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サンドウィッチマン・伊達みきお“理想のコロッケ”がローソンコラボで発売!BS-TBS『サンド伊達のコロッケあがってます』プロデューサーが明かす商品開発&街歩きロケ秘話

BS-TBSでは、サンドウィッチマン・伊達みきおによる冠番組『サンド伊達のコロッケあがってます』が放送中(毎週金曜、よる10:00~10:54)。2025年4月1日(火)より、番組とローソンとで共同開発した「サンド伊達のコロッケあがってます コラボ ポテトコロッケ」が全国で発売されます(※数量限定販売)。

発売に先駆け、2025年3月30日(日)よる7:00~8:54には、特番『サンド伊達のコロッケあがってます 祝!1周年 今年も富澤さん来ちゃったよSP』を放送。コロッケ開発の裏側に加え、伊達の相方・富澤たけしがゲストに登場し、福島県内のコロッケ店を回る様子をお届けします。

この番組に編成担当として携わっているのは、BS-TBSの山邉宏之。ロケでの裏話やコロッケ開発の裏側、特番の見どころなど、話を聞きました。

1日2本撮りでお腹いっぱいコロッケを食す!伊達さん自ら撮影許可も

『サンド伊達のコロッケあがってます』キービジュアル

この番組は、サンドウィッチマン・伊達みきおさんの持ち込み企画だそうですね。

山邉 伊達さんがいろいろなところで発言されていますが、相方の富澤たけしさんがドラマに出演する機会が増えたため、暇になってしまい自ら企画されたことがきっかけ。伊達さんは食全般に興味がありますが、特にコロッケが好きということで生まれた企画です。番組の企画書がBS-TBSの編成に届き、2022年3月に単発番組としてスタートしました。

2024年4月からレギュラー放送されていますが、どんな経緯があったのでしょうか。

山邉 単発番組は新作を作るのが不定期です。一度作ったら何度も再放送され、その都度放送時間が違うのがBSの特徴ですが、「いつ放送しているのかわからない不定期番組」と度々伊達さんもラジオなどでネタにされていました。視聴率もさることながら、個人的にも面白い番組だと自信を持っていたので、独断で伊達さんの事務所・グレープカンパニーさんへお願いしてレギュラー化することが決まりました。

山邉さんは、番組にどのように携わっていますか?

山邉 スタッフロールには「制作プロデューサー」と記載されていますが、厳密には編成担当です。BS-TBSは地上波より少ない人数で番組を作っているため、一人何役も担う必要があり、プロデューサー業務も多少手掛けています。

企画から撮影までの流れを教えてください。

山邉 基本的に一回の放送につき、担当ディレクターが一人いるのですが、企画段階で各ディレクターが実際にコロッケを食べて番組で取り上げるお店の候補を出してくれるので、それをもとにみんなで話し合って決めています。

7人いるディレクターが常にどこかしらの商店街を地道に足で稼いでリサーチしています。最近では、東京都内だけでなく、千葉県や神奈川県の商店街にも少しずつ足を延ばし始めているので、まだまだネタは尽きなさそうなものの、数が多すぎて決めるのに迷うほどです。

ロケは毎回2本撮りしていて、出演者には1日にかなりの量を食べていただいています。番組ではお約束になってきていますが、コロッケに限らず、焼き鳥やメンチカツ、トンカツやモツ煮、焼き豚を食べることもありますし、コーヒーゼリーを求めて喫茶店に行くことも。ロケ中に見つけたお店にふらっと入り、伊達さんが自ら撮影の許可をとってくださることもあります。お店の方は突然の訪問にびっくりされますが、撮影を断られることはほとんどありません。伊達さんへの信頼感が大きいことに助けられています。

また、番組では、毎回コロッケを揚げる「ジューッ」、食べるときの「サクッ」という音を録音していて、こだわりでもあります。これは、伊達さんのお供としてレギュラー出演している、わらふぢなるおの口笛なるおさんの担当ですが、時々録り忘れてしまうことも。制作側としてはきちんと録ってほしいですが、録音を忘れて伊達さんに注意されることがお約束になってきているのも面白いところです(笑)。

毎回、「コロッケ仲間」として出演するゲストはどうやって選定していますか?

