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TBS金曜ドラマ『DREAM STAGE』は新人ボーイズグループが仲間たちと夢を追う“K-POP版スポ根ドラマ”!プロデューサーが明かす3年越しの大規模プロジェクト秘話

2026年1月16日(金)に新・金曜ドラマ『DREAM STAGE』(毎週金曜よる10時)の放送がスタートします。本作の舞台は、世界のトレンドをけん引し、音楽シーンを席巻するK-POPの世界。中村倫也演じる吾妻潤(あずま・じゅん)は、かつてある問題を起こして音楽業界を追放され、どん底に落ちた“元”音楽プロデューサー。そんな吾妻が、落ちこぼれボーイズグループ「NAZE」(ネイズ)に出会い、苦しみながらも共に夢に向かって突き進む「K-POP版“スポ根”ドラマ」です。

劇中に登場するNAZEは、韓国のエンターテイメント企業「CJ ENM」、韓国芸能事務所「C9ENT」とTBSがタッグを組み、アジア各国から選び抜いた7人組。本作に本人役として出演しつつ楽曲配信やイベント出演などグループ活動も行う、ドラマとリアルが交差する新しい形のプロジェクトです。

本作の企画プロデュースを務めるのは、TBSテレビの高橋正尚。本作に込めた思いや見どころのほか、自身のキャリアについて話を聞きました。

アジア全域からの精鋭でボーイズグループ「NAZE」結成

新・金曜ドラマ『DREAM STAGE』キービジュアル

まずは、『DREAM STAGE』を企画した経緯を教えてください。

高橋 2022年のTBSドラマ『君の花になる』では、マーチャンダイジングやイベントなどで大きな人気を博しました。また最近では『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の劇中曲が世界的ヒットになったりと、ストーリーとの融合によって音楽の可能性がさらに広がるビジネスが生まれています。

一方、TBSはCJ ENM(※以下、「CJ」)とパートナー契約を結んでいます(※関連記事はこちら)。CJは日本でもJO1やINIといったボーイズグループを手掛けておられ、また世界を舞台にしたグローバルな音楽ビジネスにも精通しています。

K-POPの世界では、デビューするまで数年に渡り、“練習生”としてダンスや歌をみっちり叩き込まれるのが一般的です。せっかくCJとご一緒するなら、アジア全域からレベルの高いメンバーを集めてグローバルボーイズグループを結成してはどうか、ということで企画がスタートしました。

また、ストーリーラインの開発に際しては、金曜夜10時という放送枠を意識しました。企画を立てる際は、「誰のために、何のために作るか」という点が個人的には最重要だと考えていまして。今回は主に30代から50代の女性をメインターゲットに設定して、「頑張った一週間の終わりに、ほっと一息つける時間をご提供する」ことができたら…というポイントを意識しながら、企画の大枠を考えました。

およそ3年越しのプロジェクトだそうですが、どのような流れで進めていったのでしょうか。

高橋 まずはグループのメンバーを決めるオーディションが、所属事務所C9ENTを中心に開始されました。もちろんドラマの責任者として、僕も参加しました。何度も渡韓し、30人以上いた練習生の歌やダンス、演技、語学などのパフォーマンスを見て、最終的に絞られたのがNAZEの7人です。

一方、並行して脚本の元になるプロットの制作も進めていきました。ただ、初期段階ではまだどんな個性を持った子が選ばれるのか、それどころか何人組グループにするのかさえ確定していなかったので、ストーリー作りも暗中模索と言った感じでした。

NAZEのメンバーを選んだ決め手は何ですか?

高橋 彼らの人生を実際に背負う立場なのは所属事務所であるC9ENTさんです。代表のイ・ジェヨンさんを始め、たくさんの大人たちが立ち会い、慎重に議論を重ねました。

僕が重視したのは、ルックスの良さは当然として、やはり演技力です。経験のない新人をいきなりドラマに抜てきするのは大きな賭けです。経験は無くても、演技の素質があるメンバーを選びたかったので、日本のドラマを題材に練習してもらい、何度もオーデイションを重ねました。

一方イさんは、性格や普段の生活態度も非常に重要だとおっしゃっていました。そんな厳しい審査の末、韓国・日本・タイ出身の7人が決定しました。

NAZE 写真左から、ユウヤ、ターン、キムゴン、ユンギ、アト、カイセイ、ドヒョク
NAZE:写真左から、ユウヤ、ターン、キムゴン、ユンギ、アト、カイセイ、ドヒョク

厳しいK-POPの現場を取材、虚実が織り交ざる「夢と再生の物語」

脚本作りはいかがでしたか?

