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“母”志田未来の芝居に圧倒!塩野瑛久・小瀧望・兵頭功海の“3人のパパ”が“息子”を溺愛する温かい現場に…TBS火曜ドラマ『未来のムスコ』プロデューサーが明かす撮影秘話

TBSで放送中の火曜ドラマ『未来のムスコ』(毎週火曜よる10時)が、2026年3月24日(火)に最終回を迎えます。

原作は阿相クミコ氏、黒麦はぢめ氏による『未来のムスコ~恋人いない歴10年の私に息子が降ってきた!』(集英社「ヤンジャン+」連載)。恋も仕事も夢も行き詰まったアラサー女性・汐川未来(しおかわ・みらい)が、突然現れた“未来のムスコ”によって母となり、そこから始まる時を超えたラブストーリーです。

本作で自身初となるGP帯ドラマのチーフプロデューサーを務めたのは、TBSスパークルの天宮沙恵子。ドラマに込めた思いや最終回の見どころのほか、自身のキャリアについて話を聞きました。

こんな大人になるはずじゃなかった…人生のほろ苦さや、さまざまな愛を描く火曜ドラマに

火曜ドラマ『未来のムスコ』場面写真

まずは、『未来のムスコ』を企画した経緯を教えてください。

天宮 原作漫画はもともと読んでいて、いつか映像化できたらと思っていましたが、いわゆる王道のラブストーリーとは少し違うので、「ラブストーリー」のイメージが強いTBSの火曜ドラマ枠では難しいかもしれないと感じていました。

そんな中、編成担当者から「火曜ドラマの定義をもう少し大きくしたい。もっと広い意味でのラブストーリーを求めている」という話がありました。『未来のムスコ』は、親子愛はもちろん、将来の夫探しや周囲の人からの愛情深い支えなど、さまざまな愛のカタチをテーマにした作品です。温かい作品なので、火曜日の夜にこのドラマを見て「明日からまた頑張ろう」という明るい気持ちになってもらえたらと、企画を提案しました。

原作の魅力としては、まず設定の大胆さにひかれました。未来から息子が現れるという展開に驚きつつも、「この先どうなるんだろう」と自然と引き込まれていったのを覚えています。ただ、物語の入り口はファンタジーでありながら、描かれているのはとてもリアルな感情で。「今頑張っていることが、本当に未来につながっているのか」という主人公の不安や迷いが丁寧に描かれていて、そこに強く共感し、実写化したいと感じました。

脚本作りはいかがでしたか?

天宮 子どもはある種、自分の将来の象徴と言えると思います。そんな存在が、急に未来から現れたことによって、主人公が「もう少しだけ明日を信じて頑張ろう」という気持ちに変わっていくストーリーが原作では描かれています。

ただ未来にとっては、自分がこの先どうなっていくのか分からないという不安も常にあって。そんな中で、10年後からやってきた颯太という存在そのものが、一つの答えのようにも感じられました。まだ見えない未来でも、10年後にはあの愛らしい颯太がいるという確かな事実がある。それが、これから先の時間を少しだけ信じてみようと思える理由になる。

ドラマでも、子どもがやってきたことによって主人公が何に気付き、どう成長していくのかという点を、一話ごとに丁寧に描いていけるよう脚本家さんや監督と議論しながら作っていきました。

未来から来た子どもを、自分の子だと主人公が認めていく過程は、実写では、視聴者の方に納得してもらうために、より丁寧に描く必要があると考えました。そこで、ドラマオリジナルのエピソードを追加したりして工夫しました。

火曜ドラマ『未来のムスコ』場面写真

視聴者の方からは「育児シーンがリアルすぎる」というお声を多くいただいてありがたいのですが、実は私を含めメインのスタッフ陣には子どもがいない人も多かったんです。自分に育児経験がないことに、このテーマを扱う不安も少しありましたが、友人のお子さんと過ごしてみたり、子育てをしているスタッフに話を聞き回ったりしながら、「育児あるある」を取り入れていきました。実は、普段からSNSの育児アカウントでお子さんたちの成長を見守るのが好きで、自然と蓄積されていた育児に関する知識も付け足しました。

いろいろなドラマや映画に出てくる大変な子育てシーンを見て「自分はこんなに頑張れないかも」と感じたこともありましたが、未来が颯太に「だんない(※富山弁で大丈夫の意味)」と言われて心救われたように、大人が子どもの言動で救われる瞬間もあるのだと知りました。育児の大変さと、そこから得られる安らぎのバランスを意識して、脚本に反映させました。

