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命の尊さ、未来に希望を見出せるような番組を子どもたちに届けたい

「未来を担う子どもたちに支持される、そんなテレビ局でありたい」。報道局を経て、現在は「ひるおび」のプロデューサーを務める加納沙也香さんが大切にしている想いです。徳島市の女性市長と小学生による、ジェンダー平等をテーマにした対話を企画するなど、「子どもたちが専門家に質問を投げかけ、それに対して専門家が答え、対話を通して一緒に考えていく。そんなアクティブラーニングを意識した場」を作り出してきました。
加納さんの想いが強く結実したのが「地球を笑顔にするWEEK 2022 春」。期間中「ひるおび」で放送された出前授 業です。テーマはロシアによるウクライナ侵攻。青稜中学校・高等学校の生徒から自由に質問を募り、専門家との対話を30分にわたって放送しました。
加納 子どもたちは『この戦争はいつ終わるの?』『子どもたちの教育はどうなるの?』といった、まっすぐな質問を専門家にぶつけました。戦争はSDGsを破壊する最たるものです。みんなが一緒に考える中で、専門家の方が残した『武器では戦争は止められない。結局は人の力』という言葉がいまも胸に残っています。
先入観を持たず、ステレオタイプを取り払うことを心がけている
加納 例えば、番組のボードに医師のイラストを載せる際、男女両方を載せるようにしています。小さなことかもしれませんが、メディアで発信することには既成概念を助長する危険性がある。だからこそ、物事を多角的な視点で捉えることを大切にしています。
SDGsについて発信する際は多角的な視点が大事
加納 地上波でSDGsについて発信することは重要です。でも、上辺をなぞるだけにならないように気をつけています。物事を多角的に深く掘り下げること。そして、多様な意見や価値観があることを伝え、視聴者に考えるきっかけを与えたい。答えを導き出すのではなく、考え続けることを大切にしていきたいですね。
Profile / Sayaka Kano 2007 年入社。報道局の政治記者を経て、2019年から〝今日一番の最大関心事をニュースにする〞 情報番組「ひるおび」の曜日担当プロデューサーを務める。ニュースの選定から特集の企画、専門家のキャスティングまで、番組づくりを統括している。
本インタビューはTBS×SDGsのすべてが詰まった冊子「地球を笑顔にするSDGs ACTION BOOK 2022」に収録されています。