- CHALLENGE REPORT
TBSグローバルビジネスの挑戦と未来~TIFFCOM 2025 TBSセミナー

TBSホールディングスは、2025年10月30日(木)に東京都立産業貿易センター浜松町館で開かれているTIFFCOMにて、「Inspiring Global Love for Japan~TBSグローバルビジネスの挑戦と未来~」と題したセミナーを開催し、昨年からのグローバルビジネスの成果、そして今後の更なるグローバルビジネス戦略について発表しました。
TBSグループの今後の成長・グローバル市場参入について
TBSテレビの龍宝社長は、VISION2030に基づき掲げた「グローバルビジネス元年」初年度の成果と今後の戦略を発表しました。TBSグループは「デジタル分野」「海外市場」「エクスペリエンス(ライブ&ライフスタイルなど体験するリアル事業)」を重点領域とし、特にグローバル領域での変革を強く推進しており、昨年立ち上げた北米・韓国拠点とも連携しながら、海外パートナーとの提携や新規IP開発を加速させています。
大きなトピックとして、TBSが誇る世界的ヒット番組『SASUKE / Ninja Warrior』が世界最大級の制作会社グループ・Banijay Entertainmentとの協業により全世界展開を拡大していくことを発表したほか、業務提携を結ぶU-NEXTが「HBO Max」と連携したことで、TBSコンテンツが各国の「HBO Max」上で見られるようになり、グローバル流通網が大きく拡がりました。そのほか、STUDIO DRAGONとの共同制作ドラマ『初恋DOGs』や、新規フォーマット開発『MUGEN LOOP(英題:Infinite Loop)』など国際的評価を獲得した作品を紹介するとともに、過去の地上波でも好評を博した『KASSO』が今月中国・アランヤでイベントを開催し、SNS上で1,600万回以上の再生を記録するなど、大きな反響を呼んでいることを紹介しました。
龍宝社長は、TBSがグローバルブランドパーパスとして掲げる「Inspiring Global Love for Japan through Timeless Moments」に基づき、「時を超えて心を動かす“ときめくとき”を日本から世界に届け、日本がより愛される存在となることを目指す」と決意を語りました。

THE SEVEN について
TBS HD執行役員グローバルビジネス統括/THE SEVEN代表取締役社長・瀬戸口克陽は、2022年設立の海外戦略スタジオTHE SEVENの活動を紹介。2024年度は国際共同制作を強化し、Netflixシリーズ『今、私たちの学校は…』のイ・ジェギュ監督や米プロデューサーのデヴィッド・パーマット氏との協業を実現したほか、『幽☆遊☆白書』がアジアン・アカデミー・クリエイティブ・アワード2024にて視覚効果賞グランプリを受賞したことを報告しました。2025年度は自社企画およびオリジナルコンテンツの制作を一挙に展開し、話題作を次々と発表しました。
9月25日(木)からNetflixにて独占配信を開始した『今際の国のアリス』シーズン3は、配信直後からNetflix週間グローバルTOP10(非英語シリーズ)で堂々の1位を獲得(9月29日~10月5日集計)。シーズン1・2と同時に全シーズンがTOP10入りするという歴史的快挙を達成しました。さらに、日本をはじめエジプト、モロッコ、香港、ヨルダン、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムなど、世界中の様々なエリアで2週連続1位を記録し、グローバルでの人気を証明しています。また、THE SEVENが初めて企画・製作・配給を一貫して手がけた映画『愚か者の身分』は、10月24日(金)から全国の劇場で公開中。第30回釜山国際映画祭コンペティション部門では、主演の北村匠海、共演の綾野剛、林裕太の3名が揃って“Best Actor Award”を受賞。さらに台北金馬国際映画祭「RISING JAPAN」部門にも正式招待されるなど、国内外で高い評価を獲得しています。
さらに、THE SEVEN初の企画・制作作品として、伝説的カルトコミック『国民クイズ』の完全映像化プロジェクトをNetflixシリーズとして発表。主演に山田孝之、監督に吉田照幸を迎え、ファン待望の映像化として大きな注目を集めています。加えて、TBS・U-NEXT・THE SEVENによるグローバルプロジェクト『ちるらん 新撰組鎮魂歌』では、山田裕貴を主演に人気コミックを初実写化。2026年春にTBSでのスペシャルドラマ放送、U-NEXTでのドラマシリーズ展開を予定しています。
THE SEVENの今後の展望として、オリジナルIPの開発・制作、海外との共同制作、そして新しいビジネスモデルの構築が挙げられ、ここから更にグローバルマーケットへ踏み出していくことを宣言しました。


Vietnam Television × TBS
今年9月7日(日)にTBSとVietnam Television(以下、「VTV」)は新たに戦略的アライアンスを発表しました。そのアライアンスの核となり、本セミナーでも話題になったのがTBSの世界的ヒット番組のベトナム版『SASUKE Vietnam』の7年ぶりの復活です。
VTVのハイバイスプレジデントは、『SASUKE』の普遍的なテーマが現代のベトナムの若者にインスピレーションを与えると述べ、復活においては単なる番組放送に留まらず、収録のイベント化、既に海外で展開されている『SASUKE / Ninja Warrior』のパーク設立、関連グッズの充実といったIPの多角的な活用を目指し、『SASUKE』を通じて視聴者に多様な体験を提供することを強調しました。これは、現在のベトナムでのメディア環境の変化に対応し、放送収入だけに依存しない持続可能なビジネスモデルを構築するために必要である認識に基づいています。また、今回の提携では、過去の成功事例(『The Partner ~愛しき百年の友へ~』『タイヨウのうた』など)を踏まえ、共同制作とTBSドラマのリメイクを強化します。
TBSの高い制作スキルとVTVのアジアにおける強力な流通網を組み合わせることで、アジアから世界へ向けて質の高いコンテンツをより多くの人々に届けられるとしています。人材交流においては、制作、技術、営業、経営など多岐にわたる分野で積極的な研修や交流を実施し、グローバルな視点を持つ人材を育成することで、両社の持続的な成長基盤を強固なものにしていきたいと話しています。TBSは、本パートナーシップが、当社のビジョン「Inspiring Global Love for Japan Through Timeless Moments」を実現する上で不可欠なアジア戦略の一環であると位置づけており、今後もVTVと共に、ベトナム、そしてアジア全体の視聴者に感動と熱狂を届けていくとしました。
TBS海外事業について
TBSは1960年代からドラマやバラエティ番組、アニメ、映画など多彩なコンテンツを世界へ積極的に発信してきた。近年は「Inspiring Global Love for Japan through Timeless Moments」というブランドパーパスを掲げ、時を超えて心を動かす“ときめくとき”を世界にお届けすることを目指している。近年では『VIVANT』『TOKYO MER~走る緊急救命室~』『半沢直樹』といったドラマや、『SASUKE / Ninja Warrior』『風雲!たけし城』などのバラエティ番組のフォーマットが世界中で人気を集めている。これまでに数百タイトル・数万話分の作品を160以上の国と地域に送り出し、最近は動画配信やIPの商品化、出版、テーマパーク、企業とのタイアップなど、多角的なビジネス展開にも力を入れている。
