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ニュースにも多様性が必要であり、メディアも変化していかなくてはならない

報道局としてSDGsを発信

報道畑ひと筋。ニュースのデジタル化や番組制作を手がける川畑恵美子さん。「地球を笑顔にする WEEK」(以下、 WEEK)には第 1 弾から携わっていますが、それ以前に、「現場から、SDGs 2030 年の世界へ」というWEB サイトの立ち上げに関わっています。

川畑 報道局としてSDGsに関するオリジナルコンテンツを発信し、地上波で放送されたSDGs関連番組をアーカイブしようと、2020年1月にサイトを立ち上げることになりました。ただ、当時は SDGsが社内に浸透しておらず、SDGs をサイト名に使うことに反対する人もいました。私は『SDGsを使わないと視聴者の感覚と乖離してしまいます!』と言って、必死に周囲を説得したことを覚えています。

SDGsが叫ばれるずっと以前から

遺伝性乳がんやヤングケアラーなどをテーマに、自らドキュメンタリーを制作してきた川畑さんは、SDGs が叫ばれるずっと以前から、ジェンダーや差別、貧困といった “ 正解のない問題 ” に切り込んできた。WEEK をはじめとする取り組みによって、そうしたテーマを報道しやすい環境や雰囲気が整いつつあるといいます。

川畑 ここ20年で報道の価値基準はドラスティックに変化してい ます。ひと昔前なら LGBTQ 問題の優先度は低かったですし、生理の貧困がニュースで取り上げられたときは大きな一歩だと感じました。デジタル領域も踏まえて、若い人にとってのトップニュースは政治や経済ではなく、LGBTQや食品ロスの話題に移ってきています。ニュースにも多様性が必要であり、私たちメディアも変化しなくてはいけないと思います。

若い世代の感覚が必要

発信者は時代と共に変わる。だからこそ、若い世代の感覚が必要だと川畑さんは言います。

川畑 学生の皆さんが関心を持っていることを知りたいし、正解は ないかもしれないけど、SDGs についても一緒に考えていきたい。SDGs が企業の免罪符に利用されていないかという問題も含めてです。本心では、SDGs という言葉がなくなってもいいと思うんです。言葉はなくても、皆が当たり前のようにSDGs を実行している。そんな日が訪れるために、メディアとして何ができるかを考えていきたいと思います。

 

Profile / 川畑恵美子 Emiko Kawabata 1999 年入社。地上波ニュースのデジタル化や 「N スタ」の番組制作などを担当。著書に NICU (新生児特定集中治療室)への取材をまとめた 「ちいさなちいさなわが子を看取る NICU『命の ベッド』の現場から」がある。

 

本インタビューはTBS×SDGsのすべてが詰まった冊子「地球を笑顔にするSDGs ACTION BOOK」に収録されています。

 

 

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