岡部羽衣子が出向し、韓国とTBSを繋ぐ橋渡し役として日々業務に当たっています。ちなみに、TBSで支局員以外の海外赴任は初めてです。
社長には、日本でウェブトゥーンを広めたパイオニア、シャインパートナーズ社の岩本炯沢氏が就任。豊富な知識と経験を活かし、約20名の韓国人スタッフの間に立って会社を引っ張っています。
Studio TooNの最大の目的は「TBSでのオリジナルIPの確保」。これまで、TBSがどんなにおもしろいドラマを作っても、その原作が出版社にある場合、海外リメイクやグッズ販売などの2次版権は出版社にあり、TBSにお金が入ってくることはありませんでした。そこで、せっかくなら原作制作から映像化、そして+αまで全て一本化してしまおう!という大きなミッションを持っています。
“韓国人作家による良質なウェブトゥーン”を作り、“TBSでドラマ化”する“オリジナルIPの川上から川下までの一本化”を最大の目標に、弊社所属の優秀な作家(漫画家)さんたちが日々作品作りに励んでいます。
日本のマンガ制作と大きく違う、ウェブトゥーンの制作現場
StudioTooNでは、ウェブトゥーンの制作を分業制で行っています。日本のマンガ制作は、漫画家の先生が中心となって作業し、数名のアシスタントさんが細かな作業を行うイメージがあるかもしれませんが、ウェブトゥーンは「コンテ(ネーム)」「線画」「彩色」「背景」「編集(吹き出しの調整等を行う)」etc…と作業が分かれており、プロの作家さんたちがそれぞれの役割を担って1つの作品を完成させます。全ての作業をデジタルで行うので、スピード感も抜群です。
良質なコンテンツを世界へ!挑戦は始まったばかり
Studio TooNは設立してまだ1年余りの若い会社ですが、おもしろいウェブトゥーンと、そこから広がる映像+αを皆様の元に届けるべく、社員一同日々精進しております。今後の活躍にもご注目ください!