高橋 第1話のサブタイトルにもありますが、「夢はまだ、終わっていない」というテーマのもと、中村倫也さん演じる挫折した音楽プロデューサーの主人公が、落ちこぼれのボーイズグループと一緒に、もう一度夢に挑戦していく…というオリジナルストーリーです。

NAZEは本当に個性豊かなチームなので、それぞれの魅力がしっかり伝わるように。そして、見てくださる視聴者の方が爽やかな気持ちで週末の夜を過ごせるように。
そんなポイントを意識して、キャラの配置やお話を考えました。

ただ僕は元々、K-POPに詳しい訳ではなく…というか、実を言うとド素人で。K-POPスターたちのどんな行動やルックスが世界中のファンの気持ちを動かしているのか分かっていなくて、はじめはかなり不安でした。でも、TBSグループにはK-POPに詳しいスタッフがたくさんいたので、イチから多くのことを教えてもらい、ストーリーに組み込んでいきました。また『君の花になる』に携わっていたスタッフからは、PV制作やグッズ開発に関して実際の現場で得たノウハウを教わりました。

また、取材もたくさんの方々にさせていただきましたが、ソウルでお会いした元地下アイドルの韓国人男性のお話が印象的でした。活動している数年間は、経済的にも体力的にも、かなり過酷な状況の中で頑張っていたそうです。でも最終的にグループは解散。僕が話を聞いた時には、彼はアイドルとして生きていくことは諦めてしまっていました。

言葉にすれば当たり前なのですが…夢をかなえる人がいる以上、夢に破れていく人もいるということを、リアルな実感として感じました。劇中に出てくる「かなわない夢のために、若さを無駄にするな」という吾妻のセリフは、その男性が実体験から絞り出した言葉にインスピレーションを得たものです。

ただ一方で…「夢は見なければ始まらない」ということも事実ですよね。自分自身も、片田舎の中学生が急にドラマプロデューサーになると言い始めて、親にも友達にも「そんなの無理」と言われながら、無鉄砲に進んできてしまった人間でして。

リサーチする中で、K-POPの世界で生き残れるのは10万人に一人というデータがあって。その数字だけを見たら早々に無理だと思ってしまいますよね。

でもNAZEの子たちが、毎日体力の限界まで、真摯に誠実に夢に挑戦している姿は、本当にまぶしいくらいキラキラ輝いていて、こちらが元気をもらえます。

先日、豊洲PITで行った制作発表でもパフォーマンスしてもらったのですが、イキイキとした彼らのダンスにお客様もすごく乗ってくれていて。その成長した姿に、僕は涙をこらえきれませんでした。そうしたら、登壇した中村倫也さんと池田エライザさんも同じことを言っていました。

夢を目指すNAZEの頑張りが、我々大人たちの気持ちまで勇気づけてくれる。このドラマで、若い皆さんにもぜひ「夢は見なければ始まらない」を伝えられたらいいなと思います。

また、主人公の吾妻を30代後半という設定にしたのは「夢は若い人だけの特権ではなく、いくつになっても追いかけられる」というメッセージを込めるためでした。僕自身、目の前の仕事に忙殺されて、お恥ずかしながら毎日があっという間に過ぎてしまっています。でもそんな毎日の中でも、一旦立ち止まって「自分だって、今からでも頑張れるかもしれない」と思ってもらえたら。もう一度、人生に挑戦するきっかけにしていただけたら。このドラマを制作したかいがあるなと思います。

金曜ドラマ『DREAM STAGE』劇中写真

NAZEは本人役として出演しますが、劇中では彼らの素顔を反映しながら描いているのでしょうか。

高橋 あくまでもドラマなので、フィクションです。ご本人の背景を反映しているわけではありません。1話は韓国出身のキムゴン君が、斉藤由貴さん演じる生き別れた母親と再会するために奮闘するというストーリーですが、もちろんドラマ上の設定です。普段の彼は天真らんまんでかわいい性格ですが、確かな演技力があり、努力家で、さらに時折見せる切ない表情が僕はとても印象的だったので、この役を演じてもらいました。

ただメンバーそれぞれの個性が見えてくると、彼らの魅力をセリフに反映したくなり、修正を重ねています。例えば、日本人メンバーのカイセイ君は最年長ですがちょっと天然なところがあり。本人とも相談しつつ、1話からそれを生かしたキャラに寄せています。特に3話では、天然キャラがしっかりアピールできるシーンを魂を込めて演じてくれています(笑)。