主人公・汐川未来を描くうえで意識したところを教えてください。

天宮 人によって、結婚や育児、昇進などでライフステージが異なります。主人公の未来は「女優になる」という叶うかわからない夢に向かって、ひたすら突き進んでいますが、「こんな大人になるはずじゃなかった」とどこかで感じています。そんな人生のほろ苦さを描きたいと思いました。

みんなの前では明るく振る舞う態度が習慣化していますし、「だんない」という口癖も、自分に言い聞かせるために口にしている部分もあります。そんな彼女が不意に見せる苦悩を、視聴者の方にも共感しながら見てもらえるように作ろうと意識しました。

火曜ドラマ『未来のムスコ』場面写真

キャスティングはどのように行ったのでしょうか。

天宮 未来から子どもがやってきて一緒に暮らすということ自体がファンタジーなので、そんな設定にも説得力を持たせ、視聴者の方に感情移入してもらうためには、高い演技力を持つ方が必要だと考えました。そんな未来役にぴったりだと感じたのが志田未来さんです。

志田さんは『14才の母~愛するために 生まれてきた~』(2006年、日本テレビ)が印象的で、もう一度、母親役を演じるところを見てみたいという思いもありました。主人公と名前が同じという点にも運命めいたものを感じるなど、さまざまな思いを込めてオファーさせていただきました。

汐川颯太役の天野優くんは、オーディションで約200人の中から決めさせていただきました。優くんはお芝居の経験が少なく、連続ドラマに出たことはありませんでしたが、「なるべく自然体な子どもらしさを持っている子と出会いたい」という思いがまずありました。ですので、今回に関してはなるべく「自然体」「愛くるしい」「子どもらしい」という部分を重視して、優くんを選びました。

火曜ドラマ『未来のムスコ』場面写真

未来の夫・まーくんの候補として登場する、吉沢将生(よしざわ・まさき)、松岡優太(まつおか・ゆうた)、矢野真(やの・しん)は、それぞれ違う魅力がある方にお願いしたいと思っていました。

将生役の塩野瑛久さんは、「今までに見たことのない塩野さんを見たい」という思いでオファーさせていただきました。塩野さんには美しいイメージをお持ちの方も多いと思いますが、将生は少しワイルドで、クリエイターらしい無骨さを持ったキャラクターです。役作りとして髭を伸ばしていただくなど、見た目からも泥臭さや男性らしさを加えながら、前半ではあえて見えにくかった将生の根にある愛らしさや憎めなさを、物語が進むにつれて少しずつ、にじませてくださって。そうした内面と外見の両面からキャラクターに立体感を与えていただき、塩野さんの新しい一面をお届けできたのではないかと思っています。

まー先生こと優太と未来の関係は、男同士の友情関係のようにラフに演じてほしいと考えていました。優太役の小瀧望さんは、普段グループ活動をされているので、そこで小瀧さんがほかのメンバーに接しているような雰囲気で未来に接してほしい、と依頼しました。

小瀧さんは自然体で飾らない魅力をお持ちで、その雰囲気がそのまま優太というキャラクターにも表れていたと感じています。回を重ねる中で、より肩の力の抜けた優太の姿が見えてきたのも印象的でした。一方で、ご本人は「恋愛要素のあるシーンは少し照れくさい」とおっしゃっていたのですが、印象的な場面ではしっかりと決めてくださって。自然体と胸キュンのバランスが心地よく、優太という人物の魅力をより引き出していただいたと思います。

兵頭さんは、日曜劇場『下剋上球児』(2023年)以降、さまざまな作品を拝見する中で、役ごとにまったく印象が変わる、まさにカメレオンのような俳優だと感じていました。そうした振り幅のある表現力に魅力を感じ、今回お願いしました。

彼が演じる真はミステリアスで口数も少なく、たたずまいや表情で感情を表現していく難しい役どころです。兵頭さんご本人はとても朗らかでよくお話しされる方なのですが、そうしたご自身とは異なる部分も含めて、非常に繊細なお芝居で真という人物の内面を丁寧に表現してくださり、どこか不思議な魅力を持ったキャラクターとして見事に体現していただいたと感じています。

