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TBSラジオのPodcast『セイジドウラク』がSpotifyやAppleで総合1位を獲得。番組に込めた思いとは

TBSラジオのPodcast番組『セイジドウラク』が2023年3月から配信開始。配信初週には霜降り明星のや叶姉妹など名だたる人気Podcast番組を抑えて、Spotify、ApplePodcastの総合ランキングでそれぞれ1位を獲得。リスナーの半数は女性が占めるなど、政治を語る番組としては異例の人気を集めています。

パーソナリティを務めるTBSラジオの国会担当記者・澤田大樹は番組にどんな思いを込めているのでしょうか。

『セイジドウラク』とは?

澤田 政治(あるいは世事)を趣味・道楽として語ろう、というPodcast番組です。K-POP好きがK-POPを、特撮好きが特撮を語るように、学生時代からの盟友で選挙ライターの宮原ジェフリーさんと2人で政治を楽しく気軽に語っています。

Podcast番組『セイジドウラク』メインビジュアル
Podcast番組『セイジドウラク』メインビジュアル

タイトルは、大隈重信の「謡を謡うとか、角力を見るとか、芝居を見に行くというくらいに、政治の趣味がないといかぬ。」「なんとかしてもう少し国民に元気を付けて、そうして政治の趣味を付けることが急務である。」という言葉から着想を得ました。

ラジオ番組にも多数出演し、書籍も出している澤田記者。このPodcast番組を作ろうと思ったきっかけは?

澤田 日本は政治について語ることのハードルが海外より高いと感じていました。私たちの生活のほとんどすべてが政治とつながっているのに、それを語るのがタブーになっていることは、とてももったいない。気軽に政治を語る場がほしいと思ったのがスタートです。一昨年と昨年の国政選挙の際、各選挙区の注目ポイントについて語るTBSラジオのYouTube配信番組でご一緒したライターの宮原ジェフリーさんとは学生時代からの付き合いで、政治について楽しく語りあってきた間柄です。その関係性をそのままPodcastに載せれば、思いが実現できるのではないかということで企画しました。

TBSラジオ澤田大樹(左)
(左から)TBSラジオ澤田大樹、宮原ジェフリー

配信後、どんな反響がありましたか?

澤田 正直なところ、無名な2人が政治をぼそぼそ語るPodcastに需要があるのか半信半疑でしたが、多くの方に聴いていただき、各種Podcastランキングで1位に押し上げていただきました。『重版出来!』でおなじみの漫画家・松田奈緒子先生に描いていただいたカバーイラストの力もあったと思います。
また、メールやSNSでの反応を見ていると女性がとても多いことに驚かされています。実際、データ上もこの番組のリスナーのおよそ半数は女性だということです。ラジオで政治を語るのとは、またちょっと違う人たちにも届いている実感があります。

『セイジドウラク』はPodcastの番組です。ラジオで政治について話す時との違い、意識的に変えていることはありますか?

澤田 2人ともラジオの出演経験が多いので、初回の収録ではどうしても放送のようにきちんと話そうという意識が強すぎて、語り口が硬くなってしまいました。2回目の収録以降は、タイトル通り少しずつ「道楽」のように政治を語れるようになってきたかもしれません。多くの人が同時間に聴くラジオに比べて、ポッドキャストはよりパーソナルな聴き方をするメディアなので、親密な空気感になるように心がけています。

今後の展望をお願いします。

澤田 Podcastジャンルでみると、国内には聴かれている「政治」ポッドキャストがほとんどないということを知り、政治を語る場の少なさを改めて実感しました。これからは、政治を語る場をさらに広げるために、イベントや学校での講演など、収録している会議室の外に出てお話ししたいですね。

澤田大樹
2009年TBSラジオ入社。『荻上チキ・Session』や『武田砂鉄のプレ金ナイト』などを中心に、国会レポートや政治解説で活躍・著書『ラジオ報道の現場から 声を上げる、声を届ける』(亜紀書房)も話題に。

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