- AKASAKA REPORT
農薬不使用・森林伐採を伴わないカカオを使う「ママノ チョコレート」店主・江沢孝太朗さん

赤坂3丁目、エスプラナード通り沿いに構える「MAMANO CHOCOLATE(ママノ チョコレート)」を営む江沢孝太朗さん。
エクアドル産カカオを使ったボンボンショコラや板チョコを販売するチョコレート店として、2013(平成25)年にオープン。法人向けにカカオ豆やクーベルチュール(業務用チョコレート)の卸や販売を行う一方、現地での植樹や野生カカオの保全など、アマゾンの環境に目を向けたプロジェクトにも取り組んでいます。

世界に関わる仕事を目指して、カカオと出会う
1986(昭和61)年生まれ、東京都出身の江沢さん。起業を意識したのは学生時代からで、早稲田大学ではスポーツに打ち込みつつ英語サークルにも所属し、「世界で貢献できる仕事がしたい」と考えていました。卒業後はベンチャー企業に入り、ウェブディレクションや営業を経験し、自らウェブサービスの立ち上げにも挑戦します。
ただ、続けるうちにウェブの仕事を楽しみながらも、“リアル”の場で人と関わるほうが性に合うと感じるようになったそうです。
転機になったのは、仕事を離れてボランティアに関わったときでした。現地の生産者とつながり、商品を手売りし、売り上げが誰かの力になっていく循環を目の当たりにします。その実感が、「自分がやるべき事業」を形づくっていきました。
そんな中で出会ったのが、エクアドル由来の希少なカカオ「アリバカカオ」でした。一口で、フルーティーで華やかな香りに驚いたそうです。

森を守る原料基準でつくるチョコレート
江沢さんはカカオの可能性を感じて事業の軸に据えることを決意し、2013(平成25)年2月に「MAMANO CHOCOLATE」をオープンしました。創業当初は小さな工房を拠点に、江沢さん自身も製造に携わりながら、つくっては店頭で販売するスタイルで歩み始めます。その後、拠点を現在の店舗に集約し、法人客やシェフも訪れるショールームとしての役割も担っています。
同店では、エクアドル産カカオを使ったボンボンショコラや板チョコを中心に、常時30種類ほどをそろえます。カカオの発酵や品種の違いを商品に落とし込むことでラインアップは年々広がり、バニラやジャングルピーナッツ、マカンボ(カカオの近縁種)など、アマゾン由来の素材を使った商品も店頭に。原料選びでは、農薬・化学肥料を使わないこと、森林伐採を伴わないこと、児童労働ゼロなどを基準にしています。

NPOを設立、小規模農家を支援へ
江沢さんは、熱帯雨林の保全や小規模農家の支援を目的とした活動にも力を入れ、2025年にNPOを立ち上げました。野生カカオの保全や植樹、原生林の保護などを軸に、現地のコミュニティと連携しながら環境を守るプロジェクトを継続しています。
また、会社としての取り組みも広がっています。現在は、エクアドル産カカオ豆や菓子店向けのクーベルチュールを全国のチョコレート店や菓子店に卸すことが事業の柱の一つにもなっています。産地側では現地メンバーと連携し、発酵プロセスの改善やデータの計測、仮説検証を重ねながら「カカオをよりおいしくする」ための取り組みを継続。ここ最近では、まだ知られていない野生カカオの探索も進めているそうです。

自然環境にとっていいことを続けたい
江沢さんは、「世界で貢献できる仕事がしたいという軸はいまもぶれていません。日々やっていることは、カカオをおいしくする仕事ですが、売れば売るほど社会や環境にとっていい循環が生まれる形にしていきたいと思っています。会社として短期・中期でできることを積み重ねつつ、NPOでは超長期で、現地や自然環境にとっていいことを続けていきたいです」と話してくれました。
赤坂で小さなチョコレート店を営みながら、カカオの価値を高める取り組みと、アマゾンの森を守る活動を並走させている江沢さん。店頭に並ぶ一粒一粒には、香りや味わいだけでなく、生産地や自然環境へと続くストーリーも詰まっています。

気になった人は、まずは「MAMANO CHOCOLATE」を訪れて、お気に入りのチョコレートを一つ選ぶところから始めてみてはいかがでしょうか。
<店舗情報>
「MAMANO CHOCOLATE(ママノ チョコレート)赤坂見附店」
住所:港区赤坂3-8-8 赤坂フローラルプラザビル1F
電話番号:03-6441-2744
営業時間:平日=10:30~22:00、土曜・日曜・祝日=11:30~15:00、16:30~19:30。
公式ホームページ:https://mamano-chocolate.com

