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夏帆“鮎美”と竹内涼真“勝男”の愛すべきキャラクターが生まれるまで、TBS火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』プロデューサーが明かす制作秘話

TBSで放送中の火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(毎週火曜よる10時)が、2025年12月9日(火)に最終回を迎えます。

原作は谷口菜津子氏による同名漫画(ぶんか社「comicタント」連載)。“恋人ファースト”ゆえに自分を見失ってしまった山岸鮎美(やまぎし・あゆみ)と、“料理は女が作って当たり前!”な亭主関白思考な海老原勝男(えびはら・かつお)の別れから始まる二人の成長&再生ロマンスコメディです。

本作で自身初となるGP帯ドラマのチーフプロデューサーを務めたのは、TBSスパークルの杉田彩佳。ドラマに込めた思いや最終回の見どころのほか、自身のキャリアについて話を聞きました。

企画の発端は、自身の「変わりたい」願望がきっかけに

まずは、『じゃあ、あんたが作ってみろよ』を企画した経緯を教えてください。

杉田 原作との出会いは、上司に勧められて読ませていただいたことがきっかけなのですが、ドラマ化したいと思った一番の理由は「“変わりたい”と願う人たちの背中を押せるような作品にしたい」という個人的な思いからです。企画したころ、31歳の誕生日が目前だった私は、ダイビングスクールや語学学習など何か新しいことを始めたいと思っていました。でも、30歳を過ぎた自分が、教室で年下の子たちに混ざって何かを始めることに、どこか恥ずかしさがあったのです。

同じような気持ちの人もいるのかなと思っていた矢先、出会ったのが原作の漫画です。鮎美や勝男が「変わりたい」と奮闘する姿を見て、変わりたいと思うのは恥ずかしいことではないんだ、と力をもらいました。自分が原作から受け取ったこの思いを、真正面から描きたいと考えてドラマ化を企画しました。

また、登場人物たちの「逆説的なキャラクター」にも惹かれました。例えば、勝男はハイスペックなのに余計な一言が多い、鮎美は一見かわいくて健気なのにクールに物事を見て現実的なところがある。こうした逆説的な面を持つキャラクターは人間味があって、視聴者の方から共感を呼ぶのではないかと考えました。

さらに、「別れから始まるラブストーリー」というテーマをこれまで手掛けたことがなかったので、挑戦したいという思いもありました。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』場面写真

脚本作りはいかがでしたか?

杉田 上司に「面白い舞台があるから行こう」と声を掛けてもらって劇団アンパサンドの公演を見に行ったところ、とっても面白くて。そこで劇団を主宰する安藤奎(あんどう・けい)さんに脚本をお願いしました。

安藤さんと脚本を作り始めたのは、2024年10月ごろ。約1年かけ、設定や流れをとことん話し合って作りました。原作の持つ「味」を壊さないようにしながら、ドラマオリジナルの部分も大事に仕上げています。原作者の谷口菜津子先生にも都度お渡しして、いただいたご意見や感想を反映しました。

全10話の構成なので、1話が完成して2話を書き進めていると、「1話にこういう要素があったから、2話はこう修正しないと整合性が取れない」ということが起こります。その結果、3話、4話と書き進めていた部分も連鎖的に修正が必要になり、その積み重ねで時間をかけて作りました。

特に苦労したのは、1・2話です。例えば2話で、合鍵を返しにきた鮎美が、勝男と後輩たちがカレーを作っているところに出くわすシーンがあります。「筑前煮、どうやって作っていたか教えてくれないかな」、「レシピ教えてくれるだけでいいんだけど」と勝男から言われたことから、鮎美は部屋を飛び出してしまいます。スタッフ間で話し合うと、女性側は「勝男はなんでこんなひどい言い方するの?」と思いますが、男性目線では「自分からフッた側の鮎美が、なぜ孤独を感じるの?」と感じるそうです。男女での意見のすり合わせは時間がかかりましたが、こうした価値観の違いは学びになって面白かったですし、台本作りに生きています。