山邉 レギュラー化した1年目は、伊達さんやなるおさんが所属する事務所・グレープカンパニーさんの芸人さんを中心に出ていただきました。そのおかげか、お二人がリラックスしてロケに臨めて、優しい雰囲気の番組に仕上がったのかもしれません。肩肘張らずにご自身の好きなことをされている様子を見るのはこちらも嬉しいです。

今後は引き続きグレープカンパニー所属の芸人さんにも出ていただきつつ、他事務所の芸人さんもどんどん登場される予定です。伊達さんとなるおさんと、どんな絡みが見られるのかご期待ください。

特に印象に残っているロケについて教えてください。

山邉 どのロケも面白くて思い出深いですが、毎回印象に残るのは一般の方と接する伊達さんの様子です。伊達さんは人気者なので、商店街では人に囲まれますし、カメラが回っていても声を掛けられたり、写真を撮られたりすることもあります。

僕がロケに参加するときは、撮影が滞りなく進むように、伊達さんのボディガードのような役割を担うことが多いのですが、丁寧かつ気さくに応じる伊達さんを見ると、感心してしまいます。裏表なく、本当に皆さんがテレビで見るままの方です。ちなみに、食事をとらずに撮影しているスタッフのために、伊達さんがコロッケや総菜をお土産に買ってくださるので、移動中のロケ車の中で取り合いになることもあるんですよ(笑)。

BS-TBS山邉宏之

コラボコロッケは、ラードの風味を伊達さんがリクエスト

2025年4月1日(火)より全国のローソンにて番組とコラボレーションした「サンド伊達のコロッケあがってます コラボ ポテトコロッケ」が発売されます。どんな経緯でコラボコロッケを作ることになったのでしょうか。

山邉 『ジョブチューン ~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』と兼務している番組スタッフに、ローソンの方を紹介してもらったことがきっかけです。気軽に「コロッケ作りましょうよ!」と言ったところ、実際に作ることに。当時は番組がレギュラー化してまだ半年ほどでしたが、ローソンの担当者の方がサンドウィッチマンさんのファンだということもあり、とんとん拍子で話が進みました。

伊達さん、なるおさんにこの話をしたら驚かれていましたが、番組開始当初からノベルティ制作など放送以外の展開もできたらいいなと考えていたので、面白がってくれました。ローソン店舗に番組ステッカーも貼ってくださる予定なので、さらなる認知拡大も期待でき、ありがたく思っています。

コラボコロッケは、番組ステッカーを貼ったパッケージ入り
コラボコロッケは、番組ステッカーを貼ったパッケージ入り

開発はどのように進んでいったのでしょうか。

山邉 最初にローソンの開発担当者の方に来ていただいて、伊達さんとなるおさんが「商店街の精肉店が作るコロッケを目指してほしい」「ラードで揚げたような風味がほしい」など、どんなコロッケを作りたいのか伝え、その1~2か月後に試作品をご用意いただきました。試作品は少し甘め、普通、辛めの3パターン。その中から伊達さんとなるおさんの理想の味を選んでいただき、何度か改良して完成しました。

どんなコロッケが完成しましたか?

山邉 味は、ひいき目なしで、本当においしくて驚きました。ポイントは「なつかしさを感じる、やわらかな食感と甘めの味付け」。特に伊達さんの希望した「ラードで揚げたような風味」を叶えるため、肉のジューシー感や香りを出すのに苦労されたそうです。普段コロッケでは使わないような部位を使っていると聞きました。店内で揚げているので、時間帯によっては出来たてを食べられます。

