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“ワルかっこいい目黒蓮”に期待大!パワーアップした劇場版『トリリオンゲーム』、村尾嘉昭監督が明かす撮影秘話
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2025年2月14日(金)、劇場版『トリリオンゲーム』の全国公開がスタートします。原作は「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で連載中の同名漫画(原作/稲垣理一郎、作画/池上遼一)。TBSで2023年に放送し大きな話題となった連続ドラマに引き続き、劇場版では日本トップクラスの大企業となった「トリリオンゲーム社」を率いるハルこと天王寺陽(てんのうじ はる)と、ガクこと平学(たいら まなぶ)が、“世界一のカジノ王”に挑む、壮大なオリジナルストーリーを展開します。
連続ドラマに続き、本作で映画初監督を務めたのは、TBSスパークルの村尾嘉昭。撮影現場の裏側や作品の見どころのほか、自身のキャリアについて話を聞きました。
テーマは「日本初のカジノ」、豪華なカジノセットに注目
![劇場版『トリリオンゲーム』キービジュアル](https://tbs-branding.g.kuroco-img.app/files/user/article/0_INTERVIEW/2025/02/IN_20250213_1_1.jpg)
まもなく劇場版『トリリオンゲーム』が公開されます。まずはどのような準備をしましたか?
村尾 映画化の話が決まってから、撮影するにあたって参考になりそうなシーンを探したり、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』などビジネス系や、エンタメ系の映画を見たりしました。また、僕が携わった『忍びの家 House of Ninjas』(2024年Netflix、以降『忍びの家』)のチーフ監督であるデイヴ・ボイルさんから、カジノが出てくる映画も教えてもらいました。
映画の脚本作りはいかがでしたか?
村尾 脚本作りは一番大変でした。ドラマでは原作漫画より先のストーリーも展開したので、映画もオリジナルで作るためにどうするか、試行錯誤しましたね。膨大なリサーチに基づいて描かれた原作をリスペクトしながら、まずはストーリーとキャラクターを作っていきました。僕はこの作品を「ビジネスヒーローもの」と捉えていますが、ビジネスを扱うのは難しくて、リサーチにかなり時間をかけました。原作者の稲垣理一郎先生にも都度ご相談してヒントやアドバイスをいただきながら作りました。
今回の映画は「日本初のカジノ」が一つの柱になります。日本では、大阪府に国内初のカジノが開業する予定がありますね。実はドラマを制作していたときから、「次回作を作るならテーマはカジノがいいな」と思っていました。これから現実で起こることを、本作で先取りできたことに面白さを感じています。ただ、カジノのセット作りには苦労しました。日本にはカジノがないので、セットに並べるスロットマシーンを貸してくれる企業もないですし、イチから全部作りました。
ゴージャスなカジノはキャストからも称賛されていました。セットはどのように作られたのでしょうか。
村尾 海外にいるかのような雰囲気を持つホテルをお借りして、カジノのセットを組みました。カジノはどうしてもこだわりたかったので、美術部さんと制作部さんにずいぶんワガママを言いましたが(笑)。制作部さんが見つけてくれた良い場所に、美術部さんが建ててくれた素晴らしいセットが、映画を支えてくれています。
![劇場版『トリリオンゲーム』シーンカット](https://tbs-branding.g.kuroco-img.app/files/user/article/0_INTERVIEW/2025/02/IN_20250213_1_2.jpg)
撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
村尾 キャストの皆さんは仲が良く、非常に和気あいあいとした現場でした。今回は収録スタジオにセットを組まず、オールロケです。
前半の島のシーンは主に岡山県で撮影しました。みんなで船に乗ったりと、県をまたいで、いろいろなところに移動するのも楽しそうにされていましたね。スタジオセットに見えるものも、全てロケ地に組んだセットなんですよ。カジノのシーンは複数の場所で撮影しています。
大人数で、外国人のエキストラさんも多く、さらに、島やカジノでの撮影という環境もあって自然とチームのテンションが上がっていきました。
キャストの意外な一面を見せることを意識して配役
劇場版には連続ドラマから引き続き、豪華キャストの皆さんが集結しています。そもそも、本作のキャスティングにはどんな意図があったのでしょうか。
村尾 視聴者の方は、そのキャストさんが演じたことのない役を見てみたいのではないか、と思うんですよ。そこでキャスティングでは、キャストの方の違う面を見せられるように意識しました。それも『トリリオンゲーム』の魅力の一つかなと思います。
目黒蓮さん(Snow Man)演じる主人公・ハルは「ワガママで人たらしの世界を覆すハッタリ男」。連続ドラマから見てこられて、いかがですか?