そんな、虚実を織り交ぜた作りがうまくハマったら、ドラマとして新たな試みになるんじゃないかなと思っています。

金曜ドラマ『DREAM STAGE』劇中写真

日韓の実力派キャストを揃え、世界展開を意識

キャスティングはどのように行ったのでしょうか。

高橋 まず、主人公の吾妻はシニカルで“あまのじゃく”なキャラクターです。挫折を経験し何もかも失いながら、実は「もう一度夢に挑戦したい」という思いをくすぶらせている。それなのにNAZEには「かなわない夢のために、若さを無駄にするな」と、厳しい言葉で突き放す。低体温に見られてしまうけれど、心の奥底に人並以上に熱い思いを抱えている。そんなキャラクターをイメージしました。

この相反する心情を矛盾なく演じられるのは…と考えた時、中村倫也さんが最も適任だと思いました。

金曜ドラマ『DREAM STAGE』劇中写真

NAZEのマネージャーである遠藤水星(えんどう・みなせ)役は池田エライザさんです。池田さんはカッコよくて男前なキャラクターを演じられることが多かったので、水星のような内気で不器用な人物を演じるのは意外に感じる方もいるかもしれません。実は以前、『古見さんは、コミュ症です。』(2021年、NHK)というドラマでコミュニケーションが苦手なキャラを演じられているのを拝見していまして。その時、ほぼセリフはゼロなのに、本当に気持ちが伝わってきて。すごい女優だと思っていました。

今回の水星という役は、他人とのコミュニケーションは苦手ながらも、内面では人間愛が強いというか、誰かのために真っすぐに頑張れる人。誰かのために怒ったり悩んだり、感極まって泣いてしまったりもする、気持ちの豊かな女性です。このバランスを成立させられるのは池田さんだけだと思い、お願いしました。

ただ、彼女は何を着てもスタイリッシュになってしまうので、衣装やメイクに関しては悩みました。前髪をパツッと切り揃えたのは、ご本人のアイデア。そしてちょっと野暮ったいようなロングスカートは、衣装スタッフが知恵を出してくれて。そのおかげで、一気に水星というキャラに近づくことができました。

そんな風に、スタッフ・キャストが皆で知恵を持ち寄って一つの物を作っていくのは、ドラマの醍醐味だなと思います。

金曜ドラマ『DREAM STAGE』劇中写真

NAZEの事務所の社長、ナム・ハユンを演じるハ・ヨンスさんは、連続テレビ小説『虎に翼』(2024年、NHK)で一躍有名になりましたが、実は彼女が来日された頃に事務所の方にご紹介いただいたことがあって。日本語がお上手で、どんなキャラクターならドラマに出ていただけるか思案していましたが、今回ついにご一緒させていただけることになりました。

金曜ドラマ『DREAM STAGE』劇中写真

このドラマは「夢に向かう仲間たちとの熱い絆」のお話ですが、女性視聴者の皆様に楽しんでいただくためには、恋愛要素も大事かなと思って。そこでナムを吾妻の「元恋人」という設定にしました。皮肉ばかり言う吾妻には、ナムのように勢いがあって強引に引っ張ってくれるキャラが相性がいいだろうと。一見派手で騒がしい人に見えるけれど、実は周りをよく見ていて、人間力があるというか。かっこいいキャラクターです。

金曜ドラマ『DREAM STAGE』劇中写真

1話には、NAZEのライバル「TORINNER」(トリナー)を指導するダンスコーチ役として高橋文哉さんも出演します。実は彼はTORRINERのセンター・リョウを演じる岩瀬洋志さんの事務所の先輩で、ここでもちょっとした「虚実ミックス」を仕掛けてみました。

更に『TOKYO MER~走る緊急救命室~』シリーズにご出演いただいている菜々緒さんや中条あやみさん、佐野勇斗さん、宮澤エマさん、高杉真宙さんという豪華なゲストも登場します。
皆さんお忙しい中、『MER』のご縁でスケジュールを調整してくださいました。長いお付き合いをさせていただいて、本当にありがたいです。

NAZEのライバルグループであるTORINNERのメンバーは、どのように決めましたか?