キャスティングはどのように行ったのでしょうか。

杉田 まず、鮎美役の夏帆さんはかねてよりご一緒したいと思っていた方。将来のために取り繕ってきたが故に、本心が読めない鮎美を演じきってくれるのは「夏帆さんしかいない」と思ってオファーしました。

勝男役は、竹内涼真さんの持つユニークさ、無邪気で天真爛漫なイメージが決め手になりました。勝男は強い発言が多いのですが、それが笑って許されるような、どこか隙のある雰囲気が必要だと思ったからです。また、竹内さんご自身が非常に真面目な方だと伺っていて、そんな方がこの役を演じたらどうなるのか興味がありました。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』場面写真

勝男の親友・柏倉椿(かしくら・つばき)役は、パワフルな竹内さんに負けない、芯のあるたくましさがありながら、チャーミングな方が理想だったので、中条あやみさんにお願いしました。堂々とした雰囲気をお持ちで美しい中条さんはぴったりだと思います。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』場面写真

勝男の後輩・白崎(しろさき)ルイ役は、明るくて勝男に善悪をちゃんと伝えてくれる存在でいてほしいという期待を込めて前原瑞樹さんにお願いしました。前原さんの舞台やドラマを拝見した上で決めましたが、原作のキャラクターと見た目が似ている点も適役だと思います。

南川(みなみかわ)あみなは、ただの良い子ではなく、自分の意見をしっかりと持った方がいいなと思いました。杏花さんとお話した際、求めていた芯の強さを感じたのでオファーしました。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』場面写真

吉井渚(よしい・なぎさ)役は、演出の伊東祥宏さんとラランドさんの単独ライブに行ったことを機に、サーヤさんがいいのではないかという話になりました。谷口先生にお伝えしたら、実はサーヤさんの相方のニシダさんのエピソードを原作に反映していたそうで、キャスティングできるように頑張りました。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』場面写真

ミナトくんは、キャスティングに一番悩んだキャラクターです。結婚願望がないことを理由に鮎美に別れを告げる行動に、SNSなどではいろいろな意見がありましたが、「自分の結婚に対する価値観が明確で、価値観が合わないから別れようときちんと自分の言葉で伝えている」という意見も拝見しました。

端的に言えばチャラい男と受け取られかねませんが、実は相手のことを一番に考えている優しい人であるという「紙一重」の部分は、さらっと演じてしまうとミナトの深みが伝わらなくなってしまいます。

このキャラクターに重みを出せるのは誰かと考えていたところ、一緒にプロデューサーをしている丸山いづみさんと話して、私が『笑うマトリョーシカ』(2024年)の編成担当だった時に、櫻井翔さん演じる清家一郎(せいけ・いちろう)の幼少期を演じていた青木柚さんの演技を見て、この方ならミナトを表現してくれると思い、お願いしました。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』場面写真

登場人物のファッションへのこだわりも教えてください。

杉田 ファッションはスタイリストのBabymixさん(※夏帆さん、竹内さん、サーヤさんを担当)のアイデアが大きく反映されています。特に「キャラクターが画になじむかよりも、かわいく見えるかどうか」という点を大事に考えてくれたことが、キャラクター作りに生きています。

勝男の場合、発言にパワーワードが多いので、ビシッとしたスーツを着て言ったら、本当にモラハラをしている印象を受けますが、服装をレトロに少しダサくして、かわいさを残すことで、「こいつ何言っちゃってんだろう」と思わせる余地が生まれました。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』場面写真

鮎美の衣装はどこか自分を探しているような雰囲気を残すように工夫してもらいました。劇中で髪色が黒、ピンク、茶の3パターンに変化するので、それに合わせて服装も3種類用意していただきました。

夏帆さんのヘアメイクを担当する中村了太さんも試行錯誤を重ねられ、ハネさせたり内巻きにしたりとバリエーションをつけています。

特に髪色をピンクにするかどうかは徹底的に話し合いました。衣装合わせでは6~7種類のウィッグを試着し、さらに別日にまた違うウィッグを作ってくださって、全部で10個ほどのウィッグを試した中からあの髪色に決まり、夏帆さんに実際に染めてもらいました。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』場面写真

SNSでも話題になった演技や料理シーン、劇中ドラマの裏側

約3か月半に及ぶ撮影はいかがでしたか?