実際に手に取っていただくとわかると思いますが、皆さんが想像されるよりも一回り大きいサイズ感です。女性なら一つでお腹いっぱいになってしまうかもしれません。

売価は税込130円です。「子どもたちに買ってもらえるように安くしたい」という伊達さんたっての希望で、可能な限り低価格でお願いしました。

「サンド伊達のコロッケあがってます コラボ ポテトコロッケ」
「サンド伊達のコロッケあがってます コラボ ポテトコロッケ」

コラボコロッケの開発の様子は、3月30日(日)放送の特番『サンド伊達のコロッケあがってます 祝!1周年 今年も富澤さん来ちゃったよSP』で紹介されるそうですね。ズバリ見どころを教えてください。

山邉 特番では、富澤さんがゲストに登場し、福島県でのロケの様子も放送されます。浪江町といわき市にお邪魔して、コロッケやうどん、直径30cmの特大ジャンボメンチカツやメヒカリという魚の干物などを一日で食べ歩きしていただきました。サンドウィッチマンのお二人が揃ったことで、より一層面白く仕上がったと思います。

また、東日本大震災から14年が経つ被災地の様子も紹介します。被災者の方々に寄り添う姿はさすがだなと感じましたし、食べ歩きのシーンはいつも通りおいしそうに召し上がっていて、一つの番組でさまざまなことを感じていただけると思います。

『サンド伊達のコロッケあがってます 祝!1周年 今年も富澤さん来ちゃったよSP』の1シーン
『サンド伊達のコロッケあがってます 祝!1周年 今年も富澤さん来ちゃったよSP』の1シーン

2025年3月でレギュラー化から一周年を迎えます。この一年でどんな変化がありましたか?

山邉 JNN系列局から番販で買っていただけるようになったり、芸能事務所の方から「番組に出演したい」と逆オファーをいただいたり、他の番組を作っているディレクターの方から「『サンド伊達のコロッケあがってます』を作りたい」と声をかけられることが増えました。

それに、テレビ業界内での視聴率がとても高まっていると感じています。伊達さんも他の現場で「コロッケの番組やってるね」と言われることが非常に増えたとおっしゃっていました。吉川晃司さんや上沼恵美子さんなど、大御所の方々からも声をかけられたそうです。

とはいえ、番組内容は基本的に変わっておらず、これからもいろいろなものを食べていただくのだろうなと思います。ちなみに、伊達さんは番組が始まってから体重が変わっていないそうです。番組がレギュラー化するときに、伊達さんも「10年続く冠番組にしたい」とおっしゃっていたので、番組を長く続けるためにも体には気を付けていただければなと思います(笑)。

『サンド伊達のコロッケあがってます 祝!1周年 今年も富澤さん来ちゃったよSP』の1シーン

地上波よりもマニアックな番組を作りたいならBS-TBSへ

ところで、山邉さんはどのような経緯でBS-TBSに入社されたのでしょうか。

山邉 新卒で、現・日テレ アックスオンという制作会社に入社しました。複数の放送局、番組で経験を積み、ディレクターになってからは情報番組を担当することが多く、事件取材や芸能人の結婚会見、選挙などを幅広く扱ってきたほか、『24時間テレビ』やバンクーバーオリンピック(2010年)の中継制作にも携わらせていただきました。

そんなある日、業務を続けることに行き詰まりを感じ、転職サイトに登録することに。そこでスカウトメールが届いたのがBS-TBSでした。実は『吉田類の酒場放浪記』や『地球絶景紀行』、『極上のクルーズ紀行』をよく見ていたので、縁を感じました。

ところが、募集していた職種は営業職。営業経験はなかったですし、筆記試験も全然できなかったので面接では「営業の“え”の字も知りません」と開き直りました。いまだにどうして採用されたのか分かりませんが、ご縁があったということでしょうか。

2012年のBS-TBS入社から約10年間は営業部、その後、2年間事業部に所属。現在の編成に異動してから1年半くらい経ちますが、制作会社での経験が役立っているのかなと思います。

テレビ業界への就職に向けて、学生時代はどんなことをしていましたか?

