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『CDTV』の電飾担当TBSアクト吉田詩織が語る電飾オペレーションの魅力

TBSアクトは12のTV制作会社が結集して誕生した日本最大級の総合プロダクション。TBSテレビの番組制作の技術や美術、CGの分野を担っています。

同社で活躍する社員はどんな思いで仕事に取り組んでいるのでしょうか。デザイン本部ライティングセンター電飾技術部入社3年目の吉田詩織に仕事のおもしろさを聞きました。

現場業務は1年目から 2年目で人気番組『CDTV』を担当

電飾技術部の仕事はどんな仕事ですか?

吉田 電飾を使った演出をしています。演出には電飾と照明があり、一般的には「照明は技術、電飾は美術」と言われています。照明は光を空間に当てたり、セットや人に当てたりします。私が担当している電飾は美術なのでスタジオセットなどに取り付けて、直接視聴者に訴えるものです。どちらもライティングという面では同じかもしれませんが、明確には違いがあると言われています。

2年目に入ってから『CDTVライブ!ライブ!』や『輝く!日本レコード大賞』といった音楽番組や、2022年の10月ドラマ『君の花になる』のコンサートなどイベントの電飾オペレーションを担当しています。

2年目ですでにいろいろな現場を担当しているんですね。

吉田 現場の仕事は入社直後からで、最初は番組の仕込みやバラシから始まりました。仕込みは更地の状態に大道具さんがセットを立てて、それと同時進行で電飾等を仕込んでいくことです。バラシはその逆で、仕込んだものを片付けます。どちらも人手が必要になるので、最初は仕込みやバラシを経験し、徐々に各番組の立ち合いなどを任されることが増えていきます。

仕事はどうやって進めていきますか?

吉田 チーフが制作や照明のLD(ライティングディレクター)などと打ち合わせして、それをもとに事前にデータを打込み、現場に電飾を仕込み、オペレーションしていきます。例えば、楽曲の「ここのシーンをこの色にして、このシーンはこういう動きで…」と指示があったり、またこちらから提案したりを繰り返し、結果的に演出効果を高めていきます。現場の壁や床に電飾が仕込んであるので、照明や映像と合わせて演出できるように、オペレートのデータを専用ソフトで一個ずつ打ち込みます。

オペレーションは事前に全体合わせなどを行わないため、本番当日に各セクションの動きを確認、調整を行います。現場で実際に見るのと打ち込み時に卓画面とは色が全然違うので、現場で色を指摘されることもあります。

TBSアクト吉田詩織

レーザーの資格を取得し、『君の花になる』の現場に参加

『君の花になる』のコンサート部分のレーザーの責任者を務め、その功績によって2022年下期TBSアクト内の部門役員賞を受賞したそうですね。

吉田 当時の電飾技術部には、レーザーを使う際に必要なLASA安全管理責任者という資格の保有者が私を含め3人、照明技術部には2人いましたが、私が受験した際の合格者が電飾技術部内で私のみだったので、急遽本番に立ち合うことになりました。照明技術部の照明オペレーターと共に、電飾オペレーションの技術で制御可能な照明機材の一部をオペレーションしました。

『君の花になる』のコンサートは3日間あり、1日目はお客さんを入れた最終回の撮影、最後の2日が劇中に登場したアーティスト「8LOOM」(ブルーム)のコンサートでした。お客さんの前でオペレーションしたのは初めてだったので緊張しましたし、機材も使い慣れていないものだったので難しかったです。お客さんを入れたオペレーションは『日本レコード大賞』でもやりましたが、こちらは生放送だったので緊張しました。

『日本レコード大賞』の仕事はいかがでしたか?

吉田 ステージに水が循環していて、中央に滝のようなセットがあったり、動くモニターがあったり、セットがすごかったですね。先輩と2人で担当し、私は水の部分をオペレーションしました。

輝く!日本レコード大賞 @TBS_awards
出典:輝く!日本レコード大賞Twitterアカウント(@TBS_awards)

電飾の仕事は音楽番組が多いですか?

吉田 バラエティ番組や報道番組の仕事もあります。例えば、クイズの○×を表示したり、演者さんが見るモニターに素材を取り込んだりするメカシステムの仕事もあります。

最近は『ラヴィット!』にアーティストさんや芸人さんが出て歌うこともあるので、そこでも立ち合いが必要になります。あと『不夜城はなぜ廻る』ではセットにレーザーを当てているので、新しい演出方法だなと思いました。

部署には音楽が好きな人が多いとは思いますが、音楽番組を全く担当していない人ももちろんいます。

いろいろな番組で使われているんですね。

吉田 そうですね。他にも電飾技術部ではハリーポッターのツリーや、星の王子さまミュージアムのイルミネーションなども担当しています。eスポーツのイベントも結構あって、1年目の年末はeスポーツの現場のバラシで年越しでした。

TBSアクト吉田詩織

パターンは無限大 電飾のおもしろさは自由自在に表現できること

そもそもなぜ電飾の仕事を志したんですか?

吉田 学生時代にコンサートを観たとき、光を使った空間の演出に惹かれて照明に興味を持ちました。漠然と音楽に関わる仕事がしたいと思い、専門学校では照明クリエイティブ科で照明を勉強し、そこで電飾もあると知りました。TBSは『CDTV』があると知っていたので、株式会社テクト(現TBSアクト)にご縁があって今に至ります。

電飾の仕事はどんなところがおもしろいですか?

吉田 オペレーションは電飾の色がある程度指定されるものの、基本的には自由に操作できるのでおもしろいですね。見せ方が人それぞれ異なるので、同じ楽曲でも全然違うオペレーションになると思います。パターンが無限大と言っても過言ではありません。技術が向上すると表現できる幅が広がるので、先輩を見ながら日々学んでいます。

将来はどうなりたいですか?

吉田 今は正直、与えられた仕事をこなすことで精一杯ですが、いろいろな番組に携われる部署なので、できることを増やしていきたいと思います。オペレーションの質も向上したいですし、メカ系の知識もどんどん身に着けていきたいです。

レーザーに関しては資格を取ってまだ日が浅いので、いずれはレーザーのオペレーション技術を習得し、もっといろいろな現場に携わっていきたいと思います。

就職活動を行う若者に向けてアドバイスをお願いします。

吉田 正直、私は話すことがすごく苦手ですが、「やりたいことを仕事にしたい」という熱意はしっかりと伝えようと心掛けていました。入社前から電飾や照明の知識がある必要はなく、私の同期には普通の4年制大学を卒業した子もいます。入社後は1から丁寧に教えてもらえるので、興味がある人は挑戦してほしいです。

TBSアクト吉田詩織

吉田詩織
2021年度入社。『CDTV ライブ!ライブ!』『週刊さんまとマツコ』『A-STUDIO+』『アッコにおまかせ』を担当。

 

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