村尾 目黒蓮さんは、とても真面目な方です。実は、連続ドラマ開始時のインタビューでは「ハルは僕と真逆のキャラ」とおっしゃっていて、不安な部分もあったようです。例えば『silent』(2022年フジテレビ)での役はどちらかといえば目黒さんに近く、自分の内面を出して演じられていたのではないかと思いますが、ハルはご本人とは全く違うので、絞り出して役作りをしなければならない。
ですが彼は努力家なので、ドラマの収録がスタートすれば懸命にハルを作り上げて自分のものにしてくれました。そんな姿を見ていたので、映画の撮影には何の不安もありませんでしたね。
吉川晃司さん演じる祁答院一輝(けどういん かずき)と一緒のシーンでは二人がワルくて実にかっこいい。「ワルい目黒蓮」を見られるのも『トリリオンゲーム』ならではだと思います。
連続ドラマの2023年からの約二年間、目黒さんはさまざまな経験をされたことで、引き出しは確実に増えて、一回りどころか二回り、三回りも大成長されたのではないでしょうか。「自信をしっかりつけられて大人になったなあ」と、頼もしく思いましたね。今では、目黒さんがハルに重なって見えるほどです。
目黒さんは本格的なアクションシーンにも挑戦されていますね。
村尾 アクションは、連続ドラマや、僕が担当した『忍びの家』と同じアクション部にお願いしました。とても信頼しているチームなので、阿吽の呼吸で取り組めましたね。アクションシーンってすごくアドレナリンが出るもので、目黒さんもスタッフも皆で楽しみながら撮影しました。非常に大事なシーンでもあり、ハルがとてもかっこいい。このシーンだけでも何度も見返して楽しんでいただけると思います。
![劇場版『トリリオンゲーム』撮影の様子](https://tbs-branding.g.kuroco-img.app/files/user/article/0_INTERVIEW/2025/02/IN_20250213_1_3.jpg)
連続ドラマから続けて出演する、ほかのキャストについて教えてください。
村尾 ガク役の佐野勇斗さんは、「職人芸」を見せてくれましたね。いい意味で全くドラマの時と変わらないでいてくれて、スッとガクに戻ってくれました。のっけから、しっかりハルに振り回されてくれる安定感・安心感があって、「そうそう、ガクってこうだった」とこちらが教えてもらっているような。
ガクは富を得ても変わらない人の良さや人間味が大事な役で、作品の根っこを担っています。佐野さんの職人芸がこの作品を支えてくれていて、「変わらないでいてくれてありがとう」と言いたいですね。
![劇場版『トリリオンゲーム』シーンカット](https://tbs-branding.g.kuroco-img.app/files/user/article/0_INTERVIEW/2025/02/IN_20250213_1_4.jpg)
社長令嬢の黒龍キリカを演じる今田美桜さんも、他の作品とは少し違う役柄じゃないかなと思います。ただ、僕は『花のち晴れ~花男 Next Season~』(2018年)で今田さんが不動産王の令嬢を演じたときにご一緒したので、キリカも上手に演じられると確信していました。お互いに成長を感じながら、ドラマから映画までご一緒できたのは本当に感慨深いものがありました。
![劇場版『トリリオンゲーム』シーンカット](https://tbs-branding.g.kuroco-img.app/files/user/article/0_INTERVIEW/2025/02/IN_20250213_1_5.jpg)
それから、高橋凜々を演じる福本莉子さんもはまり役でした。唯一、福本さんだけが「役と似ている部分が自分にもある」と言ってくれたキャストだったので、安心して凜々という役を任せることができました。映画では堅物だけじゃない、自然な可愛さの凜々を見てもらえると思います。
![劇場版『トリリオンゲーム』シーンカット](https://tbs-branding.g.kuroco-img.app/files/user/article/0_INTERVIEW/2025/02/IN_20250213_1_6.jpg)
映画ではオリジナルキャラが登場します。キャスティングの理由や印象を教えてください。