火曜ドラマ『未来のムスコ』場面写真

演出面や美術、小道具におけるこだわりを教えてください。

天宮 画作りにおいては、松本明子プロデューサーや井村太一監督らと議論しながら取り組みました。火曜ドラマは明るく見やすい画作りをするというセオリーがありつつ、照明に関して、普段は映画を手掛ける方に頼んだり、使用するカメラレンズも普段とは質感が違うものを選んだりと、作品の持つファンタジー感に「人生の苦さ」を少し足すため、通常の火曜ドラマより彩度を落とし、ややレトロに作り込みました。

タイムスリップのシーンは、近未来っぽさを表現するために、CGを使ったり、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)のように大仕掛けにしたりして描かれることも多いのですが、今回は「あまりデフォルメせず、日常の中に少し違和感が混ざるような表現にしたい」と話し合い、井村監督が演出してくれました。音楽の力もあり、ワクワク感が表現されたと思います。

セットに関しては、未来は下北沢の古い家で役者を目指し10年間住み続けているという設定があったので、部屋に舞台で使ってきた小道具などが置かれています。颯太が来てから少しずつ子どものものが増えていき、1話ごとに室内の小道具に変化があるので、そこにも注目していただきたいです。

火曜ドラマ『未来のムスコ』場面写真

また、今回は劇団監修として劇団「南極」さんに参加していただきました。作中に登場する劇団アルバトロスは少し不思議なSF作品を作っている設定にしようと決めてから、監督や演出部と一緒にいろいろな劇団の舞台や稽古を見学したところ、イメージに近い雰囲気で、とても面白い舞台を上演されている南極さんにたどり着きました。

南極のこんにち博士さんには、アルバトロスの存在に説得力を持たせるために、劇の練習シーンや5話の劇中劇「オーマイゴーマイウェイ」の台本などを手掛けていただきました。舞台シーンの作劇はかなり作り込んでいただいたので、ぜひ劇中劇の全編をご覧いただけると幸いです。

子どもの自然な愛くるしい姿を撮るため奮闘した日々

撮影はいかがでしたか?

天宮 今回は優くんを中心に動いていたので、通常の撮影とは異なる挑戦がありました。

まず、優くんとは「同じ演技は二度しないようにしよう」という約束をしました。決められた通りの動きしかできなくなると、それ以上のことがなかなかできなくなってしまい、彼の子どもらしい愛くるしさが損なわれてしまう恐れがあったからです。「颯太の気持ちになったら、どんなことをする?」「今思って、したいこと、感じたことを出してみてね」と流れを伝え、基本的にはアドリブでお芝居してもらう練習を重ねてきました。

もちろん台本はありますし、事前にお母様と一緒に練習して来てくれましたが、「セリフ通りに言わなくてもいいよ」というスタンスでした。だからこそ、彼の自然な表情やリアクションが撮れたのだと思います。

例えば、2話のオムライスを食べるシーンでは、優くんにケチャップを思いのままにかけてもらいました。監督が「少し興奮気味に楽しんでいる姿がリアル」と判断して、あのシーンが完成しました。

火曜ドラマ『未来のムスコ』場面写真

思いもよらない行動を取ったり、決めたものと違うセリフを発することもありますが、優くんの自然な反応に合わせて大人のキャストの皆さんが演技してくれるので、想像を超える画が撮れました。
カメラマンさんも、自由に動く優くんに臨機応変に対応してくれたおかげで、自然な姿をおさめられたのだと思います。皆さんの底力の賜物です。

特に印象的なシーンを教えてください。

天宮 まずは、1話で放送した自販機の前のシーンです。1シーン1カットで撮影(※シーンの始まりから終わりまで録画停止や編集を挟まず一気に撮影する技法)したのですが、志田さんが泣き芝居をし、絶妙なタイミングで優くんがぶつかって小銭を落とし、自転車が通り、優くんが「ごめんなさい」などのセリフを言うなど、細かい所作のタイミングを合わせる必要がありました。各所大変だったと思いますが、全員のチームワークがばっちりでとても臨場感あるシーンになったと思います。

そして「こんな私が母親になるわけなかった」という苦しさを吐露するお芝居を、しっかりと決めてくれる志田さんが素晴らしく、改めて志田さんにこの役をオファーしてよかったと感じた瞬間でもありました。

火曜ドラマ『未来のムスコ』場面写真

5話で、未来の母・汐川直美(しおかわ・なおみ)が未来の舞台を見終わった後、お互いに感情を吐露するシーンも印象的です。志田さんと神野三鈴さんのお芝居が素晴らしくて現場で涙が出てしまうほど。視聴者の方からも「良かった」というお声をたくさんいただきました。未来と直美は富山弁で話すので、現場でお二人が一緒に練習される姿をよく見かけました。

火曜ドラマ『未来のムスコ』場面写真

キャストの皆さんは、現場でどんな様子でしたか?