高橋 TORINNERの5人のうち、リョウ役の岩瀬さんは別の機会にお会いしたことがあり。半端ないイケメンなので「この子がボーイズグループの一員だったら、絶対人気になる」と思っていました。ただ、彼は俳優で歌やダンスは本業ではないので、約半年前からダンスの練習に取り組んでもらっています。目覚ましい上達ぶりなので、見えないところですごく努力してくれているんだろうと、頭が下がります。

他の4人はオーディションで決めましたが、それぞれ実際にグループ活動を行っている実力派が揃っています。

TORINNER 写真左より、アイク(演・志賀李玖)、イロ(演・松瀬太虹)、リョウ(演・岩瀬洋志)、ヨヌ(演・HOJIN)、ニック(演・ISAAC)
TORINNER:写真左より、アイク(演・志賀李玖)、イロ(演・松瀬太虹)、リョウ(演・岩瀬洋志)、ヨヌ(演・HOJIN)、ニック(演・ISAAC)

NAZEと、期間限定で活動するTORINNERは、歌やダンスのパフォーマンスなど実際にグループとしての活動を行います。

高橋 音楽やPV・MVの制作では、TBSグループである「日音」の“音楽のプロ”たちが、主体的に取り組んでくれました。

ライブシーンの衣装やメイクにも、リアルにアーティストのステージを手掛けているプロの皆さんにお力をお借りしながら、こだわって作っています。通常は衣装もメイクもドラマの専門部署が担当するのですが、ステージ衣装やメイクはドラマのものとは大きく違うので。

つまりNAZEとTORINNERは、本人たちの努力に加えて、通常のドラマとは比較にならないたくさんのスタッフが、知恵と情報を出し合って作り上げた結晶なんです。

本作は「日本ドラマの世界進出」を目指しているそうですが、海外を意識してどのような取り組みをしましたか?

高橋 まずは、韓国人キャストのキャスティングです。イ・イギョンさんやキム・ジェギョンさんといった韓国でも有名な俳優さんに出演いただけることになり、現地でも話題になっていると聞いています。彼らのグローバルな認知をきっかけに、「日本のドラマも見てみようかな」と思っていただけたら嬉しいです。

金曜ドラマ『DREAM STAGE』劇中写真

もう一つは、映像のクオリティーです。今後NAZEが世界的に人気になった暁には、彼らをきっかけに、海外の方にもこのドラマを見ていただくことになるかもしれません。その時に「日本の映像はイマイチ」だとか言われるのは嫌なので。通常は行っていない4Kでの撮影や高品質なVFXなど、世界で勝負できるクオリティーを目指しています。ぜひ学生の皆さんにも知っていただきたいですが、TBSグループの良い面の一つとして、グローバル展開に積極的だという点があります。

このドラマでも、まずもってCJとの協業によるスケールの大きな仕掛けを承認してくれ、さらに「将来を見据えて、世界標準の映像クオリティーにこだわるべき」という主張も理解してもらいました。

ドラマの公式キャラクター「ナナボー」は、”不可能を可能にする”といわれる「七芒星」が由来。TBSテレビ・デザインセンターによる”完全自家製”キャラクター。
ドラマの公式キャラクター「ナナボー」は、“不可能を可能にする”といわれる「七芒星」が由来。TBSテレビ・デザインセンターによる“完全自家製”キャラクター。

クランクインはTGCの大舞台!中村倫也がNAZEに演技指導する和やかな現場

撮影現場の様子はいかがですか?

高橋 NAZEは、2025年9月にさいたまスーパーアリーナで開催されたTGC(「マイナビ TOKYO GIRLS COLLECTION 2025 AUTUMN/WINTER」)が初ステージ、初パフォーマンスとなりましたが、その撮影がドラマのクランクインでした。

TGCで劇中曲「Wanderlust」を披露
TGCで劇中曲「Wanderlust」を披露

日々の撮影の中で、中村倫也さんはじめキャストの皆さんは、すごくNAZEのメンバーを可愛がってくれています。NAZEは練習生として演技レッスンは受けてきているものの、実際にカメラの前で演技をするのは今回が初めて。どの角度に立ったらどんな画になるのかなんて、もちろんわかりません。

そんな時に倫也さんは「カメラがこう向いているから、こういうタイミングで動くといいよ」「並んでいるメンバーの間から、自分の顔がカメラに映るためにはね」というように、とても丁寧に教えてくれるんです。ご本人は照れ隠しでしょうけれど「こうやって教えた方が早く帰れるから(笑)」とおっしゃいますが、「本当はNAZEがかわいくて仕方ないくせに~」と思いながら見ています。