杉田 2025年7月から撮影を始めましたが、非常に暑かったことを覚えています。また、キャストさんは若い方が多く、スタッフも若手が多かったので、淡々というよりも、皆で「一分一秒も無駄にしない」と全力を尽くして撮影に臨んでいました。ベテランのスタッフが、若いスタッフに足りない部分を提案してくれて、皆で乗り越えていったパワフルな現場だったと思います。

特に印象的なのは、とにかく話し合いが多かったことです。細かいシーンでも、常にみんなで話し合いながら進めていきました。その会話は夏帆さんと竹内さんから生まれることもあって、おふたりが果たしてくださった力はとても大きかったです。経験豊富なおふたりに引っ張っていただき、私たちもたくさんのことを学ばせていただきました。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』場面写真

W主演の夏帆さんと竹内さんの演技を間近で見て、どう感じましたか?

杉田 おふたりの演技には心を動かされる部分がたくさんありました。全てをリアルにしよう、とすごく考えてくださっていました。

夏帆さんは、6話終盤で髪色を茶に変えた後、ミナトに「ちゃんと自分で決めたから」と伝えるシーンでの演技が特に印象に残っています。泣かせるシーンではなかったのに、夏帆さんが少し照れくさそうにしながらセリフを言う姿を見ていて、思わずウルッと涙ぐんでしまいました。いろいろな選択肢があったはずですが、夏帆さんがあの表現、言い方を選択されたことは、ずっと間近で見てきた人間として「この絶妙なバランスを選んで演じてくれたんだ」と感慨深かったです。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』場面写真

夏帆さんは、ご自身が発する言葉の重みを非常に大切にしている方という印象です。「普段ならこういう言葉は使わないだろうけど、もし言うとしたらこういう言い方かな」というように、非常にクレバーに考えてくださいます。そのうえでリアリティーを損なうことなく繊細にお芝居してくださったところに、夏帆さんの素晴らしさを感じました。

竹内さんは、不器用で真面目な勝男を全身全霊で表現してくださっています。コメディーのシーンでも、ご本人は笑わせようと思って演じているのではありません。転ぶ芝居一つにしても、超真剣で真面目に取り組んでいました。だからこそギャップが生まれ、見る人は笑ってしまうのだと思います。

5話では、勝男が会社で便器に挟まれるシーンも話題になりました。まずどんなロジックがあって便器に近付き、どんな風に挟まるのか、ハプニングに見せないようにするためにはどうしたらいいのか、南川への言葉掛けのテンションなど、とっても真面目に考えて演じてくださいました。

勝男の料理シーンについて、教えてください。

杉田 料理シーンの撮影は、時間をかけて丁寧に行いました。他の撮影の合間に撮るというよりも、料理の撮影だけを行う日を設けているほど。特に、筑前煮やおでんは一品につき約1日かけています。おひとりでの撮影だったので、勝男の名前しか並んでいないスケジュール表を眺める竹内さんの背中が、少し寂しげに見えました(笑)。

手元の寄りのシーンも代役を使わず、全て竹内さんが手を動かしています。撮影に入る前に、ご自身で筑前煮を作り練習してくれたそうです。セットのキッチンは作業台が低いので、身長の高い竹内さんは、腰をかがめて手を動かすのが少し大変そうでした。

料理のシーンで肌着を衣装にしたのは、竹内さんのアイデアです。衣装合わせのとき、肌着のまま出てきて「これで料理するのはどうですか?」と提案してくれました。そのときは、見てはいけないものを見たような気持ちになりました(笑)。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』場面写真

劇中ドラマ『フォーエバーラブは東京で』も話題です。これにはどのような意図があったのでしょうか。

杉田 勝男の「古臭い男」という要素を際立たせるために、安藤さんが脚本に「トレンディドラマを見ている」というト書きを書いてくださいました。そこで、なぜ勝男がトレンディドラマを見ているのかという理由付けが必要になり、「勝男にとっての完璧な男のイメージは、トレンディドラマに出てくるような、少し古風なキザな男である」、「トレンディドラマ=勝男にとっての男の教科書」という位置づけで制作を始めました。

『フォーエバーラブは東京で』の撮影はいかがでしたか?