天宮 志田さんと優くんは、撮影以外でも本当の親子のようでした。子役時代から活動されていた志田さんは、優くんの気持ちがわかるようです。よくできたら褒めるし、優くんがふざけすぎたときは「お仕事だよー、いくよ!」と実のお母さんのようにリードしてくれました。生放送や制作発表の場でも、優くんが置いてけぼりにならないように、何か言いたがっているときは「何かな?」と志田さんが率先してサポートしてくれて、助かりました。

また、優くんのお母様が現場に来られているのを見て、「私も母にしてもらったことを思い出して感慨深い」とおっしゃっていました。

塩野さん、小瀧さん、兵頭さんの3人も、全員が優くんを溺愛しています(笑)。現場では優くんとよく遊んでいて、本当にパパのようでした。ほほ笑ましい瞬間をたくさん見ています。

3人が揃うシーンは少ないですが、とても仲が良いのも印象的です。3人でInstagramのライブ配信を行いましたが、実はこちらからお願いしたのではなく、3人で話し合って提案してくれました。

現場での塩野さんのエピソードとして印象的だったのは、8話のクリスマス会のシーンの撮影時のことです。劇中で将生が颯太に熱血指導をする場面があるのですが、実際の撮影の合間にも「頑張れ!」と優くんに声をかけたり、「こうした方がいいかもよ」とアドバイスをしていたりと、まるで将生と颯太の関係そのままのような、塩野さんと優くんのやり取りが見られました。

火曜ドラマ『未来のムスコ』場面写真

よしずみ保育園のシーンは、現場に園児役の子役キャストさんが10人くらいいて、小瀧さんが登場した瞬間に「まー先生だ!」と言って、小瀧さんを囲んでいたのが印象的でした。子どもたちのパワーを真正面から受け止め、全員平等に優しく接しながら遊ぶ姿を見て、生まれ変わったら本当に保育士さんになってほしいなと思うほど。あまりにも良い方な雰囲気がにじみ出ているので、もし次回小瀧さんにオファーするなら、逆にサイコパスな役柄を演じてほしいと思っています(笑)。

火曜ドラマ『未来のムスコ』場面写真

兵頭さんは、とても人懐っこくて、勤勉な方です。台本を読んで疑問に思ったり、どのように演じたらいいか悩んだりしたときは、すぐ監督や我々プロデューサーに相談しに来てくださって、みんなで役を作っていった感覚があります。

火曜ドラマ『未来のムスコ』場面写真

まもなく最終話が放送されます。ズバリ、見どころを教えてください。

天宮 9話はとても衝撃的な終わり方をしていると思いますが、10話では未来と颯太の間にあった真実がようやく明かされるので、ぜひ最後まで見ていただきたいです。今まで制作陣が大切にしてきた、原作の持つ温かさもしっかりと描いているので、安心してご覧いただけるかと思います。

1話で「こんな大人になるはずじゃなかった」という未来に共感してくださった人が多いと感じています。この作品を通して、「昨日より少しだけ頑張れば、それが未来につながるかもしれない」と少しでも前向きな気持ちになってもらえたら嬉しいですし、10話ではきっとそう感じていただけるのではないかと期待しています。

火曜ドラマ『未来のムスコ』場面写真

今後もドラマを通して「考えるきっかけ」を提供し続けたい

ところで、天宮さんはどんな経緯でTBSスパークルに入社されたのでしょうか。

天宮 テレビ業界での就職を志望しており、特にドラマ制作に携わりたいと思っていました。というのは、父も母も芸能関係の仕事をしており、エンタメが身近な環境で育ったことも要因の一つかと思います。子どもの頃から撮影現場や舞台に連れていってもらったりしました。