番宣に出ていただく時にも「NAZEがスターになることが、このドラマの成功の鍵でもあるから、NAZEをもっと出してあげてほしい」というアドバイスもいただきます。

2話以降では、吾妻とNAZEのメンバーが一つ屋根の下で共同生活をスタートさせます。皆で食卓を囲んだり、布団を敷いて雑魚寝するシーンが随所にありますが、撮影の合間にパジャマ姿でおしゃべりしている姿を見ていると、「本当の家族みたいだな」と感じます。そんなホッコリできるシーンが随所にありますので、ぜひご期待ください。

金曜ドラマ『DREAM STAGE』劇中写真

韓国でも、約一週間にわたるロケを行ったそうですね。

高橋 仁川空港では約300名のエキストラの方に参加してもらい、大規模な撮影を行いました。他にもソウルの市街地からローカルな市場の裏路地、店中ピンク色のド派手なカフェなど、韓国ならではの多くの場所で撮影しています。

撮影終了後には、ロケを支えてくれた韓国スタッフたちとお互いのドラマ制作について語り合い、コミュニケーションを深めることもできました。言葉の壁を超えて一つのチームになれたことが嬉しかったです。

金曜ドラマ『DREAM STAGE』劇中写真
金曜ドラマ『DREAM STAGE』劇中写真

プロモーション施策はどのようにお考えですか?

高橋 作るからには当然ながら、出来るだけ多くの方に見ていただきたいです。視聴率や配信数は超重要な指標として意識しています。

倫也さんや池田さんのように日本の地上波ドラマでしっかりした実績をお持ちで、「この人が出るなら見たい」と思える俳優の皆さんにご出演いただいてはいますが、NAZEに関してはまだあまり知られていないのが現状です。

ですから、放送前にNAZEの知名度をどれだけ上げられるかが鍵だと思っています。そのため、劇中曲のPVや、NAZEが体当たりでさまざまなチャレンジをする配信番組も制作しています。また、今後もさまざまなイベントに登場を予定しています。

オーディションからずっとNAZEの7人を見てきて、彼らにどんな思いを寄せていますか?

高橋 彼らに対しては、もはや父親のような気持ちですね。

イベントやドラマ収録で人前に出るようになって、明らかに洗練されてきた彼らを見ると、つい目を細めてしまいます。日本語も演技力も、そしてパフォーマンスもみるみる成長していて、立ち居振る舞い自体がオーディション時とは別人かと思うくらいです。制作発表での彼らのパフォーマンスを見て涙腺が崩壊してしまったのも、彼らの素直さとひたむきな努力をずっと見てきたからだろうと思います。

これからもずっと、素直で仲の良い7人でいてくれたらいいなと思います。

2025年12月、「青の洞窟 SHIBUYA イルミネーションイベント」でパフォーマンスを披露
2025年12月、「青の洞窟 SHIBUYA イルミネーションイベント」でパフォーマンスを披露

まもなく放送が始まります。本作を楽しみにしている視聴者に向けて、メッセージをお願いします。

高橋 金曜ドラマですので、週末の夜、一週間がんばったご褒美みたいな時間をご提供出来たら良いなと思っています。忙しい平日を終えて、ホッと一息ついていただけるようなドラマにしたいので、毎話ブレることなく「ハッピーエンド」と「サクセスストーリー」をお届けすることを意識しています。ストーリー上の驚きや意外な展開を用意することはもちろんですが、本筋では奇をてらわず、「人の優しさが丁寧に描かれている」、「ホッコリできる」と感じていただけることが、この作品のブランディングだと考えています。

NAZEのひたむきに頑張る姿も見守っていただきたいですし、一方で芝居達者の俳優陣がしっかり人間ドラマを作り上げて下さっていますので、ちゃんと泣ける作品でもあります。

週末の夜をのんびりと過ごすお供として、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。

金曜ドラマ『DREAM STAGE』劇中写真

人の心を動かすストーリーを作るには、まず人を好きであること

ところで、高橋さんはどんな希望を持ってTBSテレビに入社されたのでしょうか。

高橋 中学3年生のころ、フジテレビの『東京ラブストーリー』(1991年)を見て、将来はドラマのプロデューサーになりたいという夢を持ちました。自分なりにいろいろ調べた結果、テレビ局に就職するのが良いみたいだと。その後、運よくTBSに入れてもらいました。

学生時代に経験しておいて良かったことは何ですか?