杉田 ロケーションにとても力を入れて、神奈川の三崎港や、新宿アイランドタワーLOVEオブジェなどいろいろなところに撮影に行ったので、実はかなり予算がかかっています。ロケ地を選定する制作部スタッフが特に苦労したのは、1話のプロポーズシーンだそうです。当時の風景は今と全然違うので、窓からスカイツリーが見えたら時代的にNGだったり。さまざまな条件をクリアする古き良きレストランを見つけるのは大変だったと聞いています。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』場面写真

使用するカメラも当時を意識し、現在ではあまり使われていないズームレンズを採用しました。カメラマンと演出担当が、昔のドラマを何度も見直して撮り方などを研究したうえで撮影しています。衣装やメイクにもこだわって、あの形になりました。

本編ではわずかな時間しか流れませんが、SNSなどで『フォーエバーラブは東京で』の考察をしてくれている方を見かけると嬉しくなります。

まもなく最終話が放送されます。ズバリ、見どころを教えてください。

杉田 鮎美は本当の自分を探せたのか、勝男は愛を取り戻せるのか、という点が一番の見どころです。その先のエンディングでは、二人のことをもっと応援したくなる要素が出てきます。ぜひ、最後の1秒まで見逃さずにご覧ください。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』場面写真

先輩の背中を見て学んだ「かっこつけない、すかさない」ドラマ作り

ところで、杉田さんはどんな経緯でTBSスパークルに入社されたのでしょうか。

杉田 学生時代は時間があったので「将来を決めよう」と考えて、アイドルオーディションを受けたりしました。落ちましたが(笑)。いろいろな企業のインターンに行ったり、アルバイトを掛け持ちしたりと興味のあることに幅広く挑戦しました。

趣味で映像制作もしていて、興味本位で応募した広告のCM動画コンテストで準優勝できたんです。これを機に自分が本当に好きなのは映像制作なのかもしれないと気付き、映像業界を目指すことにしました。

当時、TBSビジョン(※TBSスパークルの前身企業)は、サイネージ系に強みを持っていて、特化した部署があったので、ここで働きたいと思いました。CMやビジュアルエフェクトのような、短時間でインパクトを与えられるクリエイティブな映像に興味があったからです。あのとき動画コンテストに応募していなかったら、今何をしていたのかわからないです。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』公式宣伝大使 マロッピー、劇中に登場するモチ肌アザラシと
『じゃあ、あんたが作ってみろよ』公式宣伝大使 マロッピー、劇中に登場するモチ肌アザラシと

入社後はどのようなキャリアを歩んでこられたのでしょうか。

杉田 TBSビジョン入社後は、バラエティ制作部に配属されて3年ほど働きました。その後、TBSビジョンや、ドラマ制作に定評のあるドリマックス・テレビジョンなどいろいろな会社が合併してTBSスパークルになったことで、業務の選択肢が広がりました。

ちょうど入社3年目を迎え、「これまで経験していないことは何か」と振り返ってみたとき、シナリオベースのストーリー制作に挑戦してみたいと思いました。元々ドラマや映画が好きで、映画館でアルバイトしていたこともあったので、希望を出してドラマ部に異動しました。

異動後は助監督からスタートしてさまざまな作品に携わりました。プロデューサーデビュー作は『埼玉のホスト』(2023年)です。企画とチーフプロデューサーを務めました。それからTBSテレビの編成に出向し、企画プロデュース室というところで番組の編成担当をしたり、数字を分析したり、企画の種をまいて練ったりと、いろいろな経験を積んでから現在に至ります。

取材途中、宣伝大使のマロッピーに擬態してしまった杉田プロデューサー
取材途中、宣伝大使のマロッピーに擬態してしまった杉田プロデューサー

これまで特に影響を受けた作品や人物を教えてください。

杉田 影響を受けた作品はたくさんありますが、『俺の家の話』(2021年)と『離婚しようよ』(2023年 Netflix)の助監督を担当したときに、人間の泥臭さを全面に出した方がいいんだなと学びました。『じゃあ、あんたが作ってみろよ』も「かっこつけない、すかさない」をモットーに制作しました。