村尾 ドラマ版のラスボスである、ドラゴンバンクの黒龍一真(國村隼)に匹敵する「巨大な敵」として、カジノ王のウルフ・リー役には、強い存在感のある役者さんにお願いしたいと思いました。石橋凌さんは英語も堪能ですし、ハルたちを圧倒する敵役として完璧な方ということでオファーしたところ、引き受けていただきました。
石橋さんは役作りのうえでのプロデュース力が素晴らしかったです。衣装や小道具はもちろん、黒いジェルネイルや飲み物まで、ほぼ石橋さんのアイデアを取り入れています。髪型も「ウルフって名前だから」と、自ら金髪にしてくださいましたが、ご自身初めての金髪だったそうです。
![劇場版『トリリオンゲーム』シーンカット](https://tbs-branding.g.kuroco-img.app/files/user/article/0_INTERVIEW/2025/02/IN_20250213_1_7.jpg)
また、ディーラーのラモーナ・タキガワを演じるシシド・カフカさんは、非常にエレガントな方。トランプのカードさばきを短期間で習得してくださいました。当初はプロの方に、手元だけ吹き替えを依頼していたのですが、全部ご自身で演じてくれました。本当にすごかったですね。
![劇場版『トリリオンゲーム』シーンカット](https://tbs-branding.g.kuroco-img.app/files/user/article/0_INTERVIEW/2025/02/IN_20250213_1_8.jpg)
宇喜多隼人役の田辺誠一さんは実にサービス精神旺盛な方で、エキストラの皆さんを笑わせてくれたり、お芝居の面でもとても面白いアイデアをくださったりと、助けられました。一言、「もう少しカッコ悪くてもいいかもしれません」と私が提案したら、さっきまでと全く違うお芝居に瞬時に変えてくれたシーンがあり、それがとても素晴らしかったことを強く覚えています。経験からくる「芝居の幅」みたいなものを感じましたね。
![劇場版『トリリオンゲーム』シーンカット](https://tbs-branding.g.kuroco-img.app/files/user/article/0_INTERVIEW/2025/02/IN_20250213_1_9.jpg)
撮影で印象に残っているエピソードや、苦労した点を教えてください。
村尾 印象深いのは、ハルがスポーツカーを運転するシーンを撮影した際のことです。安全のためにギアをニュートラルに入れて皆で車を押しながら、ハルの寄りのカットを撮影しました。走行しているように見せるためには風が必要なのですが、車内は狭くてカメラマンしか入れず、風を起こすこともできないので…なんと目黒さんご自身に息を吹いていただいて、風を起こして撮影しました。あんなにかっこいい目黒さんなのに、応じてもらえてありがたかったですね(笑)。
![劇場版『トリリオンゲーム』撮影の様子](https://tbs-branding.g.kuroco-img.app/files/user/article/0_INTERVIEW/2025/02/IN_20250213_1_10.jpg)
苦労した点は、強いて言えば天候でしょうか。晴れの日が多いと聞いていましたが、岡山での撮影はクランクインの運動会のシーンから何度か雨に降られて、ギリギリのスケジュールで撮りました。
ズバリ、映画の見どころを教えてください。
村尾 映画の見どころはたくさんあります。ハルのかっこいいアクションや豪華なカジノなど、「ワクワクした気持ちや爽快感を感じてもらえるエンタメ作品にしたい」と制作しました。それに人間ドラマの中にハルとキリカの絶妙な関係や、ガクと凜々の恋愛模様があり、ビジネス展開がありと、たくさんの要素が詰まっていて、アトラクションのような映画になっていると思います。
![劇場版『トリリオンゲーム』シーンカット](https://tbs-branding.g.kuroco-img.app/files/user/article/0_INTERVIEW/2025/02/IN_20250213_1_11.jpg)
人間ドラマの面で言えば、「ハルが何を考えているか」という点が一番の見どころで、この作品の特徴でもあると思います。主人公の考えがわからないまま進むというのは、いろいろな物語がある中でも珍しい設定ですよね。
ドラマ撮影の初期の頃は、ハルはあえてリアクションを出しすぎないように、話し合った記憶があります。映画でも、視聴者の受け取り方が変わるので、目黒さんと「笑顔にするか、真顔にするか」と相談したりしました。途中でハルの考えがわかった時に驚きがあり、爽快感につながる作品だと思います。ハルがどんなめちゃくちゃなことをやってくれるのか、ご期待ください。
