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「作家に会えるのが現代アートの魅力」TBS NEWS DIG:豊田和真が語るアートの楽しみ方

2022年7月、TBSグループは現代アートのスタートアップ「The Chain Museum」への出資と業務提携を締結しました。アートをコンテンツクリエイティブのヒントとして、知育教育・人材開発・まちづくりなどにつなげる狙いがあります。早速、社内で現代アート推進プロジェクトを始動し、今後様々な施策を行う予定です。

「The Chain Museum」とのタッグを記念した本インタビューでは、現場で活躍する社員3人が「TBS×ART」について語っています。ドキュメンタリー番組「解放区-日本のアート業界の現在地-」を手掛けた報道局デジタル編集部の豊田和真は、どんな視点でアートを見ているのでしょうか。
 

「解放区-日本のアート業界の現在地-」とは?
豊田 アーティストやギャラリスト、コレクター、キュレーター、オークショニアたちが、何を考えて、何を目指しているのかなど、日本のアート業界の“現在地”を伝えたいと思い制作したドキュメンタリー番組です。日本がアジアのアートハブになるためにはどんな課題があるのかなど取材しました。

ドキュメンタリーを制作した理由は?
豊田 元々アートが好きで、コレクションもしているんですが、アートを購入していく中で、日本のアートマーケットが、世界と比べて小さいということを知りました。世界的に有名な日本人アーティストはたくさんいるのに、なぜ日本のアートマーケットは大きくなっていないのだろうか?という疑問が生まれ、なにが成長の障壁となっているのか、取材してみたいと思ったことがきっかけです。

自身のアートコレクションについて
豊田 コレクションしているのは、繋がりのある作家さんの作品がほとんどです。アーティストの熱量やスタジオの空気などを思い出しながら鑑賞しています。作品を通して、取材時の光景や人柄などを思い出すことができるのは、「作家を知っている」からこそできるアートコレクションの醍醐味なのかなと思います。

アートの楽しみ方は?
豊田 作品鑑賞はもちろんのこと、作家さんとのコミュニケーションも楽しみしています。報道の現場にいると、たくさんの人を取材する機会が多いので、その人が、どんな人なのか考えることが日々の業務で当たり前のようにあります。だからこそアートも、“人から作品に入る”ケースが多いのかもしれません。どんな人かを知っていると、作品から“作家の魂”みたいなものをより感じられる気がしています。

好きなアーティストは?
豊田 山口歴(やまぐち・めぐる)さんです。JNNドキュメンタリー「ザ・フォーカス」で山口歴さんのドキュメンタリー番組を制作したことが、アートを購入するきっかけでした。ヒップホップ発祥の地として知られるNYのブロンクスに、取材当時はスタジオを構えていて、アジア人を見かけないような場所で、1人で自分の表現と向き合い続ける姿勢にやられました。山口さんをきっかけにアートコレクションもはじまりました。

©︎ 2021 MEGURU YAMAGUCHI and GOLD WOOD ART WORKS / Photo: ©︎ 2021 浦野航気

現代アートの魅力は?
豊田 作家に会えることだと思います。作品を作っている時の感情や熱量、どんな作品に影響を受けたのかなどを、直接、作家から聞けるのは現代アートにしかない魅力だと思います。

自身にとってアートとは?
豊田 アートは趣味であり、現実逃避できる“逃げ場”のような存在です。サウナに入った後の”ととのう”状態を、アートを見たときにも感じています。

TBS×The Chain Museumをどう思う?
豊田 アートとビジネスが紐づいていくことは、日本のアート業界の発展に必要な1つの要素だと思います。既存の事業とアートを掛け合わせて、アート業界での存在感を出していけるようになるといいなと思います。
 

豊田和真
2011年入社、報道局デジタル編集部「TBS NEWS DIG」担当。ドラマ現場を担当後、報道局へ。Nスタでディレクター、経済部で記者を経験し、NewsPicksへ1年間出向。その後、デジタル編集部へ。他、特番多数。

■「解放区-日本のアート業界の現在地-」
https://www.tbs.co.jp/kaihou-ku/archive/20210801.html

■The Chain Museum
https://t-c-m.art/

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