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子どもの好奇心をどう育てる?TBS社長・佐々木卓&Kバレエカンパニー熊川哲也がヒントを明かす
TBSグループのEDGE戦略におけるエクスペリエンス領域の最重要項目の一つが、知育・教育事業です。昨年10月、事業推進に向けて学びNEXT事業部が新設されました。
学びNEXT事業部は2月9日、佐々木卓TBSホールディングス代表取締役社長と、株式会社Kバレエ代表取締役社長で、Kバレエカンパニー芸術監督の熊川哲也さんによるスペシャル対談を開催。子どもの好奇心を育てるためのヒントを明かします。(聞き手:蓮見孝之アナウンサー)
昨今、テストの点数で線引きができる認知能力と生き抜く力や思考力という非認知能力の両方が大事と言われていますが、今の子どもたちに必要な体験は何だと思いますか?
熊川 ずばり、感動することです。今、病んでしまう人が増えているのは感情を押さえつけられているからじゃないかな。喜怒哀楽をバランスよく発信し、感動する心を持てば人生が豊かになると思います。
そのために親はどうしたらいいでしょうか?
熊川 人格は親や家庭環境によって形成されるので、何事にも感動できるお母さんがいたら、子どもも一緒になって感動するのだと思います。だから子どもに表現させる前に、親が感動してあげて欲しいですね。
佐々木社長は2人のお子さんがいらっしゃるそうですが、どう接してきましたか?
佐々木 うちの最大の教育方針は「目が悪くならないことをやれ」なので、「勉強しろ」や「大学へ行け」は一言も言いませんでした。代わりに映画や演劇を観るように勧めていたら、長女は音楽学校へ進学し、次女は急に大学受験の勉強をし始めた。おもしろいもので、同じことを言っても進路が全然違うんですよ。
熊川 子育ては放任主義がベストですよね。自分で切り開いて結果を出していけばいいし、実際僕もそうでした。ただ、例えば、特にバレエというものは努力すれば夢を叶えられる、という類のものではないので、スクールではバレエに向いてないと分かったらすぐに伝えるようにしています。「君のパーソナリティは音楽やミュージカルの方に向いてる」などというように。
スクールのビジネスのことだけを考えるならバレエを続けてもらった方がいいですが、バレエの神様に嘘をつきたくないので、そこだけは信念を貫いています。
今後、自分のチャンスを見出すために世界を狙う日本の子どもが増えると思いますが、大人がサポートできる部分はありますか?
熊川 基本は放任主義でいいと思います。アドバイスしてしまうと簡単にその人のせいにできてしまうので、僕もまずは子どもの答えを聞き出すようにしています。それから、「世界に行く」ってワードはもう古いと思いますよ(笑)。東京こそが世界ですからね。
―――TBSはこれから「学び事業」を通して、子ども達をキラキラのまま大人に育み、大人達をキラキラとした子どもに戻すお手伝いを出来ればと考えております。
ぜひ、これからのTBS 「学び事業」にご注目ください。
熊川哲也(くまかわ てつや)Tetsuya Kumakawa K-BALLET COMPANY 芸術監督
北海道生まれ。1987年、英国ロイヤル・バレエ学校に留学。89年、ローザンヌ国際バレエコンクールで日本人初の金賞を受賞。同年、英国ロイヤル・バレエ団に東洋人として初めて入団。91年には同団史上最年少でソリストに、93年にプリンシパルに昇格。数々の名演を残し、名実共に世界的ダンサーとしての評価を確立する。98年、英国ロイヤル・バレエ団を退団。翌99年、K-BALLET COMPANYを設立。以来、芸術監督/プリンシパルダンサーとして団を率いるほか、演出・振付家としても才を発揮し、全幕古典作品の演出・再振付や、オリジナル全幕作品「クレオパトラ」や「蝶々夫人」などの新作を数多く発表。2013年、紫綬褒章受章。
佐々木卓(ささき たかし) (株)TBSホールディングス、(株)TBSテレビ 代表取締役社長
早稲田大学法学部卒業後の1982年、東京放送(現TBSテレビ)入社。北京支局長、「筑紫哲也ニュース23」プロデューサー、経理局長、グループ経営企画局長、編成局長などを経て、2015年TBSテレビ取締役。16年常務取締役、17年専務取締役。2018年6月から現職。一般社団法人日本民間放送連盟副会長。東京都出身。