山邉 NHKでアルバイトをしていました。テレビ業界を目指したのは、テレビが好きでよく見ていたからですが、特定の番組が好きというよりも、中継や吹き替えの仕組みなど、テレビがどのように作られているのか興味があったので、就職活動では制作会社をいくつか受けました。

強いて言うなら、学生時代にバックパッカーをしていたのがよかったのかもしれません。中東と東ヨーロッパなど約20か国を回り、一番好きなエジプトには社会人になってからも含めると8回行きました。その中でぼったくりに遭うなど一通り怖いことを経験してきたので、社会人になってからは何があっても物怖じせず、肝が据わったと思います。

バックパッカーでなくていいので、スポーツや部活など、「人より突き抜けた何か」を経験しておけば、社会人になってから生かせる部分があるのではないでしょうか。

入社後、BS-TBSに対する印象は変わりましたか?

山邉 僕が入社した頃のBS-TBSは、出演者を立てず、視聴者を現地に行った気分にしてくれる紀行番組がとても多く、僕はそこに「BS-TBSらしさ」を感じていましたが、今では『吉田類の酒場放浪記』をはじめ、『町中華で飲ろうぜ』や『ヒロシのぼっちキャンプ』、『憧れの地に家を買おう』や『サンド伊達のコロッケあがってます』など看板と言える番組が増えてきています。これらの番組は出演者の方々が番組制作にとても積極的です。出演者が立ち、熱量高く臨んでくれること、これが今と昔のBS-TBSの変化かもしれません。

BS-TBSの魅力は何だと思いますか?

山邉 マニアックなジャンルの番組を制作できるところが面白いと感じています。例えば、『サンド伊達のコロッケあがってます』のように、コロッケを食べて街を歩くだけの番組を地上波で放送するのは難しいかもしれません。試行錯誤も重ねていて、作ってみてダメなら別のことを試すというサイクルが地上波よりも早く、そこも魅力的です。

ちなみに、BS日テレさんが『ドランク塚地のふらっと立ち食いそば』、BS朝日さんが『ケンコバのほろ酔いビジホ泊 全国版』や『バナナマン日村が歩く!ウォーキングのひむ太郎』、BSテレ東さんで『飯尾和樹のずん喫茶』を放送しているのですが、伊達さんを含め、芸人さん同士で会うと自分のBSの番組について自慢や自虐を言い合ったりしているそうです(笑)。

そのおかげか、今、「BSで番組を持ちたい」と言ってくれる芸人さんや俳優さんがかなり増えていて、制作会社からよく企画書をいただいています。個人的にはご自身でYouTubeを始めた方が収益化できてよさそうな気がしますが、「やはりテレビ番組じゃないと」という話を聞いて、納得しました。

最後に、BS-TBSならびにテレビ業界を志望する就活生にメッセージをお願いします。

山邉 BS-TBSは2000年の開局から25年間、主なターゲットを年配の方に設定していましたが、若い層を狙っていないわけではありません。というのも、『吉田類の酒場放浪記』や『ヒロシのぼっちキャンプ』などは、視聴率だけでは測ることができない、その世界での人気があると思っています。

例えば、キャンプが好きであることに年齢も性別も関係ないですよね。『ヒロシのぼっちキャンプ』はキャンプが好きな人なら見る番組ですし、キャンプに興味がない人は見ていません。他の番組も同様に、自分が好きなジャンルの番組は見るけど興味が無ければ見ない、というとても分かりやすい編成となっています。一週間の編成の中でいろいろな趣味をテーマにした番組が揃っています。

ですから、自分独自の趣味があり、それを番組にしてみたいという方なら、BS-TBSは夢が叶いやすい環境だと思います。もちろん、番組が人気になれば、それも仕事のモチベーションになると思いますし、視聴率やTVerの再生数で他の番組と同じ土俵でも戦えるので、そういったところでも一喜一憂できますよ。

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BS-TBS山邉宏之

山邉宏之
2012年BS-TBS入社。コンテンツ編成局 編成部。
大学卒業後、2002年に現・日テレアックスオン入社。共同テレビ出向後、テレビ東京やフジテレビでアシスタントディレクター、ディレクター業務。日本テレビでは主に情報番組のディレクター、チーフディレクター業務に携わる。2012年、BS-TBS入社後は営業外勤10年、事業部を経て現在は編成部企画統括。

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