- AKASAKA REPORT
アートイベント「AKASAKA ART WAVE」開催!出展作家3人に聞く、作品の見どころ

3月13日(金)~29日(日)、赤坂・TBS放送センター裏にある南公園周辺で、アートイベント「AKASAKA ART WAVE」が開催されます。
初開催となる同企画。「海」をキーワードに、公園周辺を“波打ち際”に見立てて、若手作家4組の屋外作品を点在展示します。今回は参加作家のうち、美術作家の井上修志さん、同井上ひかりさん、彫刻家の柴田まおさんにインタビューを実施。展示作品の内容や狙い、作品の魅力に加え、普段どのような制作をしているのかなどをお聞きしました!
井上修志さん:テトラポッドの「型枠」をベースにした作品を展示

普段はどんな作品を作っていますか?
井上修志さん(以下井上修) 鑑賞者が回り込んで見たり、ひと目では全体を把握しにくかったりするような、大きな屋外作品を作ることが多いです。土やコンクリートに加え、廃棄物や瓦礫など「捨てられてしまうもの」も素材として組み合わせてきました。

今回はどんな作品を展示する予定ですか?
井上修 テトラポッドの「型枠」をベースにした作品です。高さは約2.2メートルあり、先端から覗き込むような構造になっています。
作品の見どころを教えてください。
井上修 覗き込む行為を通して、工事中の鉄骨や街の内部へ視線が入り込むような感覚を生み出したいと思っています。いまの風景だけでなく、少し前の街の姿や、さらに太古の地形へも想像が広がるような体験になればうれしいです。
井上ひかりさん:家庭用ホースを編み込んだ大型絵画作品を制作

普段はどんな作品を作っていますか?
井上ひかりさん(以下井上ひ) 工業製品を用いた絵画を制作しています。近年は、家庭用の水まきホースを編み込んで画面をつくる作品を展開しており、材料はホームセンターで購入したものを使っています。「廃材アート」やサステナブルの文脈とは距離を置き、「選んでここにある」ことを大切にしています。

今回はどんな作品を展示する予定ですか?
井上ひ 家庭用ホースを編み込んだ大型の絵画作品です。サイズは幅6メートル、高さ2メートルになります。
作品の見どころを教えてください。
井上ひ 近くで見るとホースだと分かる一方、少し離れると青い“絵”として見えて、またホースへと認識が揺れ戻ります。そうした「見え方の行き来」を楽しんでもらえたらうれしいです。作品に意味を込めるというより、物質がそこにある状況をつくることを重視しているので、海を感じても地図を連想しても、その受け取り方のままで見てもらえたらと思います。
柴田まおさん:金属を軸にした空間彫刻作品を手掛ける

普段はどんな作品を作っていますか?
柴田まおさん(以下柴田) 彫刻を軸に、人のサイズを超えるインスタレーション(空間彫刻)を制作してきました。鑑賞者が中に入って体験することで成立する作品をつくることも多いです。コロナ禍以降は、立体作品をモニター越しに提示せざるを得なかった経験をきっかけに、デジタルとフィジカルの関係を問い直すシリーズ「BLUE」も展開しています。

今回はどんな作品を展示する予定ですか?
柴田 鑑賞者が“中”に入ってはじめて成立するタイプの作品です。サイズは約3メートルで、ビル風の影響を考慮して当初案から調整しました。素材はアルミを軸に溶接で組み、布で覆う構成になります。
作品の見どころを教えてください。
柴田 作品そのものだけでなく、周囲の空間も含めて立ち上がるのが彫刻だと思っています。赤坂のビルの狭間にある南公園という場所で、突然現れる違和感ごと体験してもらえたらうれしいです。
3月19日にはオンライン企画も実施
かつて赤坂周辺は海の縁(海岸線)だったとされ、その“かつての姿”に着想を得たという今回の企画。赤坂の“波打ち際”を歩きながら、太古と現代、リアルとデジタル、日常と非日常が交差する感覚を味わえます。会期中は作品近くに作家インタビュー動画も設置し、見たままの感覚に作家の言葉を重ねて楽しむこともできます。
なお、3月19日(木)には、連動企画としてオンラインアート鑑賞プログラム「ZOOOOOM ART MUSEUM」特別編も配信予定。井上ひかりさん、柴田まおさんに加え、キュレーターの田尾圭一郎さん、プロデューサーの高山暢比古さんが登壇し、展示の見どころや企画の背景について語ります。
仕事の合間に通り抜けるだけだった道に、突然アートが立ち上がる「AKASAKA ART WAVE」。見上げたり、回り込んだり、近づいたり離れたりと、身体の動きごと作品を鑑賞してみてください。まずは気負わず、ふらっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
<作家プロフィール>
■井上修志(いのうえ・しゅうじ)
東日本大震災の経験を起点に、崩壊と創造で変貌する風景へ目を向ける美術作家。1995年、宮城県生まれ。2021年、東京芸術大学美術修士取得。主な個展:「VS」(2025年)、「一周の螺旋は円にも見える」(2023年)。主なグループ展:「黄金町バザール2024」(2024年)、「万田坑芸術祭」(2023年)、「KAWAKYU ART Exhibition 2022」(2022年)。
■井上ひかり(いのうえ・ひかり)
工業製品の“ツヤ”や形に惹かれ、ホースをメディウムに絵画を制作する美術作家。1999年、神奈川県生まれ。2024年、武蔵野美術大学大学院油絵コース修了。ここ数年はホースをメディウムに、支持体と一体化させて画面を制作。選んだ材料が「ここに存在している」ことを重視する。主な展示:「群馬青年ビエンナーレ2025」(2025年)、「ATAMI ART GRANT」(2024年)。
■柴田まお(しばた・まお)
人と人のつながりやコミュニケーションの在り方をテーマに、彫刻やインスタレーションを発表する彫刻家。1998年、神奈川県生まれ。主な展示:「極寒芸術祭Teshikaga」(2019~2025年)、「FUJI TEXTILE WEEK 2025」(2025年)、「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2025」(2025年)、「六甲ミーツ・アート芸術散歩2023 beyond」(2023年)、「多層世界とリアリティのよりどころ」(2023年)。
<開催概要>
「AKASAKA ART WAVE」
場所:TBS放送センター裏「南公園」周辺
日時:2026年3月13日(金)~29日(日)10:00~18:00
入場料:無料
アーティスト:井上修志、井上ひかり、柴田まお、松田将英
URL:http://akasaka-art.com/
Instagram:https://www.instagram.com/akasaka_art_wave/
オンラインアート鑑賞プログラム「ZOOOOOM ART MUSEUM」特別編(AKASAKA ART WAVE)
日時:2026年3月19日(木)19:00~20:00
登壇:井上ひかり、柴田まお、田尾圭一郎(キュレーター)、高山暢比古(プロデューサー)
料金:無料
配信:https://www.youtube.com/@AKASAKAARTWAVE