また、映画の舞台挨拶で、目黒さんが「ハルという役に勇気をもらった」とお話されていました。日本人は組織の中でワガママになるのが苦手な方が多いと思いますが、時には空気を読みすぎず、ハルのように自分に正直にワガママになる瞬間があってもいい。映画から「ハルたちのように楽しく生きていこう」と、活力を得ていただけたら嬉しいです。
試写会では「連続ドラマを見ていなかったけど楽しめた」と言ってくださった方も多かったです。映画のあとにドラマを見ても、つながりを感じられてすごく楽しめると思います。もちろん、ドラマをご覧になってくださった方には、懐かしく感じる部分も映画に入っていますので楽しんでいただきたいです。
![劇場版『トリリオンゲーム』撮影の様子](https://tbs-branding.g.kuroco-img.app/files/user/article/0_INTERVIEW/2025/02/IN_20250213_1_12.jpg)
アメリカ留学での出会いをきっかけに、映像業界へ
ところで、村尾さんが映像業界を志したきっかけや経緯を教えてください。
村尾 小さい頃からドラマや映画が大好きでしたが、はじめからドラマの仕事を目指していたわけではありません。大学は「サラリーマンになるうえでプラスになる」と考え、経営学部に進学しました。なんとなく1年が過ぎ、そんな状況に危機感を感じて、19歳の頃、アメリカに10か月間留学をしたんです。そこで出会ったアメリカの大学生たちの意識の高さが、日本とは全然違いました。僕が見てきた日本の大学生よりも勉強していて、自分が何をして生きていくかを考えながら生活していることを知り、とても刺激を受けました。
特に印象深いのは、ジョンという29歳の黒人男性。彼は消防士や警察官として働いたあと、大学で学びながらラジオDJをしていました。20代にして、いくつも仕事の経験があり、すごいなと思いましたね。「人生一度きりだからいろいろなことにチャレンジしたい」という彼の言葉が強く心に残っています。ほかにも数多くの出会いがあり、意識が大きく変わり、日本に帰ってからは「勉強しないともったいない」と考えるようになりました。
その後、新卒で映像に少し関係する企業に就職が決まり、インターンとして営業に近いような仕事を手伝わせてもらいました。でも、あまりワクワクできなくて…そんな時にジョンのことを思い出しました。自分もやりたいことをやるために思い切って退職し、映像の専門学校に入学しました。
最初はCMに興味がありましたが、やはり「物語を作りたい」と考えてドラマの勉強をすることに。入学して2か月頃に、ドラマの現場で助監督を募集していたので参加し、8か月間学校へ行かずに現場で働きました。1年で卒業した後はそのチームに引っ張ってもらい、フリーで助監督からキャリアを積んできました。
初めての現場はいかがでしたか?
村尾 TBSがかつて放送していた昼ドラ「愛の劇場」枠の『貞操問答』(2005年)というドラマで、助監督を担当しました。当時は今と違って週に2日リハーサルして撮影が3日というように決められていて、とても過酷でしたね。そこからいろいろな現場を経験しましたが、最初が一番大変だったのでタフになったと思います(笑)。
TBSスパークルにはどのような経緯で入ったのでしょうか。
村尾 当時はドリマックス・テレビジョンという会社で、TBSの仕事をしつつ、それ以外に他局のドラマなどにも関わりながら働けるということで、入社を決めました。
塚原あゆ子監督、新井順子プロデューサーのチームから声を掛けてもらうことが多く、『マザー・ゲーム~彼女たちの階級~』(2015年)で監督デビューして、そこから『Nのために』(2014年)や『リバース』(2017年)といった湊かなえさん原作のシリーズや、『アンナチュラル』(2018年)や『最愛』(2021年)などを担当しました。あのチームで育ててもらいましたね。
![TBSスパークル 村尾嘉昭](https://tbs-branding.g.kuroco-img.app/files/user/article/0_INTERVIEW/2025/02/IN_20250213_1_13.jpg)
特に転機になった作品は?