影響を受けたのは、プロデューサーの磯山晶さんです。ずっと磯山さんのもとで学んできたので、キャスティングや度肝を抜く展開の仕方など、ドラマの作り方はもちろん、作品に独自の「色」を出す方法にはとても影響を受けています。

その「色」は、企画のゼロイチのゼロの部分の作り方によって決まることや、使う音楽やクリエイティブな要素の選び方一つで生み出されるのだと学びました。特に、「この劇伴作家さんによる音楽でなければ実現しなかっただろう」と感じたシーンは多々あります。その選択の的確さに、やはり磯山さんの持つ色の出し方は非常に巧みだと感じました。

磯山さんから教わった音楽の付け方は『じゃあ、あんたが作ってみろよ』でも生きています。例えば、7話で池津祥子さん演じる勝男の母・海老原陽子(えびはら・ようこ)がフリーズドライの味噌汁を使っていることに気付くシーンがありました。そのシーンには、最初は音楽が付いていなかったのですが、6話で陽子が魚のうろこ取りをするシーンと同じ、サスペンス調のフレーズを使ったことで印象的なシーンになったと思います。この音楽は元々、6話で演出の福田亮介さんが何か音楽をつけたいとなり、選曲の谷川義春さんが「劇伴の金子隆博さんが作曲されたこのフレーズがいいと思います」と付けたもので、以来、「陽子のテーマ」になりました(笑)。

杉田さんの今後の展望を教えてください。

杉田 たくさんありますが、数十年後に、『ドラマでクイズ!THEキリヌキ』のようなドラマ名場面の紹介番組に取り上げられるようなドラマを作ることが目標です。そのためにいろいろな作品を作っていきたいと思います。『大恋愛~僕を忘れる君と』(2018年)もドラマ制作を志したきっかけになった作品の一つなので、号泣必至のラブストーリーにも挑戦したいです。

キャリアとしては、プロデューサーだけでなく、演出もしてみたいです。自分で制作した動画が評価されたことをきっかけにこの業界に入ったので、ディレクションへの興味はもともとありましたが、プロデュースという仕事にもやりがいを感じています。

ドラマ作りは大変なことも多いですが、これからも「めげない、負けない、すかさない」をモットーに続けていこうと思います。めげずに、すかすことなく泥臭く、謙虚な気持ちをベースに、あきらめないことが大事なのかなと。

最後に、杉田さんのように、ドラマ制作の仕事を目指す就活生に向けてメッセージをお願いします。

杉田 私は学生時代、興味のあること全てに挑戦して本当に良かったと思っています。「何をやりたいか」を探すのはもちろん大事ですが、それ以上に「自分に何が向いているか」を探すことが重要だと学びました。この経験は、就職活動にも生きたんじゃないかなと思います。

ドラマ制作の仕事を目指すなら、とにかくたくさんの作品を見て、それに対して常に「どう思ったか?」、「なぜこの演出をしたのだろうか?」という感想や疑問を持つのがおすすめです。そうすることで、引き出しが増えると思います。

TBSスパークルは社員同士の横のつながりが強くて、感想や疑問を伝えやすい雰囲気があります。お互いを刺激し合いながら制作ができますし、若手でも企画が通れば積極的に機会を与えてくれるので、ぜひ挑戦してください!

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TBSスパークル杉田彩佳

杉田彩佳
2016年TBSビジョン(現TBSスパークル)入社。バラエティ制作を経て、エンタテインメント本部ドラマ部へ異動。『恋はつづくよどこまでも』(2020年)でアシスタントプロデューサー、『俺の家の話』(2021年)で助監督、『100万回言えばよかった』(2023年)でプロデューサーを歴任。『埼玉のホスト』(2023年)でチーフプロデューサーデビューを果たす。TBSテレビ編成への出向を経て、現在は再びドラマ部に所属。『じゃあ、あんたが作ってみろよ』で、自身初となるGP帯ドラマのチーフプロデューサーを務める。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』©TBSスパークル/TBS

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