中学、高校時代は放送部に所属し、お昼のアナウンスを担当するほか、ドキュメンタリーやドラマなどの映像制作をしていました。当初はドキュメンタリー制作にひかれていましたが、物語性があった方が気軽に見てもらえて、自分の思いを広く伝えられるのではないかと考え、ドラマ作りに魅力を感じ始めました。そこからドラマを自主制作し始め、特にゼロからお話や企画を考える過程がとても楽しくて、自然とドラマ業界を目指すようになりました。

大学では環境情報学部で社会学やメディア系の学問のほか、ネットメディアやITの領域を学んだり、一方でミュージックビデオやドキュメンタリーの制作をしたりと、興味があることに幅広く取り組みました。

就職活動では、さまざまなインターンシップに参加しました。中でもTBSが主催する「TBSドラマインターン“緑山塾”」に参加した際、TBSグループで働く社員の方が魅力的だったことや、もともと好きだったTBSドラマに携われる会社がいいなと改めて思ったことから、TBSスパークルの前身企業であるドリマックス・テレビジョンに入社を決めました。

TBSスパークル天宮沙恵子

これまで携わった中で特に印象的な作品や、転機になった作品を教えてください。

天宮 入社して初めて関わった『中学聖日記』(2018年)は、今思い返してもとても楽しかった作品です。私が大好きな『Nのために』(2014年)や『アンナチュラル』(2018年)を手掛けた新井順子プロデューサーと塚原あゆ子監督の作品で、憧れの先輩たちと一緒に仕事ができたのは、とても刺激的でした。4th助監督としてハードな日々を過ごしましたが、先輩たちを目指して頑張ろうと強く思いました。

特に転機になった作品は『不適切にもほどがある!』(2024年)です。助監督時代からお世話になっていた磯山晶プロデューサーに声をかけていただき、初めてプロデューサーとして参加した作品です。脚本の宮藤官九郎さん、磯山プロデューサー、金子文紀監督という座組は、『木更津キャッツアイ』(2002年)や『タイガー&ドラゴン』(2005年)など、私も大好きな作品を数々手がけて来られていて、このチームに参加できたことは、小・中学生の頃の自分に自慢したいほど(笑)。セリフやシーン一つ一つを妥協なく作る姿勢を間近で見て、多くの学びと刺激を受けました。

加えて、ドラマの略称「ふてほど」という言葉は2024年の「ユーキャン新語・流行語大賞」年間大賞を受賞し、話題になりました。実際に、街中で上司と部下らしき方たちがドラマで提示したテーマについて、「俺の時代はこうだった」「それって古くないですか?」というように議論する様子を見たこともあります。「作品を通して何かを考えるきっかけを提示したい」という思いは、ドラマを作りたいと志すようになったきっかけでもあるので、それを体現できる作品に関わることができたのは、とても印象深いです。配信も含め、世の中には多くの作品がある中、社会現象になるような作品に関わることは滅多にない経験だと思います。

自分もチーフプロデューサーとしてこうした作品を生み出したい、あのときに感じた「自分が作品に込めた思いが視聴者にしっかり届いている」という実感を持てるような作品をこれからも作っていきたいと思います。

最後に、天宮さんのように、ドラマ制作の仕事を目指す就活生に向けてメッセージをお願いします。

天宮 社会人になると自由な時間が限られてしまうので、学生のうちにたくさんのコンテンツを見ておくといいと思います。自分が面白いと思うものの引き出しを増やすことで、将来自分が作品を作るときのアイデアが自然と身につくはずです。

TBSスパークルのドラマ部は、アットホームな雰囲気です。私は今、20代最後の年ですが、若手にチャンスを与えて応援してくれる風土を感じています。『未来のムスコ』においても、先輩の松本プロデューサーがバックアップでフォローしてくれて感謝しています。しっかりと自分のやりたい「想い」を伝えていけば、力を貸してくれる土壌があるので、ぜひ飛び込んできてください。

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TBSスパークル天宮沙恵子

天宮沙恵子
2018年ドリマックス・テレビジョン(現TBSスパークル)入社。
『中学聖日記』(2018年)などの助監督を経て、『不適切にもほどがある!』(2024年)でプロデューサーデビュー。自身初のチーフプロデュース作となったオリジナルドラマ『地獄の果てまで連れていく』(2025年)で、「第41回ATP賞」優秀新人賞および「第27回ヤング映像クリエーターを励ます賞」経済産業大臣賞を受賞。『未来のムスコ』で自身初となるGP帯ドラマのチーフプロデューサーを務める。

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