村尾 自身で企画書を書いて、初めてチーフ監督を務めた『死にたい夜にかぎって』(2020年)です。最初から最後まで自分がやりたいことを全部できて、それを評価していただけて、その後の仕事につながったので、転機になったと思います。
主演で出ていただいた賀来賢人さんは、僕がフリーのときに初めてチーフ助監督を務めたドラマ『アスコーマーチ~明日香工業高校物語~』(2011年テレビ朝日)で出会い、『Nのために』でもご一緒し、関係を築いていきました。原案・監督を務めた『忍びの家』も、コロナ禍中に賀来さんから「一緒に何かやろうよ!」と声を掛けられて生まれた作品です。この作品も大きな転機になりましたね。
TBSスパークルに入ってよかったことは何でしょうか。
村尾 テレビ局とは異なり、いろいろな作品を手掛けることができるのは、制作会社であるTBSスパークルの強みだと思います。僕自身、直近では劇場版『トリリオンゲーム』の公開を控える一方で、『無能の鷹』(2024年テレビ朝日)、少し前は『忍びの家』を撮りました。僕のようにTBS以外の作品に幅広く携わっているのは、スパークルの中でも珍しいかもしれません。
しかし、それぞれの組によって現場の雰囲気は全く違うので、たくさんの人と出会っていろいろな経験をすることで演出の幅が広がると思います。元々フリーだったときのつながりも多く、これからも今までの出会いを大切に、いろいろなジャンルの「変わった作品」を撮っていきたいですね。
村尾さんが監督を務めるうえで、大切にされていることは?
村尾 僕が一番大切にしていることは、スタッフやキャストが意見を出し合えるような環境作りです。監督は一般的にベースと呼ばれる場所で大きなモニターで映像をチェックしますが、どうしても撮影現場と遠くなってしまいます。そこで僕はモニターを手に持ってカメラの後ろに立ち、いつでも誰とでも話せるようにしています。何かあればスタッフも即座に聞くことができますし、カットの声がかかった後にすぐキャストに話しかけられます。良い作品作りにはコミュニケーションが欠かせないと考えています。
最後に、村尾さんのように、映像の仕事を目指す就活生に向けてメッセージをお願いします。
村尾 何をすれば監督になれるのかは人それぞれだと思いますが、一番やっておけばよかったと思うのは、英語の勉強です。僕は留学時代にたくさんの出会いがあったからこそ、今この仕事をしていますが、逆に言えば、留学経験がなかったら今ここにいません。自分の世界や視点、感覚をより広げるために動きまわることが重要で、その武器の一つとして一番将来役立つのが英語だと思います。
特に近年はストリーミングサービスが普及して世界が近くなり、ビジネスの相手も広くなってきました。劇場版『トリリオンゲーム』でもエキストラさんに外国人が多かったですし、『忍びの家』のデイヴ監督は日本語を話せたのでコミュニケーションをとれましたが、そうでなければ意思疎通が難しかったと思います。今も英語の勉強を続けています。
まずは、とにかく「動く」こと。いろいろな人と話して、いろいろな経験をして、やりたいことを見つけてください。
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![TBSスパークル 村尾嘉昭](https://tbs-branding.g.kuroco-img.app/files/user/article/0_INTERVIEW/2025/02/IN_20250213_1_14.jpg)
村尾嘉昭
1982年生まれ。大阪府出身。
2014年、ドリマックス・テレビジョン(現TBSスパークル)入社。テレビドラマ『トリリオンゲーム』でチーフ監督を務める。これまでの主な演出作品に、テレビドラマ『アンナチュラル』『リバース』『死にたい夜にかぎって』『最愛』などがあり、Netflixドラマ『忍びの家 House of Ninjas』では原案と監督を務めている。映画は、劇場版『トリリオンゲーム』で初監督。
劇場版『トリリオンゲーム』 Ⓒ2025劇場版『トリリオンゲーム』製作委員会 Ⓒ稲垣理一郎・池上遼一/小学館