高橋 元々ドラマが大好きだったので、全局のドラマを見ていました。ド素人なりに「面白いと感じる作品とそうでないものとの違いって何だろう?」などと考えるのも好きでした。どんなテーマが、どういう世界観で、どんなキャストで描かれているか。そこにどんな印象の違いが出てくるか。分析というほど大層なことではないですが、多くの作品を見て、自分なりに納得できるように考えていたことは、血肉になっているのかもしれません。

特に転機となった作品は何ですか?

高橋 たくさんありますが…ドラマのAD、AP(アシスタントプロデューサー)、ディレクターを経験して念願かなってプロデューサーになった後、自分の企画だと言える最初の作品となった『魔王』(2008年)は強く印象に残っています。実は、日本のドラマで初めて韓国ドラマをリメイクした作品でもありました。そう考えると『DREAM STAGE』とのご縁も感じますね。

「復讐鬼」として殺人を繰り返す弁護士役に嵐の大野智さん、対峙する刑事役に生田斗真さんを配役しました。大野さんは当時バラエティなどでは、リーダーながらメンバー皆に突っ込まれる愛すべき人という印象でしたが、嵐の初めての東京ドーム公演を見に行った時に彼が激しく鋭い動きで踊る姿を見て、めちゃくちゃかっこよかったんです。その二面性が、主人公の「人前では穏やかだが、裏では深い恨みに囚われている人物」という役柄にぴったりだと思いました。

ただ、放送前は多くの方から「配役が逆じゃない?」と散々言われて(笑)。でも放送が始まったら納得していただけたようで、そういった声は寄せられなくなりました。企画やキャスティングなど、全てを自分の責任で進められた初めての作品なので、今も思い入れのある作品です。

最後に、高橋さんのように、ドラマや映画を作る仕事を目指す就活生に向けてメッセージをお願いします。

高橋 失敗も多いですし、ずっと試行錯誤の連続で。今も「正解」は見つかっていないので、「こうした方がいい」と断言はできないのですが…。

ある先輩からの受け売りですが、「人が好きでないと、人の心を動かすストーリーは作れない」とは思います。例えば、クラスにいる物まねの上手な人って、先生の仕草を細部まで観察して、自分のフィルターを通して笑いに変える技術を持っている。それは、人はどんな言葉に反応し、どんな仕草に魅力を感じるのか、具体的に感じ取る技術を持っているってことですよね。「自分がどうしたいか」ばかりの思考法だと、相手が求めていることに気付けないかもしれません。相手の気持ちを推し測れるからこそ、痛みや優しさに気付けるし、何を求められているかも分かる。またそれが分かるから、自分がどうすべきかが想像できる。

そうした心構えは、モノ作りにおいても大切じゃないかなと個人的には思っています。見てくださる方がいなければ、ドラマも映画も成立しませんので。もちろん、自分のしたいことを追求して名作を生み出す方もおられます。そういう人こそ、本当の意味でのクリエイターなのだろうと思います。ただ、エンターテインメントという仕事は人を楽しませてその対価をいただくものなので。やっぱり、「どうしたら人を楽しませられるか」に意識を持つことが、一番大事なのかなと。

相手が何を欲しているのか、何を学び取れるかを少し意識するだけで、つかみ取れるものも変わってくる。ドラマでもバラエティでも、制作と名の付くもの全てに通じるのではないでしょうか。まずは、受け取っていただくお客様や視聴者の皆様がいる。さらに、モノ作りは一人ではできませんので、スタッフや出演者がそれぞれの特技をどうしたら最大限に生かせるかも大切です。関わる仲間たち皆がやる気になってくれたら、きっともっと良い作品にしてくれます。「誰が何を考え、何を求めているか」に気付ける目を養ってもらえたら、それはいずれご自身のメリットとして返ってくるんじゃないかなと思います。

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TBSテレビ高橋正尚

高橋正尚

2000年TBSテレビ入社。バラエティ制作部で『学校へ行こう!』のディレクター業務などを経験後、ドラマ制作部へ。編成部などを経て、現在は映画アニメビジネス局に。

これまで企画立案またはプロデュースに携わった作品は 、『山田太郎ものがたり』『魔王』『冬のサクラ』『美男ですね』『アリスの棘』『砂の塔』『テセウスの船』『マイファミリー』『君の花になる』など多数。

『TOKYO MER~走る緊急救命室~』は映画化もされ、2026年夏に3作目となる『劇場版 TOKYO MER -CAPITAL CRISIS-』が公開予定。 

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